統一運動のメンバーに送る公開書簡
統一教会指導者たちはメンバーを道に迷わせ分裂に導いた
2022年2月20日
親愛なる食口の皆様
10年以上の歳月の間継続している分裂に、今なお巻き込まれている霊的な家族、統一運動のメンバーが置かれている状況に対する残念な思いで、今日私はこの文章を書いています。この分裂はすべての統一運動のメンバーに深い苦痛を与えており、生きておられる神はこの分裂を嫌悪していらっしゃるに違いありません。様々な面で内戦に似ているこの分裂は、家庭を崩壊させ、計り知れない心の苦痛と悲しみを引き起こし、数十の軽薄な訴訟によって、献金で準備された統一運動の資産数億ドルが浪費されました。何より最も重要な事実は、分裂は神の摂理と私たちの運動における核心的な使命、つまり真のお父様・文鮮明総裁がおっしゃった「平和理想世界」の建設に甚大な被害を与えてきました。分裂を超えて、もう一度神の真理を中心とし「統一された家族」になるためには、統一運動のメンバーである私たち皆がこの分裂の起源と結果をはっきりと評価することが何よりも重要です。
神の子女になるために努力する者として、私たちの最高の関心事は常に、私たちが神のみ旨を行っているかどうかということです。多くの側面があるでしょうが、全体的に最も重要な点は、私たちが神の摂理に正しく一致しているかということです。復帰歴史を見れば、自分では神のみ旨をなしていると思っていたが、摂理とずれていたために、実際は神のみ旨に逆らって行動していたという悲劇的な歴史を持った多くの人々の話であふれています。聖書のマタイによる福音書19章30節に出てくる警告を私たちはよく知っています。「しかし、多くの先の者はあとになり、あとの者は先になるであろう」。私たちはこの一節が、イエス当時にイエスを敬わなければならなかったがそうしなかった律法学者とパリサイ人たちを指していると考えたはずです。おそらく私たちは、この一節が、真のお父様に対して洗礼ヨハネの役割を果たすように召命されたが、むしろ真のお父様を攻撃した当時のキリスト教指導者たちに適用される言葉だと考えたでしょう。ところで、統一運動において「先の者」とは、正に教会の元老や指導者たちでした。それならばマタイによる福音書の警告は、統一運動の元老たちにも適用されるのではないでしょうか。
統一運動の教会指導者が教える非原理的な理解
世界平和統一家庭連合(FFWPU)指導部、すなわち元老と教会指導者が統一運動の分裂をもたらし、それを持続させながらどのような役割をしたのか理解することは重要です。ここ数年、ますます多くの事実が明らかになり、統一運動の牧会者たちが分裂を助長する教えを推し進めたという事実が今、明らかになりました。真のお父様は原理(Divine Principle)の真理を理解し、伝播するために奮闘されました。原理講論はキリスト教徒を対象に書かれたもので、「私と父は一人」(ヨハネ福音10:30)というイエスの教えを理解し、イエスのメシヤ的使命についての深い洞察を伝えています。このような原理が伝える洞察は、イエス当時から400年経った後に作成されたキリスト教(ニケーア)信条(the Christian(Nicene)Creed)に書かれた神学的立場を明らかにしています。信条(Creed)は三位一体の教理(すなわち、一つの神の中に宿る三つの人格)を教えています。信条(Creed)は信者にイエスは神聖であり、イエスは神と同一で、したがってイエスは間違いを犯すことがなく、すべてをご存じで、完全に前もって決められた人生の行路を歩まれたと教えています。さらに、この信仰はすべての人ではありませんが、多くの人々に、私たちが永遠の救いを得るためにしなければならないことは、ただイエスを信じることだと結論づけているのです。
統一原理では、神の真の息子であるイエスは心情と使命において天のお父様と完全に一致していたが、イエスは完全に人間であると主張します。イエスは神を中心とした家庭と血統を立て、人類始祖(アダム)の家庭の失敗を復帰する人にならなければなりません。メシヤの主な資格は彼が堕落と何ら関連がないということです。統一原理は、真のお父様が生涯を通じて説明されたように、メシヤは神ではなく半神でもない人間であることをはっきりと説明しています。メシヤは特別な人間ですが、それでも彼は人間です…彼は人間というものに伴う限界を持っています。真の人間としてのメシヤは、神と神の原則に完全に一致しているものの、同じようにまた判断のミスを犯すことがあります。(真のお父様が幾度もご自身に対して認められた内容です)
このような内容が統一原理に非常に明白に出ているにもかかわらず、中心的な元老の教会指導者たちは多数の統一神学大学院教授と韓鶴子女史の支持を受けて、次のような誤った信仰を一般食口に対し、徐々に吹き込んできました。つまり、真の父母様は絶対に過ちを犯さず、決して騙されることのない全知全能の神であり、ひいてはすべてのメンバーはただ真の父母様を信じて祝福を受けさえすれば天国に行くという信仰です。事実上、統一運動の指導者たちはキリスト教信条(Christian Creed)に類似した体系を採択し、イエスを真の父母に置き換えたわけです。多くの元老指導者はキリスト教の背景を持ち、同時に彼らの文化は家庭の中で親の「絶対」権威を認める儒教的思想の影響を多く受けていました。しかし、彼らには自分たちの文化的背景が与える影響とは関係なく、統一原理に従うという責任がありました。これを誤って理解することは、人間が神から与えられた権利と自由の本質的な基盤となる、人間の5%の責任分担を損なうことになるのです。人間は、自由と責任なくして神の創造目的を果たすことはできず、神との共同創造主である神の子女になることはできず、真の愛の世界を実現することはできません。現在、統一家は二つの対立するイデオロギーによって分裂しています。統一原理の奥深い真理を中心とするイデオロギーとそうでないイデオロギーです。
これと同様に統一教会の指導者たちは、祝福について理解する上で多くの食口を混乱させました。
祝福結婚が万民のための入り口だという事実は、真のお父様の御言と、見せてくださった事例を見ればはっきり分かります。世の中のいかなる夫婦も、宗教、国籍、人種を問わず、祝福を通して、拡大された真の家庭の一員となることができます。祝福は終わりではなく始まりです。祝福を通じて夫婦は神を中心として自分の家庭を築き始めます。祝福を通して夫婦は三大祝福を成し、結局は自分自身の真の家庭を創造するという5%の責任を持つようになります。「神中心」になるということは、夫婦が神の摂理に対する個人的な責任と主人意識を持って、神がなさる事に共に参加し、神のすべての子女を復帰するということを意味します。
しかし多くの祝福中心家庭は、祝福が一種の「天国へ行くチケット」だという誤った信仰を持つようになりました。次のような間違った考えです。「私は祝福を受けたのだから、私の子どもたちはすでに祝福子女だ。彼らが純潔を維持し自ら祝福を受ければ、私の仕事は終わる。祝福を受けた後に子供たちが純潔な結婚生活を維持しさえすれば、彼らは望む通りの人生を追い求めることができる。私たちの家族はみんな天国に行くだろう。もう私は年を取ったから、引退して孫たちと楽しい時間を過ごすことができる」。このような考え方は事実上、どの世代であれ「すべての」祝福家庭は主人意識を持って、神と神の摂理のために自分の心情とエネルギーのすべてを、精誠を尽くして捧げなければならないという責任を無視することです。生きておられる神は、ご自身の失われた「すべての」子女たちを救済するために懸命に働かれており、それが成し遂げられるまで決して安息されることがありません。ですから神は復帰歴史を完成するのに祝福中心家庭が神と一緒に参加することを期待しておられます。神にとってこれは、数百万の神の子女たちが祝福の恩恵も受けることができず、日々霊界の来世へと旅立っている、生と死が交差する闘争のようなものです。天のお父様と兄弟姉妹がそのように深刻な苦境に立たされているのに、誠実な祝福家庭であればどうやって安らかに座って休むことができるでしょうか。
統一運動の中心機関は真の家庭である
歴史は最初のアダム家庭の失敗から始まったので、神が最初から堕落した人類を通じて役事された主な目的は、新しいアダム、すなわち原罪のないアダム的人物を立てることで、その本来の家庭を復帰するための基盤を確保することでした。そのようなメシヤ的人物の主な責任は、神を中心とした家庭と血統、すなわち「真の家庭」を創造し、その特別な家庭と血統を通じてサタンの主権に挑戦し、人類全体を復帰することでした。摂理的観点から見ると、真のお父様が真の家庭を立てられたことが、その方の最も重要な業績でした。したがって、真の家庭は統一運動において最も重要であり、最も核心となる基盤です。それは、とある団体や教会などではありません。神の摂理はいつも万民救済に関することでした。神の摂理は「選ばれた人々」または一つの国家や宗教を救うことではありませんでした。決してたった一つの教会だけを救うことではないのは当然のことです。
実際、真のお父様は教会も宗教も作りたくありませんでした。代わりにお父様は、すべての信仰者たちが「宗教的な枠組み」から抜け出し、神から新たな理解を授けられ、祝福結婚に参加することを促されました。統一運動は常に摂理的・霊的運動であったということが正しい理解でした。統一運動は決して高度に制度化された宗教ではなく、教会ではなおさらありませんでした。真のお父様は、神を中心とした家庭を通じて人類文明の変革の扉を開くために努力されました。制度化された教会は他の教会や信仰との競争を呼び起こすだけで、そのような目標を達成する手段にはなりません。世界基督教統一神霊協会は、40年間の荒野路程により余儀なく必要とされ、本然の使命を迂回したものでした。そのような路程が1994年に成功に終わると、真のお父様は「教会時代」の終焉を宣言し、統一運動の方向を国際平和機構の設立と祝福の普遍化へと転換されました。(世界基督教統一神霊協会も、実は教会ではなく、世界の多くのキリスト教教派を一つに集めることを目的とする「協会」だったことを理解することが重要です)
統一運動の指導者たちは、教会時代を終息させ、平和世界の建設に集中するという真のお父様の指示と一つになっていませんでした。その代わり彼らは、制度化された教会の現状を維持するために尽力しました。なぜでしょうか。教権指導者たちが自己中心的な動機で行動したからであると考えられます。統一運動の指導者たちは、教会指導者として自らの地位から与えられる特権を享受しました。多くの公職者が、真のお父様の指示によって次の段階の神の摂理と一つになろうとするよりも、自分の小さな「領地」を開拓することに、より熱中していたようです。彼らの多くは、メンバーたちが自分に絶対的に従うべきだと主張しながらも、彼ら自身は中心人物と一つにはなっていませんでした。教会指導者たちは、真のお父様が後継者に任命された文顯進博士に大きな不満を持っていました。なぜなら文顯進博士は真のお父様が設定された新しい方向の意味を理解しており、単に制度化された教会を維持するのではなく、広範囲な霊的平和構築の使命を果たすように統一運動を導くために行動したからです。
このような最も特別な家庭、つまり数千年間神の復帰摂理の文字通りの実となる真の家庭から、神は文鮮明牧師の後継者を育てて準備してきたと考えるのが論理的ではないでしょうか。その後まもなく、文総裁が自分の息子の顯進様は自分の後継者であり、第4アダムの立場にあることを上級のリーダーたちに明らかにされた時、この息子と彼の生涯を知っていた人々は驚きませんでした。顯進様は、お父様から直接教育を受けてきており、彼が引き受けたすべてのことに成功しました。1998年、後継者に任命された当時わずか29歳だった顯進様は、14歳という驚くほど若い年齢でマグロ漁船の船長を務め、2回もオリンピックに出場した選手としてスポーツで頭角を現し、成功した企業を築き上げ、コロンビア大学と名門ハーバード経営大学院を優秀な成績で卒業し、統一神学大学院(UTS)の首席卒業生でした。しかし、何よりも最も重要な資格は、神の下の一家族を創造しようとする神の夢を認識し、継承し、最終的に実現するというお父様の使命と献身を、引き続き維持するという顯進様の絶対的な誓約でした。真のお父様は、48歳未満のすべての食口は、顯進様の権威の下にあることを明らかにされました。10年間、真のお父様と顯進様は共に統一運動を成功裏に導かれました。
神の摂理の中で繰り返される人間の責任の失敗
摂理の最も重要な時期に、中心人物とその時代に準備された人々は、彼らの責任を果たさなければなりません。神の目的は、原理講論の摂理的同時性の時代を扱った章によく現れているように、人間の失敗によって繰り返し挫折し延長されてきました
イエス当時に、イエスの使命を助けるために天が準備した人々が、イエスを攻撃し、彼を十字架につけよと声を上げました。イエス自身が属する信仰共同体の宗教指導者たち(律法学者とパリサイ人)は、イエスを異端者とし、自分たちの権威に対する脅威と見なしました。当時、宗教指導者たちはイエスがもたらした新しい教えと変化を受け入れることができませんでした。彼らは自分たちがモーセの律法を守っていると独善的に信じ、現状を維持することを決意しました。ところが彼らは実際、神の摂理をひどく妨害していました。イエスのメシヤ的な御言とカリスマ的な人格、そして奇跡(役事)にも関わらず、律法学者やパリサイ人たちはイエスが行った全てのことを歪曲し、民衆の目にイエスが最悪の視点で映るようにしました。-「この人(イエス)が…悪霊の頭ベルゼブルの力によらなければ悪霊を追い出すことはできないだろう」(マタイ12:24)結局、宗教指導者たちは選ばれた多くの人々をイエスに敵対するようにし、その後イエスは十字架の道に進むしかありませんでした。
同様に、真のお父様を助けるために天が準備しておかれたキリスト教指導者たちも、真のお父様が啓示された新しい教えに逆らって強く反対しました。キリスト教の指導者たちは、人々にインスピレーションを与える真のお父様の能力を、真のお父様が人々を「洗脳した」というように仕立て上げました。結局、そのようなキリスト教指導者たちによって、多くのキリスト教徒が真のお父様を排斥するようになり、激しい迫害によって敵対的な社会環境が造成されました。真のお父様は、世界平和建設というメシヤ自身の本然の使命を迂回して、6度の監獄生活と40年の荒野路程を歩まなければならず、これは世界基督教統一神霊協会の支援の下、メシヤ自ら世界の基盤を立て直すために必要となった路程でした。
信じ難いことに、真のお父様の後継者は、天が彼の心強い支えになるようにと願っておられた統一運動の核心指導者たち(元老と教会指導者たち)から攻撃を受けました。律法学者とパリサイ人がイエスにしたように、キリスト教の指導者が真のお父様にしたように、統一教会の指導者は真のお父様と祝福家庭と一般の教会人に対し、顯進様の業績を最悪の視点で描写しようとしました。例えば、2008年に24カ国で大規模なイベントを開催したグローバルピースフェスティバル(Global Peace Festival)世界巡回を通じて、顯進様は直接100万人を超える人々に対して「神の下の一家族」という考えを受け入れるようにインスピレーションを吹き込まれました。顯進様は、神の摂理と一致しながら、国家を変革し、前例のない躍進を遂げ、希望と確信を抱かせました。このすべては基元節という摂理的節目に向けて戦略的に集中していたのです。しかしその重大な転換点で、この偉大な約束を支持する代わりに、統一運動の狡猾な指導者たちは、顯進様が真のお父様の役割をしようとしており、自分自身が認められ注目されることを追求していると主張して、真のお父様に歪んだ悪意ある報告をし、顯進様の基盤を弱体化させようとしました。顯進様の名誉を毀損するための教会指導者の攻撃が続き、この他にも多くの嘘が真のお父様と食口たちに伝えられました。顯進様は真のお父様と同様に、全面的な反対を受けながら世界的な基盤を再建する以外に選択の余地がありませんでした。そして、顯進様はこの教会の分裂の大異変の中でも、それ以上のことを成し遂げてこられました。
結論
統一運動の指導者たちは、神のみ旨と真のお父様の指示を忠実に受け止めて従うということをしませんでした。彼らは、むしろ天が選んで育ててきたまさにその人物を排斥しながら、制度的な教会を維持しようとする現代の律法学者とパリサイ人の役割を果たしてきました。事実、教会の指導者たちは原理に基づかない思想を教えながら、多くの祝福家庭にとって歴史的な「つまずきの石」となってきたのです。
神の愛の中で
ハワード・C・セルフ
「信じる権利」会長
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