祝福家庭の皆様、そして統一運動の友人の皆様
先日、日本最長の首相経験者である安倍晋三元首相が暗殺され世界に衝撃を与えました。特に統一運動のコミュニティに属する私たちにとって、とてつもなく衝撃的な事件でありました。真の父である文鮮明師の教えに感動した祝福家庭のメンバーとして、私たちは神の最高の理想と本質、神の真理・義・善の実りのみを体現すべきこの運動から、このような「悪い実」が生じることになった根本原因が何なのかを深刻に自問しなければなりません。
こういう事態をもたらした背景にある原因についてまず理解し、さらに責任を持って対処することによってのみ、私たちは「船の方向を正し」、神の恵みの中で前進することができます。この手紙は長文ですが、この重要な質問に回答を得る上で役立つと思いますので、ぜひ最後までお読みください。「悪い実」は、神と神の摂理を裏切ることから始まったことがおわかりいただけることでしょう。 その根本は、神の摂理の目的そのものである真のアダム的権威と血統を破壊しようとするサタン的な試みでした。
アダム型人物の中心性
真のお父様は『統一原理』を通して、メシヤは「アダム型人物」であると教えられました。メシヤは人間であり、人類の堕落と何の関係もない人物です。メシヤは、理想家庭を立てるという本然の創造目的(すなわち、神を中心とする四位基台)を実現しなければなりません。そして、その家庭と血統を通して、最終的に全ての堕落した人類をサタンの血統から神の血統へと復帰しなければならないのです。堕落という現実故に、メシヤはまた、アダムとエバ、カインとアベルの二代にわたって犯した原初のアダム家庭の失敗をも復帰しなければなりません。したがって神の復帰摂理は、人類始祖アダムとアダムの家庭の失敗を復帰することなのです。アダム家庭の復帰を通して、神は「真の家庭」を中心とする真の愛、真の生命、真の血統の主管圏を確立することができ、その恩恵を残りの人類に与えることができるのです。
神は、堕落とは全く関係のない真の息子である新しいアダムを見出さなければならず、その息子は被造世界において神の権威を持つ者となります。その息子が築く真の家庭は、創造目的と理想的な「四位基台」の成就を意味するものであり、それが堕落した人類が神と再びつながることができる基盤かつ中心的な摂理的礎石となります。『統一原理』では、これが神の希望であり、堕落した人類家庭の復帰のための唯一の方式であると教えており、それゆえアダム型人物が重要であり中心となると説明しています。神の摂理の観点からは、アダム型人物とその血統の定着なしには復帰の完成は起こり得ません。まさにこれこそが最初に失われたものの本質であり、神がそれを取り戻せるようにするためには人間の責任によってそれを復帰しなければならないのです。
ですから、聖書と『統一原理』が丹念に描いている摂理歴史の全体は、その真の独り子を見出すための神の歴史的な業なのです。イエスは、聖書に出てくる最初のアダムが果たせなかった責任を果たすために、「第2アダム」として来られました。しかし、イエスは当時の中心人物たちの失敗によって、神中心の血統を立てる道を阻まれてしまいます。それゆえにイエスは、十字架の道を通して霊的救済の道を開くという二次的な路程を歩まなければなりませんでした。その後、神はさらに二千年の苦労の道を歩まれた後、ついに真のお父様を「第3アダム」として送ることができました。そして1960年のご聖婚により実体的な真の家庭が登場したのです。
統一運動は、カリスマ的、メシヤ的、摂理的運動として特徴づけることができます。神の摂理は、アダム型人物とその家庭を通して展開され、導かれるのであり、組織化された教会を含むいかなる組織や機関によって導かれるものではありません。真のお父様は、ご自分の意図は教会を作ることではなく、ご自分の使命は人類の先祖家庭の失敗を復帰し、人類が従うべき正しい先例を立てる理想家庭を築くことであると教えて下さいました。真のお父様ご自身が神の摂理を前進させる「槍の穂先」であり、世界基督教統一神霊協会(HSA-UWC)や世界平和統一家庭連合(FFWPU)のような組織は、単に真のお父様の摂理的活動を支えるために作られた媒体に過ぎないのです。簡単に言えば、アダム型人物である真のお父様こそが、まさに統一運動だったのです。
第4アダムの意義
最初のアダムの家庭の失敗は、前述したように2代にわたって起こりました。堕落とは全く関係ない立場で来られるメシヤの責任は、神の真の息子として正しい先例を立てることによりアダムの失敗を復帰することです。メシヤはさらに、真のアベルを家庭内で認め、縦的軸と神-父-長子の三代の両方を確立することでアダム家庭の第二世代の失敗を復帰する基台を立てるために、真の家庭を立てなければなりません。真のお父様は、この霊的基盤について説明するのに「王権」という言葉を使われましたが、これに世俗的な意味合いはありません。むしろ「三大王権」は、地上における神の権威と実体を表し、また過去、現在、未来という時間の連続性をも表しています。これこそまさに、当初から失われていた神の摂理の核となる本質的なDNA、青写真であり、神が歴史を通じてその成就を切望してこられたものに外なりません。これが確立されれば、神の摂理はその時点から根を張って展開していくことができます。真のお父様が血統の重要性を強調され、それが愛や生命よりも重要であると言われた理由もまさにここにあります。
アダムの息子であるアベルは、本来、堕落したアダムの失敗を復帰する立場にあったため、復帰の過程でアダムの立場を代表するはずでした。しかし、アベルが亡くなることでそれは不可能となりました。真のお父様の路程では、第3アダムである真のお父様のメシヤ的責任は、最初のアダムの家庭の二代にわたる失敗を復帰することでした。これは、「第4アダム」の立場に立つ真のアベルを育てて、本然のアベルの立場を復帰させるということでした。真のお父様が、真のアベルでありかつ第4アダムである息子を認める時、神に対して絶対的に一つとなり一致して立つ二代が確立されることになるのです。その先例は、真の自由を行使してアダム家庭の失敗を復帰するという摂理的責任を実体的に果たすことになるので、地上における神の主権の出発点を示すものとなります。これが真のお父様の時代に第4アダムを立てる意義です。これが達成されれば、お父様ご自身がおっしゃったように「全てがなされる」ことになります。復帰の原型となる青写真が確立されるからです。真のお父様が、定着時代における父子協助の重要性を強調された理由がこれでよく理解できます。真のお父様は、神の家庭の三代は、神の血統の定着と神の創造目的の成就に直接結びつく「三大王権」を代表していると説明されました。したがって、「三大王権」は、メシヤの使命を果たすための基礎であり、絶対的必須条件だったのです。
真のお父様による第4アダムの公認
神が真の家庭を立てようとされたのは、それが当初からの創造目的だったからです。ですから、旧約時代と新約時代を通して、神が堕落したアダムの血統を通して働けたのであれば、一旦真の家庭が立てられた場合、真の家庭は神の直接主管圏内にあり、神の苦労の最終的な結実なのですから、神がその家庭内に直接働かれることがないでしょうか。言うまでもなくその答えは「イエス」です。実際、神は真のお父様の家庭内で、息子たちの中から一人の真のアベルを準備するために働かれ、その人物を第4アダムとして任命されました。真のお父様は、神と一致しておられたので、当然ながらその任命を認められ、彼を第4アダムとして公認されました。1998年7月19日、FFWPU世界副会長就任式の旗の下、真のお父様は、文顯進・プレストン博士(以下「文会長」)を第4アダムとして認めることを世界的舞台で宣言する歴史的行事を主宰されたのです。
この認定は、神と真のお父様と文会長が、神を中心として三代が一体となった理想家庭を立てることについに勝利できたことを意味するため、その時の真のお父様の喜びと感謝の心は、明白なものでした。真のお父様は、「今日このような集会を持つようになったことは、先生の一生において初めてとなる記念の日だと考えます。のみならず、神様の願いがあったとしたら、このような日があることをどれほど待ちわびて来られたかと考える時、私の心から深い感謝を天の前に捧げます。アダム家庭において神様が一代であればアダムは二代であり、アダムの息子は三代ですが、三代を見ることができなかったことが堕落であり、三代の歴史をもう一度起こす為のものが復帰摂理であり、復帰摂理の完成であると考える時、この三代を中心として天の公的な責任を任命するということは天宙史的な事件であると考えます」と叫ばれ、さらに続けて、「第4アダムの時代が始まったということが、いかに奇跡的なことであるかを理解しなければなりません。それが今日のこの就任式の意義なのです。ですから私はとても感謝しているのです」と語られました。真のお父様は、当時すでに78歳になっておられたため、まもなく運動の実質的なリーダーシップをとることになる息子、文会長に祝福を与えられました。真のお父様は、「私は顯進の父として、顯進が私よりはるかに勝るように、千倍、万倍勝って、まだ成されていない使命を果たしてくれることを祈り、願っています」と言われました。真のお父様と文会長は一緒に「第4アダム時代」を開かれ、同時に、「子女の時代」、「長子の時代」、「父子協助の時代」をも開かれたのでした。
第3アダムである真のお父様は、人類歴史を通して4人のアダム型人物しか認めておられません。聖書にあるアダム、第2アダムであるイエス、第3アダムである真のお父様ご自身、そして第4アダムである文会長です。これは単なる特定の状況に基づく名称ではなく、不変の摂理的認定でした。特に、第4アダムが認定されることと、第4アダムが神を中心として第3アダムと絶対的に一体となることが、真のお父様のメシヤ的使命が完成されるための摂理的基盤を確立することになります。この完成は、アダム家庭の二代にわたる失敗の復帰と、アダムとアベルの一体化、そして三大王権の確立という復帰摂理的必要条件に基づくものとなります。
第4アダムの道を準備するための真のお父様による前例のない変更
真のお父様と文会長は、最も重要であるアダム・アベルの一体化を固く確立して、アダム家庭の失敗を復帰すると共に、地上における神の主権の基盤を築かれました。しかし、この縦的軸との一体化の基台は、それ以外に真の家庭の残りの家族と祝福家庭共同体によっても立てられる必要がありました。なぜなら、神の復帰摂理が世界的レベルに拡大するためには、カインによる真のアベルとの一体化が必須条件となるからです。真のお父様が、文会長を第4アダムとして公認された後、運動の全ての指導者たちに文会長と絶対的に一体となり、支援するように繰り返し指示された理由が、この復帰モデルによって明確に説明されます。真のお父様はまた、全ての真の子女様方と妻である韓鶴子女史に対しても、全く同じ指示をお与えになりました。さらに、真のお父様は全ての指導者と祝福家庭に対し、イエスが天の父への道は彼を通してのみであると言われたように、真のお父様への道は文会長を通してのみであるとさえ言われました。指導者たちは、文会長にとっての洗礼ヨハネのような立場であるため、文会長との一体化が非常に強調されたのです。指導者たちは真のお父様の意志を知っているのですから、この天からの最も重要な指令、すなわち真のアベルと一体となるということを、運動の残りのメンバーに明確に伝え、教育する義務がありました。また、その一体化の確立の重要性を自分たち自身の摂理的責任の遂行と関連して説明しなければならなかったのです。
当時78歳であられた真のお父様は、運動全体が文会長を迎えて文会長と一体となるための準備を整えられながら、ご自身の地上での肉体がいずれ衰えること、そして神のみ業とご自身のレガシーが継続していくために必要な措置を講じなければならないことを明確に認識しておられました。真のお父様は、第4アダムであり、ご自身の後継者である文会長にアダム的権威を移譲する準備をしておられました。真のお父様は、予言するかのようにご自身がやがて子供のようになる(能力が自然に衰えるという意味)時が来ると語られながら、そのことが明らかになった時、ご自身の願いの遂行を委託された人々は、その権威の移譲が円滑に行われるようにしなければならないと言われました。これは事実上、真のお父様が亡くなられる前の遺言でした。
真のお父様は、前例のないことでしたが、運動の最高指導者の顔ぶれを、当初の長老グループから48歳以下の指導者へと全員交代させられました。真のお父様は、「私は息子の道を開くためにこのような変更を行うのだ」と述べられ、これらの中心的指導者たちが文会長の「洗礼ヨハネ」として、ご自身から後継者への権限移譲が円滑に行われるようにすることを誓約するよう求められました。また、韓国、米国、日本の代表者と全ての摂理機関の代表者が文会長と一体となるように指示されました。そして、文会長のための「基盤を固めなければならず」、文会長が「真の父母様の代理としての長子権を確立する」のを助けなければならないと繰り返し強調されながら、それが「天法であり原理である」と語られました。真のお父様は、これらの指導者たちがその地位にある唯一の理由は、唯一つの目的のためであり、それは文会長と絶対的に一体となって支えることだと明言されました。
2000年9月24日、真のお父様は「祝福権移譲宣布式」と呼ばれる特別な儀式を通じて、統一運動の最も中心的な要素である祝福式の権限を文会長に正式に移譲されました。地球上にこのような権限を与えられた人は他に誰もいません。真のお父様は、文会長が第4アダムとして運動を導くための道を整えるために、できる限りのことをされたのです。真のお父様は、ご自身のアダム的権威と、第4アダムの摂理的活動のためにご自分が神と共に準備された世界的基盤を確かに移譲されたのでした。
「教会終焉時代」の意義
真のお父様は、ご自身の使命の初期に、第3アダムを受け入れるために準備されていた人々がご自身を受け入れなかった時、失われた基盤を復帰するために40年間の「荒野路程」を歩まなければなりませんでした。真のお父様は、その使命を遂行するための媒体を必要としておられたため、1954年に世界基督教統一神霊協会(HSA-UWC)を創設されましたが、それは本来のメシヤ的使命からの一時的な回り道であると考えておられました。真のお父様はその組織を明確に「神霊協会」と名付けられたのですが、真のお父様を非難する人々がこれを「統一教会」と呼ぶようになったのです。真のお父様は常に、自分には教会を作る意図はなかったと強調しておられました。
真のお父様は、全世界の人類家族を神のもとに復帰するという本来の使命を開始するための世界的基盤を構築する40年路程を完了した後、「教会終焉時代」を宣言し、HSA-UWCの指導者たちに「統一教会」の看板を降ろすように指示されました。新しい時代には、全人類が国家、人種、さらには宗教の「枠」、つまり人為的な分断の壁から出て、神の下の一つの人類家族として世界平和を実現するために共に努力することが求められています。さらに、神が真に住むことができる基本的な構成単位は家庭なので、個人の救いから、家庭を通しての普遍的な復帰へと焦点が移行していく時代でもあります。真のお父様は、ご自身の「教会」の旗を降ろし、組織を解体するという模範を示しながら、他の宗教団体にも同じことをするよう奨励されたのです。
この時真のお父様は、神の究極的な願いと目標は世界平和であることから、1996年の世界平和統一家庭連合(FFWPU)を皮切りに平和団体の創設に着手されました。真のお父様は、FFWPUのプラットフォームを利用して、本来の主要なメシヤ的使命、すなわち全ての家庭の霊的意識を高め、聖婚祝福を通じて与えられる普遍的な復帰へと導くという使命を初めて開始されることができました。「神の下の一家族」というビジョンは、教会や制度化された宗教ではなく、まさに家庭を通してのみ実現することができるのです。
真のお父様が「家庭」と「平和」に重点を置かれることにより、運動内に多くの急激な変化がもたらされることになりました。一つの劇的な変化として、運動全体で(神に対する)「私の誓い」を唱和していたのが「家庭盟誓(家庭の誓い)」を唱和するように変更されたことが挙げられます。教育の重点も、通常の週毎の集団での説教や講話から、家庭として毎日神のみ言葉を学ぶことができる家庭中心の「訓読会」形式へと変更されました。真のお父様はまた、この時期に氏族メシヤ運動、後に国家メシヤ運動を開始されましたが、これらは祝福家庭のメンバーが自らの氏族と国家のメシヤになることを可能にすることで、運動の分散化にも貢献することになりました。このような変化により、教会の長老や指導者、言い換えれば運動の「聖職者」たちの影響力と地位が低下しました。そこで多くの聖職者たちは、自分自身の利己的な理由から、「教会終焉時代」がもたらす変化に対し、それが真のお父様ご自身による指示であったにもかかわらず、抵抗するようになったのです。
分裂の発生に加担した聖職者たちの中心的な役割
文会長を支えよという真のお父様の指示は、これ以上ないほど明確であったとはいえ、「教会」の聖職者の殆どは、HSA-UWCの解体と「教会終焉時代」の指示の実行に反対するようになっていました。文会長は、まさにその2つを成就せよというお父様の指示と完全に一体となっていたため、聖職者たちは文会長にも反対するようになっていったのです。なぜ彼らは古い「統一教会」を守りたかったのでしょうか。彼らに運動の中での地位と権力を与えていたのが、まさに制度化された「教会」構造であり、彼らはその地位と権力が失われつつあると感じたのです。
聖職者たちは、徐々に、自分たちをメンバーと真の父母様の間に必要な仲保者として不適切に位置づけていきました。さらに、彼らは真の父母様を神格化するという誤りを犯し、真の父母様は一般のメンバーよりもはるかに高い位置におられるので、メンバーは霊的生活の指導を彼ら、すなわち「かけがえのない」聖職者たちに依存しなければならないと主張しました。言い換えれば、彼らはキリストの神性を主張するキリスト教信条と同種の見解を取り入れて、ただイエスを真の父母様に置き換えたのです。彼らは真の父母様を神格化することによって、自分自身の地位と威信を高めようとしたのです。このような姿勢が、「新しい血統を立てるためには、メシヤは人間としての能力を持った人間でなければならない」という『統一原理』の教えと相反するものであることなど全く気にもかけていません。真の父母様の名を引き合いに出しながら、聖職者たちはしばしば自分自身の目的のために、メンバーに無条件の服従を要求しました。
「教会」という制度を守ることで、自らの個人的な豊かな特権と利益の継続を確実にすることができると聖職者たちは考えました。このような非原理的な動機に固執することにより、彼らは真のお父様の指示を実行すべき立場から、神の摂理に対する主要な障害物の立場へと転化していったのです。彼らが「教会終焉」の変化を受け入れないことがそもそもの罪であり、それが彼らが第4アダムに反対し、神と真のお父様を裏切り、真のお父様の妻である韓女史を迷わせることにつながり、これら全てが分裂とそれに伴うあらゆる不幸の原因となったのです。それは神の摂理を大きく阻害し、遅延させ、他の多くの罪をもたらした根本的な罪であるため、「教会終焉時代」の指示を拒否した彼らの罪は、彼らの「原罪」と考えることができます。ユダは一時期は信頼を受けた弟子であったこと、洗礼ヨハネはイエスの宣教開始時にそこにいたにもかかわらず、後に「彼は必ず栄え、私は衰える」というスタンスをとったことを思い出してください。しかし、イエスの時代におけるこれらの歴史的な過ちも、聖職者たちが神と真の家庭に対して犯した悲惨な罪の前ではかすんで見えるほどです。
不誠実な聖職者たちとは対照的に、文会長は真のお父様の指示と絶対的に一体となって、「神の下の一家族」というテーマ(このテーマは会長自身が開発したもの)で世界的に摂理的活動を開始しました。文会長は、世界各国を巡回しながら、それぞれの国で何万人もの人々に語りかけましたが、その人々はそのビジョンに大いに感銘を受け、彼ら自身がそのビジョンの主人となっていきました。文会長は、2008年だけでもグローバルピースフェスティバルを24カ国で成功裏に開催するという前例のない成功を収め、私たちの運動は最高峰に達しました。各国の政府までもが文会長を支援し、支持したのです。このように、国や地域社会全体に影響を与えるような、インパクトの大きい展開が劇的に起こるのはなぜでしょうか。それは、それらが完全に神の摂理に沿っていたからであり(天がこれらの重要な行事につながる多くのものを準備しておられた)、同時に、アダム的権威の全権が文会長を通して発揮されたからです。彼の肌の色、国籍、宗教などはどうでもよかったのです。大観衆の誰もが、文会長の中に真の兄の姿を見て、彼の誠実さと強い信念を信頼することができ、まさに彼を通して神の愛を感じることができたのです。文会長は、まさに神の夢と真のお父様の決意、すなわち家庭を中心とした平和世界の構築を、国から国へと次々に実現していたのです。
真のお父様は、16歳の時に決意した摂理的目標が、悲劇的にも40年荒野路程によって遅れていたにもかかわらず、それが今やご自身の後継者である息子を通してこれほど早く実現されていくのを見て歓喜されたのです。しかし、文会長が世界各地から勝利をもたらすたびに、それは聖職者たちにとっては自分たちの地位や地盤の拡大に対する脅威と映るものでした。そのような天の摂理の進展に対し真のお父様とともに喜び、第4アダムと共に働いて支援する(これは、まさに真のお父様が繰り返し指示されたことでしたが)のではなく、彼らは自分たちの利己的な視点から見るようになりました。彼らは祝福家庭に対して第4アダムについて証しする洗礼ヨハネという摂理的立場にあったにもかかわらず、彼の「栄えること」を自分の「衰えること」と見たのです。彼らの中には、文会長の勝利がますます大きくなっていくことに対する抵抗運動を始める者も少なくありませんでした。
必然的に、運動の総責任者である文会長は、必要な改革を行うために組織や人事を変更する必要があると考えました。ところが、いざそのような変更を行うと聖職者たちはそれに抵抗し、自分たちの政治的権力が脅かされると見た場合には、公然と文会長に反対するようになりました。彼らは、自分たち聖職者は文会長よりも長く指導者の地位でやってきたのだから、彼らこそが真の父母様への真の仲保者であるなどと言いながら、メンバーに半分の真実、時には全くの嘘を伝えました。また、文会長の権威を弱体化させてメンバーを誤導するために、「私たち全員が第4アダムである」という誤った概念を広めることもしたのです。
聖職者たちは、文会長が運動の既存の基盤を損なっている、真のお父様の教えに反する内容を教えている、真のお父様よりも自分を宣伝しているなどと、文会長についての偽りで不利な内容を絶えず真のお父様に報告していました。聖職者たちの嘘は、時間が経つにつれてより非道なものになっていきました。彼らは、文会長を最悪の状況に陥れるために、文会長の発言を捻じ曲げることもありました。客観的に見れば、彼らの虚偽の主張は、真のお父様が与えてくださった摂理的な指示から彼らがどれだけ外れているかを示す、彼ら自身への告発となっていることがわかります。彼らは、自分たちが作り上げた、あるいは自分たちが育てられてきた「教会という枠」を手放したくなかったのです。
聖職者たちは、メンバーに対する支配を維持しようと決意していました。そのため、彼らは真のお父様と運動のメンバーの両方を最大限に利用し、真のお父様のみ言葉を選択的にメンバーに伝えていました。彼らは、真のお父様が非常に幅広い人間関係を結んでおられる方であることをよく理解していました。基本的に、真のお父様の発言は、2つのカテゴリー、いわば2つの「バケツ」に分けることができます。「第一のバケツ」には、摂理的・原理的な発言が入ります。この種の発言は、神の真理の原理的かつ不変の内容に基づいており、それゆえ、深い摂理的・実践的意味あいを持つので、真のお父様はこの種の発言の内容については非常に慎重でした。「第二のバケツ」には、真のお父様が様々な主題や組織の問題について話された政治的・状況的な発言が入ります。これらは、展開していく状況についての発言であったり、特定のトピックや人物についての即断であったりするため、聖職者による虚偽の政治的な報告によって操作される可能性があります。真のお父様は、「第二のバケツ」的なトピックについて、時間の経過とともに考えを変えられることもあるため、同じトピックについて、最初の発言とは異なる発言を後でされることもあるわけです。
真の父母様を非原理的に神格化するのと並行して、聖職者たちは、真のお父様のいかなる発言も神の絶対的真理であるとメンバーに偽って伝えました。何度も起こったことですが、文会長が何かのプロジェクトやイニシアティブを開始した時、真のお父様が最初は反対されました。それは主に聖職者たちが意図的に行った偽りの報告のためでしたが、しばらく経って真のお父様はその活動の摂理的価値を認識され、文会長が自分の信念を貫き、運動の目標を前に推し進めたことを賞賛されたのです。しかし、聖職者たちは、真のお父様が文会長の意見に反対されたり、文会長を叱責されたりする発言(まさに彼らが文会長についての偽りの報告をすることにより真のお父様から引き出した発言)だけを引用し、文会長が真のお父様と根本的に一体となっていないかのように見せかけたのです。それゆえに、彼らは文会長についてメンバーと議論する際には、彼らが裏から操作した結果としての「第二のバケツ」型の発言のみを常に引用しました。このようにして、彼らは文会長に対する偽りのマイナスのイメージをメンバーに与えていったのです。
韓女史と文会長の兄弟、特に國進(ジャスティン)と亨進(ショーン)が文会長に対する陰謀に加わってからは、聖職者たちが開始した詐欺的な攻撃の小さな雨雲が、荒れ狂う激しい雷雨となっていきました。これで聖職者たちは、それぞれの思惑を抱えた韓女史と兄弟たちの威光を、第4アダムの対抗勢力として利用できるようになったのです。彼らは真のお父様の計画と指示に全く反しているにもかかわらず、詐欺的な「3人の息子」の枠組みという考えを祝福家庭のメンバーに紹介することにより、文会長の唯一の権威を弱体化しようとしました。この非原理的な枠組みの中で、彼らはショーンとジャスティンを文会長と対等の立場に位置づけ、3人の兄弟の間に権威の分立があるかのように見せかけようとしたのです。彼らはまた、兄弟たちの功績や能力を盛んに誇張することで文会長を軽んじるようにし、最終的にショーンを新たな後継者として立てようとしました。同時に、彼らは韓女史の神格化を広め、文会長の権威を削ぐための集団的努力において、韓女史が「真のお父様と対等の位置にある『真の父母様』の一方の方」として、必要な隠れ蓑を提供できるようにしたのでした。
結託した教権勢力を構成する三者には、それぞれの動機がありました。聖職者たちの目的は、自分たちの権力ある地位と個人的な利益を維持できるようにするために、制度化された「教会構造」を推進することでした。亨進(ショーン)は、後継者になることを望んでおり、自分を支援してくれた聖職者たちに恩返しをするため、また、自分が主導すべきだと考えているその教会組織を強固にするために「統一教会」構造を推進しました。韓女史の目的は、女性神となり、韓氏の血統の価値を高め、統一運動全体の(真のお父様を超える)中心的なメシヤ的人物になりたいという自分の願望を動機とするものでした。
教権勢力は、文会長の人格殺人という利己的な共通の利益を中心としてさらに固く結束するようになりました。なぜ文会長なのでしょうか。それは、彼らにとって文会長が自分たちの利己的な目標や思惑を阻む最大の障害物と見えたからでした。彼らは、摂理を推進する中心的な責任者として任命された息子である文会長を排斥し、真のお父様の継承計画を狂わせ、彼らの自己中心的な思惑を支える「教会」組織を維持するために結託しました。彼らはまた、真のお父様が高齢であるのをよいことに、文会長とその活動についてお父様を欺くことも怠りませんでした。このような彼らのキャンペーンは何年も続けられ、ついには今なお続いている公然たる分裂を引き起こしたのです。
2008年3月、文会長は20ページに及ぶ書簡を書き、真のお父様に送りました。その中で、文会長は運動の現状を評価し、神の摂理的目標の成就に向けた懸念について表明しました。また、運動が進むべき適切な道筋をも示しました。真のお父様は、この書簡・報告書を読んで深く感動されました。文会長のビジョンが、まさに真のお父様の摂理的指示を反映したものであり、真のお父様が生涯をかけて果たそうと尽力してこられたメシヤ的目標を達成するための明確な道筋を示すものだったからです。真のお父様は直ちに、世界中の全てのメンバーが訓読会でこの書簡を読むように指示されました。
信じられないことに、教権勢力はこの先見的な報告書について非難し、「真のお父様はそれを拒否されただけでなく、その報告書ゆえに真のお父様は文会長を末弟のショーンと交代させた」と偽ってメンバーに伝えたのです。彼らは、この書簡を読まれた1ヵ月後に、真のお父様がショーンをFFWPUの世界会長に任命されたことをそのように説明したのです。これはとんでもない主張です。真のお父様は、この書簡を運動の進むべき方向性を示す完璧な要約と見なされただけでなく、全てのメンバーがこの書簡を読み、そのビジョンに従うように指示されたのです。さらに、FFWPUのような組織の長であることは、真のお父様が1998年以来認めてこられた文会長のアダム的権威に関しては、何の関係もないことです。実際、文会長が1998年から2008年にかけてアダム的権威によって運動全体を率いながらFFWPUを構築した時、文会長はFFWPUの会長ですらありませんでした。ショーンの前に、郭牧師と黄善祚が相次いで世界会長を務めましたが、彼らは当然文会長に従属する立場だったのです。
真のお父様から見れば、ショーンのFFWPU会長職もその例外ではなく、韓女史の絶え間ない要求により、しぶしぶ与えた組織上の地位だったのです。教権勢力はショーンを文会長に代わる後継者に仕立て上げようと躍起になっていましたが、第4アダムの地位は、まず天が任命し、続いて第3アダムが公認した絶対的な任命であるという事実は変わりません。それは思い付きや政治的工作で変更することはできず、実際変更されることもありません。ですから、ショーンがFFWPU会長に就任した後も、文会長は天宙平和連合(UPF)の共同議長として、運動の全歴史の中で全く前例のない成果を達成したのです! 真のお父様はこれらの勝利に感激され、2008年11月、24カ所でのツアーの一環として日本でのグローバルピースフェスティバルの行事で5万人の熱狂的な参加者を魅了し感動させた文会長が韓国ソウルに戻ってきた時には、「顯進王」と書かれた揮毫を文会長に贈られたのでした。
この驚くべき勝利と、真のお父様が文会長を頑なに支持し続けられたことが、教権勢力に大きな不安を与えました。彼らはさらに必死になり、野望に燃える兄弟たちと韓夫人の積極的な加担が必要となる、さらに非原理的な策略を考え出しました。2009年1月、真のお父様は「神様王権戴冠式」という念願の行事を行う準備をされました。真のお父様は、神様を真の父母そして王の王として讃えることができる日を待ち望んでおられたのです。しかし、これを好機と見た教権勢力は、韓女史の支援を受け、この式典はショーンの戴冠式かつ継承式であり、その一環として彼は王冠を被っているのだと、運動の内部に虚偽の情報を流したのでした。この行事の後、聖職者たちは、真のお父様の継承計画が変更され、新しい後継者が現れたという嘘を広く流布しました。この行事での真のお父様ご自身のみ言葉をざっと見ただけでも、それは全て神のためだけのものであり、ショーンの後継に関するものではないことがはっきりとわかります。これは教権勢力のキャンペーンにおける最大の嘘であり、真のお父様の継承計画を覆そうとする彼らのサタン的な意図を如実に表しています。しかし、彼らは間もなく、さらに大胆な欺瞞を犯すことになります。
文会長は、教権勢力の大胆な攻撃にもかかわらず、自分の摂理的な使命を遂行し続けました。文会長は、世界的な規模で実行するようにと真のお父様から依頼された重要な「グローバルピース・ホームアソシエーション・ツアー」を計画していました。真のお父様は、教権勢力が引き起こした混乱を察知し、世界の統一運動コミュニティに対して、統一運動の全ての組織を文会長が率いる新しい組織である「グローバルピース・ホームアソシエーション」の下に統合することを宣言するよう望まれました。明らかに、真のお父様は、文会長が真の代表者であり後継者であることをきっぱりと確定し、全ての混乱を終わらせたかったのです。
このツアーが完了した場合、それは文会長をリーダーシップの位置から排除するという教権勢力の目標の終焉を意味します。文会長が、アダム的権威と権限をもって、統一運動のメンバーに直接語りかけることになるのです。そうすれば教権勢力は、第4アダムのアイデンティティについての真実をメンバーが知るのを阻止できなくなってしまいます。教権勢力は、文会長を弟のショーンと交代させるという恥知らずな企てのために全てをかけるという決断を下しました。彼らは、神を信じると称する人々にどうしてこのようなことができるのか理解できないほどの、極悪非道で邪悪な計画を作り上げたのです。彼らの計画には、邪悪な欺瞞、裏切り、人心操作、高齢者虐待、そして最高レベルの反逆が含まれていました。この計画は絶対悪と呼んでも過言ではないでしょう。なぜなら、その目的は、神の復帰摂理の最も貴重な成果であるメシヤ的継承と血統をこの世から奪うことだったからです。
韓国・束草における邪悪の極致
2009年3月、真のお父様は89歳を越えておられました。その1年足らず前に息子の孝進が比較的若くして亡くなったことで、情緒的に大きな打撃を受けておられました。悲しみと弱さの中にある真のお父様をお守りするのではなく、教権勢力は冷酷にもこれを真のお父様の弱さにつけ込む機会と見たのです。彼らはこの機会を、真のお父様とその後継者に対するクーデターを起こすために利用したのです。彼らは、文会長がすでに「グローバルピース・ホームアソシエーション・ツアー」を開始したことを知っていました。彼らは文会長が世界ツアーの日程の只中で、韓国・束草に真のお父様から呼び出されて直面することになる「人民裁判」を無情にも仕組んだのです。文会長はその道中、教権勢力によって自分に対する公開処刑が準備されているという警告を受けていました。しかし、文会長は忠実な息子として、父の召命に応じ、その状況を承知の上で、その場に向かったのです。
束草では、文会長が到着する前に、聖職者たちが高齢の真のお父様に対し真っ赤な噓をつくことにより、真のお父様が文会長に対して激怒されるように仕向けていました。彼らは、文会長が、真のお父様が数十年前に任命されたHSA-UWC(USA)の理事を解任して、真のお父様の権威に挑戦していると告げました。しかし、真実は、仁進・タチアナ(兄弟姉妹のもう一人)と教権勢力が、法的支配力を握るために、真のお父様に無断で、以前、理事の大半を不正に解任していたのであり、文会長は、長期にわたる「グローバルピース・ホームアソシエーション・ツアー」に出発する前に、理事会を原状復帰せよとの真のお父様の指示を実行しようとしたに過ぎなかったのです。真のお父様の意図と指示は、当時北米大陸会長であったピョンファ・キムと文会長の両者によって3度も確認されています。しかし、教権勢力はまず最初に真のお父様や文会長の同意なしに理事を変更するように仕向けていただけでなく、お父様の指示に忠実に従おうとしていた文会長について、真のお父様に逆らって理事を変更したのは文会長だと、高齢の真のお父様に嘘をついたのです。このような教権勢力の徹底した欺瞞と偽善は驚くばかりです。
真のお父様は、文会長が束草に到着するまでに、教権勢力の度重なる嘘により非常に立腹しておられ、文会長に弁明の機会を一切与えませんでした。真のお父様が会議の始めから文会長に対する不快感を表しておられたので、出席していた多くの日本人メンバーは特に困惑していました。続いて真のお父様は、霊媒としてよく知られた金孝南夫人に、霊界からのものとされるメッセージと手紙を朗読するように指示されました。メッセージは彼女からのものだと伝えられていたからです。しかし、彼女は何度呼んでも出てきません。そこで彼女の代わりに、主要な聖職者(教権勢力の中心メンバー)である梁昌植がメッセージを読むようにと指示されました。この偽の手紙の要点は、霊界は文会長ではなく亨進(ショーン)を後継者と見なしているということでした。この手紙には、そのような「啓示」を反映したとんでもない組織構造まで書かれていましたが、それはショーンがFFWPU会長として数週間前に出した不正な公文に書かれていた組織構造と全く同じものでした。文会長は、敬愛する父親が教権勢力によってここまで無慈悲に操られ、利用されているのを見て、当然ながら憤慨しました。しかし、このような公の場という状況下で、悲嘆にくれる父親をこれ以上傷つけないためには、どうすることもできませんでした。
仕組まれた集会が終わった後、郭錠煥牧師は金孝南に、このような明らかに偽のメッセージを作ったことについて問いただしました。しかし、金孝南は彼と目を合わせることもできず、ただ自分はそれを書いていないし、それとは何の関係もないとすぐ答えました。ですから、呼ばれても出てこなかったのです。真実は必ず明らかになるものです。その後、それは韓女史の指示で梁昌植が自分で書いたことが判明するようになります。教権勢力は、偽の手紙が本当に霊界からのものであるという印象を強めるために、真のお父様を騙して、そのメッセージは金孝南を通して受け取られたものだと信じ込ませたのです。
神と人間の良識を信じている人であれば、宗教指導者とされる人たちが、自分たちの利得のためにこのような卑劣な計画を立てることがどうしてできたのかと大きな衝撃を受けることでしょう。妻が自分の忠実な息子を陥れるために、50年連れ添った夫が騙されるのをほう助するようなことがどうしてできるのでしょうか。真のお父様は、神と人類に最も献身的に奉仕する生涯を送られましたが、結局束草で、さらに生涯の残りの3年間にわたり、教権勢力によって惨めな虐待を強いられることになったのです。信仰者を自称する人々が、自分自身のメシヤと呼び、最も尊敬するとしているその人物を、人生の最も弱い時期に、明白な嘘と操作によって利用するということがどうしてできるのでしょうか。天に対するさらに大きな侮辱は、失敗に終わったとは言え、彼らが真のお父様の継承計画、すなわち摂理の将来にとって最も重要で永久的な結果を決定するその計画を阻止しようとしたことです。教権勢力は、真のお父様ご自身の名前を用いて、真のお父様が第4アダムと認定した最も忠実な息子、運動を最高の頂点へと導いたその息子が十字架につけられるようにしたのです。実際、教権勢力がしたことは、真のお父様ご自身の評判とレガシーを公然と破壊することでした。祝福家庭のメンバーたちは、このような教権勢力の嘘を鵜呑みにしていたとはいえ、最愛のメシヤが、最も忠実な息子を十字架につけさせるということがいかに非論理的であるかを、どうして見抜くことができなかったのでしょうか。
束草事件の結果とその他の裏切り行為
束草事件から間もなく、真のお父様は、教権勢力が摂理に対してどのような欺瞞と悪を行ったかを悟られました。真のお父様は、高齢のため身体能力は低下していましたが、文会長を犠牲にして教権勢力を支持したことが重大な過ちであったことを認識されました。しかし、この時点では、真のお父様は体が弱く、常時教権勢力のコントロールを受ける環境に置かれていたのです。真のお父様は韓女史が不誠実な思惑を抱きながら聖職者たちと共謀していることに気づいておられましたが、教権勢力は真のお父様の自分たちに対する否定的な発言や文会長を支持する発言の痕跡を全て消し去りました。彼らは、あからさまな検閲と真のお父様の周囲の通信プロセスの完全支配によりこれを遂行したのです 。
しかし、真のお父様の晩年の発言の証拠を完全に消し去ることはできませんでした。真のお父様は、韓女史による数々の誤った主張(自分の血統が真のお父様の血統より優れている。自分が彼を「復帰」した、つまり、自分の地位のおかげで彼がメシヤになれた。真のお父様が自分を教育して育てたのではない、つまり自分は生まれた時からずっと原理を知っていた。自分は神の女性性相の実体である。など)に驚き、激怒しながら繰り返し妻に対して否定的な発言をされました。数多くの訓読会で、真のお父様は韓女史、兄弟たち、聖職者たちを強く叱責されています。この期間、真のお父様は韓女史に対して非常に批判的な言葉を発せられたため、韓女史は2012年4月に成和出版社を訪れ、8大教材教本の一つである『文鮮明先生み言葉選集』の内容を編集し、これらの事例を全て削除しようと試みました。そして、2012年に出版された594巻から615巻までの全22巻を回収するように指示したのです。その後、「敏感な部分を削除して、編集された巻を再出版する」ように指示が出されました。
真のお父様が生涯最後の3年間に与えられた重要な指示の多くは、教権勢力によってこのように操作され、隠蔽されました。彼らは真のお父様のみ言葉の記録を検閲し、破壊したのです。真のお父様のみ言葉を根拠に自分たちの犯罪行為を正当化し、真のお父様の指示に従わないとして文会長を不従順な息子と断定し、真のお父様に絶対服従せよとメンバーに命じたまさにその同じ人々が、自分たちの裏切りに対する真のお父様の強い非難については完全に口を閉ざしたのです。
郭牧師が、過去に何度もそうしてきたように、訓読会の記録を要求しましたが、「誰か」が記録を破棄するように指示したことを知りました。教権勢力は、訓読会の周りに鉄のカーテンをかけたのです!真のお父様が公の場で「間違った」ことを言われたら、自分たちの詐欺がばれてしまうと知っていたので、教権勢力はそれらの集会に参加できる指導者や参加者を選別するようにし、そこでは携帯電話や録音機器の持ち込みは一切禁じられました。
真のお父様は、束草事件で騙された自分の過ちを正したいという思いから、韓女史だけでなく聖職者たちに対しても繰り返し否定的な発言をされました。しかし、真のお父様は、そのような願いを打ち砕くためにあらゆる手を尽くした教権勢力の、その小さな輪の外には、その思いを伝えることができなかったのです。真のお父様はおそらくその発言が世界で最も記録された人物であったにもかかわらず、2012年9月に聖和されるまで、教権勢力の体制の中で囚われの身となっていたのです。真のお父様ご自身が表現されたように、聖職者たちはまさに神の摂理史における最大の悪党でした。
この非難すべき束草事件は、実に統一運動の歴史の中でも最も暗い瞬間でした。事件それ自体が、教権勢力が統一運動をその意図された道から外れた方向へとハイジャックしたという事実に対する反論の余地のない証拠です。束草で引き起こされた分裂から、ショーンの「サンクチュアリ」教団と韓女史の「独生女」(OBD)教団(カルト)という二つのカルトが生じるようになりました。
OBD教団にはアダム的血統も真の王権もなく、息子は一人もおらず、韓女史のもとに娘と義理の娘、そして選ばれた孫たち(義理の娘と聖職者の完璧な支配下にある)だけが集まっています。韓女史の心は既に何十年も前に真のお父様から離れており、そのことは、ごく最近韓国で行われた金振春氏のとんでもないOBD講義の音声記録で明らかにされました(内容はこちらからご覧になれます。英文リンク・日本語リンク。)サンクチュアリ教団とショーンの「二代王」の主張は、妄想であるだけでなく、完全に非原理的で利己的です。カインとアベルの一体化を土台とする真の家庭の理想が、教会の長老や聖職者の反逆と裏切りによって定着しておらず、肝心の基元節の制定が不可能である現在、どうして「天一国の二代王」が存在できるでしょうか。OBD教団とサンクチュアリ教団はどちらも、天の原理と自然の秩序に反する詐欺の産物であり、天はもはやこれを容認しないでしょう。日本で山上徹也が犯した悲劇的な殺人のような「悪い果実」の類が姿を現してきたのも、決して偶然とは言えません。
真のお父様は、2005年の「平和メッセージ」の中で、神様を、自分の子供たちが自分の労働の成果を全て受け継ぎ、自分とともに平和理想世界を創造することを願いながら生涯を労苦してきたのに、一夜にして全てを泥棒に盗まれてしまった父親に喩えておられます。悲劇的にも真のお父様は、後継者である文会長に引き継がせるべく構築してこられた摂理的基盤の全体を、円滑な移譲の実現を託したその人々によってハイジャックされてしまったのでした。これらの聖職者が真のお父様の意志の執行者として、真実かつ忠実にその職務を遂行していたならば、私たちの運動が過去14年間にわたる甚大な苦しみを経験することはなかったでしょう。彼らがそれを実行しなかったことは、神と真のお父様と文会長、ひいては統一運動全体に対する直接的な裏切りであり、彼らはその責任を問われなければなりません。束草での暴挙は分裂を引き起こしましたが、それが教権勢力の罪深い試みの最後ではありませんでした。彼らの恥ずべき裏切り行為はさらに続き、悪質さを増していきます。
2010年のある早朝、90歳になられた真のお父様がまだ寝室にいらっしゃる時、韓女史とショーンが「異端者と爆破者」という文書を完成させるようお父様を煽り立てました。彼らは何度も何度も、その文書に文会長の名前を記すようにと情け容赦なく迫りましたが、真のお父様はそれを頑なに拒否されました。彼らは、真のお父様が文会長を否認している「証拠」として公開できるように、このやり取りの全てを恥ずかしげもなくビデオに録画しました。彼らはこれを利用して、文会長の人格と権威を侵害し、踏みにじり続けようと考えたのです。しかし、彼らがこのビデオを配信した後、客観的な視聴者が、このような圧力が90代の人に加えられていることを高齢者虐待と見なし、教権勢力はすぐにビデオを撤回したのです。しかしそれは既にパブリックドメインになっていました。このビデオはこちらからご覧になれます(英文リンク・日本語字幕)
もう一つの恥ずべき事件が、2010年2月の国際指導者会議の場で起こりました。真のお父様の側近であり、真のお父様の家族の世話人であり、教権勢力の主要メンバーであったピーター・キム(金孝律)は、ショーンを認めよという「真のお父様の指示」に従わなかったとして文会長を公然と批判しました。 彼はさらに続けて、メンバーは真の父母様への仲保者である聖職者に従うべきであると言いました。彼の主張があまりに突飛であったため、会議では大きな混乱が生じましたが、世界中の多くの統一運動のメンバーは、教権勢力が繰り返し、組織的に広めたこのようなプロパガンダを結局は信じてしまうようになります。真のお父様が家庭の守護者の役割を託されたまさにその人物が、お父様を完全に裏切るとは、何と皮肉なことでしょうか!また、真のお父様からの最も重要な指示、すなわち、真のアベル、第4アダムである文会長と一体となれという指示に自らは従わないのに、メンバーには絶対服従を要求するこれらの聖職者たちの偽善はいかばかりでしょうか!
2012年9月に真のお父様が聖和された直後、ショーンは韓女史によって全ての役職から突然に解雇されました(彼女のOBD教団は、韓女史が認めなくなった者であれば、自分の息子でさえも直ちに追い出すという魂のない運営をすることが実証されたのです!)。ショーンは、2009年の戴冠式を根拠に自分が後継者であるという偽りの主張を継続し、韓女史と聖職者たちに対して罵詈雑言を浴びせ続けています。しかし、束草の偽霊界メッセージの作者であり、問題の戴冠式の司会を務めた梁昌植は、現在、ショーンの主張を公式に否定しています。韓女史自身も、法廷での宣誓証言でこれを否定しました。 ショーンを後継者の替え玉として立たせるために全力を尽くし、あまりにも熱狂的にそうしたためにショーンが自分自身を後継者と本気で信じるところまでいった後で、その意図された役割を果たしたとして臆面もなく自分の取ってきた立場を否定するとは、その非道さはいかばかりでしょうか!自らの発言と行動を通して、彼らはショーンが決して後継者ではなかったということと、それは真の後継者である文会長を否定するという唯一つの目的のために彼らが運動全体に対してついた嘘であり、詐欺であったことを証明したのです。
非常に悲しむべきことは、真のお父様の奥様であり、私たちの「真の母」として何十年も尊敬されてきた韓女史が、最終的にはこれらの聖職者たちに利用され、彼らの犯罪の積極的な共犯者になってしまったということです。確かに、韓女史のアジェンダは真のお父様の教えと使命に対しとりわけ侮辱的なものであり真っ向から対立するものです。彼女の自己神格化的な「独生女」神学は、真のお父様のアダム的権威に対抗して、彼女を新たなメシヤ型人物と位置づけ、真のお父様よりも上位の偶像崇拝の対象として位置づけています。最も重要なことは、彼女は真のお父様のアダム的血統を否定し、自分の韓氏の血統を強く主張していることです。これは、元々はエバが堕落の過程で犯した主管性転倒の罪であり、それが今、韓女史によって悲劇的に繰り返されています。真のお父様は2012年7月16日、韓国での世界平和女性連合の行事で、1万人を前にした最後の演説の中で、韓女史を公に否定されました。真のお父様は、ご自身の行動が非常に抑制されている中で、真実を明らかにしようと必死になるあまり、公の演説の朗読を中断して「母がいません。レバレンド・ムーンの妻という立場もありません。好き勝手にやっています!」と宣言されたのです。(英文リンク・日本語字幕)
しかし、女性神になりたいという彼女の盲目的な野望は、決して何もないところから生まれたのではありませんでした。聖職者たちは彼女のナイーブさにつけ込み、神聖さについての誤った意識と自分自身の偉大さについての誤った考えを植え付けたのでした。聖職者たちは、韓女史を妄想状態に置いて、神格化された名目上の長として奉ることで、「仲保者」としての自らの足場を固めることにより、祝福家庭を利用し、運動の資産を支配しようとしたのです。
聖職者たちは、自分たちの組織支配を後代にわたるまで確実なものとするために、真のお父様が編纂された「天一国憲法」の原案を破棄し、韓女史の指示で起草された新しい「天一国憲法」を発表しました。彼らはまた、真のお父様の教えに基づかない勝手な「天一国最高委員会」を結成しました。このような行為を通じて聖職者たちは、真のお父様の第4アダムと真の家庭を中心とする継承計画(「血統的継承」と呼ばれる)を否定するという隠された動機を明らかにしたのです。その代わりに、彼らは自分たちの権威を保証する押しつけ型の構造を通じて、運動の永続的な組織支配権を握ろうとしていました。実際、「使徒による継承」モデルを実行するということです。彼らの詐欺的な「憲法」によれば、韓女史が亡くなった場合、運動の新しい指導者は彼ら自身の投票により決定されることになります。この「使徒による継承」は、真の家庭が完全に否定され排除されることを意味します。
聖職者たちは続けて、出版済みの真のお父様の説教集と「8大教材教本」の内容を変更、削除し、長年の伝統を変更し、私たちの信仰の摂理的基盤を根本的に変えようとしました。彼らは、真の家庭とアダム的血統を抹殺するという、サタンが最も望んでいることを実現しようとする、まさにサタン的工作員であることが証明されたのです。
真のお父様が、聖職者と韓女史を含む教権勢力に対して最後の重要な非難を下されたのは、他界されるわずか50日前の2012年7月19日のことでした。これは、前述した世界平和女性連合の行事で韓女史を公に否定されてからわずか3日後のことでした。この訓読会で語られた真のお父様のみ言葉は紛れもなく明確です。
「母と父もまだ一つになれず、母は父とその子供たちを捨てて、サタン世界の君たちの足の下に入って行って…君たちは先生の子供たちを踏みにじり、自分の子女だけを大切にしている。亡国の種たちだ。先生の家庭を完全に踏みにじり…アベルUNを立てようとした先生の息子(顯進様)も踏みにじり…君たちはルーシェルよりもっと恐ろしい!」(英文リンク・日本語字幕)
この重要な歴史的記録の中で、真のお父様は、神の摂理史全体における最悪の悪党について明らかにしておられるのです!私たちはお父様のこのみ言葉が、その場にいた聖職者たちだけでなく、彼らに盲従し、その結果として、復帰されたカインとしての自らの摂理的責任を果たせなかった全ての祝福家庭に対しても、強い意味を持っていることを自覚しなければなりません。
結論
安倍元首相暗殺に至る過去14年間にわたって運動内に起こった出来事を見ると、教会の長老や聖職者たちによる天のお父様、真のお父様、そして文会長に対する裏切りの度合いは、それを表現する適切な言葉が見つからないほどです。彼らは真のお父様の継承計画を頓挫させるためだけでなく、自分たちの利益のために運動の基盤と資源を奪うという悪意に満ちた目的のために、お父様の最も弱かった晩年の時期にお父様を利用したのです。
悔い改めて、犯した全ての過ちを正す責任を取る代わりに、教会の長老たちやOBD教団の聖職者たちは、ますます傲慢になり、悔い改めることがありません。最近、8月18日に韓国のソウルで行われた抗議デモは、現在の統一教会を日本政府とメディアによる宗教的迫害の犠牲者として位置づけようとする哀れで絶望的な試みでした。しかし、事実を見れば、数十年にわたる重い経済的負担を引き起こしたのは彼ら自身の無能さと腐敗であり、法的な精査を受けるような非倫理的な資金調達方法によってその負担を負うことを、罪のない日本のメンバーたちが強いられていたのです。日本の国民とメディアがその懸念を表明するのは、十分に正当なことだと言えます。
さらにとんでもないことは、教会の指導者や聖職者たちが、自分たちこそが宗教的権利と自由の最悪の侵害者であるという事実を忘れて、被害者面をしていることです。真のお父様の真の教えに基づき、忠実に良心に従って文会長と歩調を合わせていた人々を踏みにじったのは、まさに彼らなのです。彼らは忠実なメンバーに「サタン的」というレッテルを貼り、彼らの祝福を無効にするとか否定するとか、また「破門」するという脅しをかけました(それ迄運動内に「破門」という概念はなかった)。聖職者たちは、自分たちの不法かつ犯罪的な意志を、祝福家庭のメンバー(神の息子・娘になろうと努力している同じメンバー)に押し付けるために、暴力や訴訟にさえ訴えたのです。しかし、これらの犯罪がどれほど酷いものであっても、彼らが真のお父様とその正当な後継者である文会長に対して行ったことに比べれば、微々たるものです。日本で起きたことは、神とその摂理、そして神の直系血統を徹底的に冒涜した者たちへの裁きであり告発であることを私たち全員が理解すべきです。天は黙ってはいません。私たちは速やかに悔い改め、アダム的権威に再びつながらなければなりません。
神の愛のうちに
ハワード・C・セルフ
信じる権利(Right To Believe)会長
ハワード・C・セルフは、全ての人の信教の自由を守るために尽力する非営利団体、Right To Believeの会長です。
より深く真実を知りたい方は、以下の動画を御覧ください。(概要欄の目次のリンクをクリックすると途中から見ることもできます)
2件のコメント
三輪有美子 · 2022年9月27日 5:45 PM
そういう弟子たちや、妻や、子供しか育てられなかったという事実は、文先生は、教育者としても、夫としても、父親としても、不合格との理解でいいでしょうか?
daichi · 2022年9月28日 4:48 PM
コメントありがとうとございます。
ご質問の内容ですが、「まだ答えは出ていない」ということだと思います。
お父様の子女の中でたった一人でも、人類のモデルとなる理想家庭を実現し、お父様が本来なさりたかった平和運動、統一運動をなしていくとすれば、それはお父様の歩みなしには実現されなかったことであり、お父様は神様の願いに応えられたということになるはずです。
私たちはそれが顕進様によってなされていると信じています。