統一運動のアイデンティティと摂理的使命を破壊する「天の父母様教団」創設
2020年4月15日
柳慶明(二世72家庭)
※この文書は韓国語で書かれた文書の日本語訳であり、脚注には、韓国語文献の引用元が挿入されています。
2020年4月4日、世界平和統一家庭連合世界本部は公文書を通じて「これからは統一教ではなく、家庭連合でもなく、天の父母様教団(Heavenly Parent Church)に名称を変更する」というお母様の特別メッセージを宣布した。そして4月5日、家庭連合指導部は一斉に世界各地に映像メッセージを通じてこのようなお母様の特別メッセージを指導者と食口たちに伝達した。
「これからは統一教でなく、家庭連合でもない、天の父母様教団への名称変更」は単に組織の看板を変更する問題ではなく、お母様が真のお父様を完全に離れ去って新しい教団を作ることであり、真のお父様が始めた統一運動本来のアイデンティティと摂理的使命を破壊する事件である。
I. 統一運動はメシヤ運動
統一運動は、真のお父様のカリスマ的で霊的なリーダーシップに基盤を置いたメシヤ運動である。「メシヤ」に対する多様な見解があるが、統一運動におけるメシヤは「アダム型人物」として規定される。このような規定は統一運動の核心原理の一つで、2つの重要な意味を持つ。第一に、メシヤは神ではなくサタンが所有権を主張できない神の息子、即ち堕落とは何の関係もない創造本然の人間として誕生した人ということを意味する(『文鮮明先生み言葉選集』285巻、24頁)。第二に、メシヤはアダム家庭の失敗によって成し遂げられなかった神の創造目的を実現すべき人間の責任分担を持った人ということを意味する(『原理講論』215頁)。したがって、統一運動ではメシヤとして来られたイエス様はコリント前書15章45節の記録のように後のアダム、即ち第2アダムとして、また真のお父様は第3アダムとして認識され(平和メッセージ3)、共にアダム家庭の失敗によって成し遂げられなかった神の創造目的を実現する使命を持った人として理解する。
それでは、アダム家庭の失敗によって成し遂げられなかった神の創造目的とは何なのか。空間的概念としては、神を中心とした四位基台(『原理講論』35頁)、即ち神を中心として父、母、子女の4つの位置が立てられ、4つの愛(子女の愛、兄弟姉妹の愛、夫婦の愛、父母の愛)で満ちた家庭を成すことである(平和メッセージ3)。そして時間的概念としては、神を中心として父母世代と子女世代によって成された三代圏の家庭を立てることである(平和メッセージ2)。
統一運動は、真のお父様のこのようなメシヤとしての特別な摂理的本質を理解し、その使命の成就の一助となる為に、献身しようとする人々と組織が集まった摂理運動である。したがって、統一運動の目標は、真のお父様のカリスマ的で霊的なリーダーシップの下に「神の理想家庭を通した平和理想世界王国」を建設することである。これは真のお父様を崇拝する似非宗教を作ろうということではない。全人類が神を中心に侍りながら生きようという運動である。またこれは特定の宗教、国家、人種の為のものではない。人類が神の子女として互いを尊重し、平和で幸福に暮らそうという運動である。
真のお父様はこのような方向に統一運動を導いてこられる中で、多くの人々から誤解を受けられ、試練に直面したりもされたが、最後まで神と人類の為のご自身の使命を実現しようと全生涯を献身された。そしてその過程で文顯進様を真のお父様の使命を継承する後継者に任命された。統一運動の観点から見ると、これは真のお父様が文顯進様を「メシヤ的人物」として公認したのである。即ち文顯進様は「第3次アダム」であられる真のお父様のメシヤの使命を継承する「第4アダム」として真のお父様から引き続き、統一運動を摂理的に導くカリスマ的・霊的権威を相続されたのである。
このような相続の意味で挙行された重要な儀式が、1998年7月19日に行われた文顯進様の世界平和統一家庭連合(以下、「家庭連合」)世界副会長就任式である。当時、真のお父様は「神と真の父母様が待ち望まれた歴史的な日」という主題を持って、この日の重要性を次のように語られた。
「皆さんは、第4アダム時代が今このように始まるということがどのくらい奇跡的なことなのか理解しなければなりません。全世界に及ぶ真の父母様の勝利によって、遂に神の観点で見る時に三代圏が復帰され、今や第4アダム時代が始まることができるようになりました。これが即ち今日のこの就任式の意味です。それゆえお父様はこれほどまでに有り難いのです」(『Today’s Word』1998年7月号、7頁)
「蕩減復帰という最後のページ、サタンの血統を断絶して綺麗に清算した後に、天の直系子女が家庭を中心として第4アダム勝利圏をこのように連携することができるバトンを、ここで出発できるようになったという事実が驚くべきことだということを皆さんは知らなければなりません。…顯進、万歳、万歳、万々歳」(『統一世界』1998年8月号、29-30頁)
第3アダムであられる真のお父様の勝利的基盤の上に、第4アダムは立てられた。これから第4アダムである文顯進様が責任を果たすことによって、「創造本然の家庭と天国を実体的に実現することができる」(『統一教会時代の主要儀式と宣布式Ⅲ』)子女責任時代に入ったのである。したがって、文顯進様は、家庭連合と共にサービスフォーピース・ワールドカープ・青年連合・天宙平和連合(UPF)など、統一運動全般に責任を負うことによって、統一運動を摂理的に導くカリスマ的・霊的な指導者として歩むことになる。
統一運動の概念から見ると、子女の責任時代に重要なことは、長子でありアベルの立場にある文顯進様と弟妹でありカインの立場にある祝福家庭の運命が摂理的に互いに連結されているという事実である。祝福家庭は拡大された真の家庭の一員として文顯進様と一つになり、真の家庭を定着させて歴史を通してかくも神と人類を苦しめてきた国家的・世界的カイン・アベル闘争を終結させるべき摂理的責任がある。それゆえ真のお父様は、2000年10月6日に次のように語られた。
「地上においてこれから、顯進を中心として一つにならなければなりません。その為に皆さんが顯進の家庭を中心として一つになり、父母様に従い入っていくのです。そうしてこそ、全てが終わるのです」(『文鮮明先生み言葉選集』335巻、285頁)
アベルはカインの為の公的な存在である。したがって、アベルの立場にある文顯進様は祝福家庭がカインの歴史的誤りを勝利的に復帰し、真の家庭が実体的に定着することに寄与できるように、最善を尽くして指導した。また、ご自身自らは神のみ旨の前に絶対信仰・絶対愛・絶対服従の道理を全て行うと同時に、真の家庭の理想を実体化する真なるアベルの先例を立てることによって、弟妹の立場にある祝福家庭がその手本に従い、人類の前にアベルの責任を果たす第4アダム圏時代の主人になれるように導いた。
Ⅱ. 統一運動の中心機関は「真の家庭」
「メシヤはアダム型人物」であるということと共に、統一運動のもう一つの核心原理は「真の家庭」である。上述した通り、神の創造目的は神を中心とした理想家庭である「真の家庭」を実現することである。真のお父様のメシヤとしての使命は、正にこの「真の家庭」を立てることであり、祝福家庭はこの「真の家庭」に連結された拡大された真の家庭の一員である。このように「真の家庭」は、統一運動の核心原理であると同時に中心機関である。
家庭連合は、正にこの「真の家庭」を統一運動の中心機関として立てる為に創設された。真のお父様は、1996年に家庭連合を創設されながら、世界基督教統一神霊協会を通じて進めてきた「教会中心」の運動から「家庭中心」の運動に転換すると発表された。宗教圏を中心とした個人救済・選択的救済の次元を超え、「真の家庭」に基づいた家庭単位の救援・人類に対する普遍的救済を実現することによって宗教・人種・国籍を超越し、人類が神の下の一家族として生きていく新しい文明を創造する為の偉大な変革を始めながら、その道具として家庭連合を創設したのである。これを通じて真のお父様は、人類が聖殿のような特定の場所や特定の曜日や時間あるいは儀式を通じてのみならず、生活の中でいつどこでも神と関係を結ぶ「神中心の家庭」を成すことを督励された。
この時期に真のお父様は、家庭連合を基盤として360万双、3600万双、3億6千万双など、人類が真の家庭に連結される祝福運動を前進させていきながら、これを通じて人種・国籍・宗教の壁を越える人類に対する普遍的救援を本格化した。そして人類を神の息子娘に戻して、神を中心に侍り生きることができるようにする真の家庭拡張運動も展開された。
文顯進様は、真のお父様が「教会中心」の時代が終わったことを宣布して以後も、続けて制度化された教会の枠組みに掴まっている統一運動の文化を改革しながら、統一運動が真のお父様の願いの通りに、「教会中心」の枠組みを脱ぎ「家庭中心」の枠組みに転換して、超宗教・超国家・超人種活動を通じて神の下の人類一家族運動に進んでいくことができるように努力した。その代表的な例が、2000年に世界9ヵ国20都市で開かれた「相続と発展」巡回講演と、2001年に「新しいリーダーシップパラダイム」という主題で3回にわたり進められた指導者21日特別修練会だった。
Ⅲ.統一運動の摂理的アイデンティティと使命を崩壊させたお母様と教会指導者
しかし、お母様と教会指導者は、統一運動のこのような摂理的アイデンティティと使命を崩してきた。第一に、真のお父様は決して偶像のように崇拝されることを願われたことがないにも関わらず、教会指導者は意図的に「アダム型人物」として理解される統一運動のメシヤ概念を捨てて、真のお父様を神格化した。
彼らは原理ではなく地位と権力を通じて祝福家庭を支配しようとし、真のお父様を神格化し、み言葉と指示を絶対化し、祝福家庭はこれに無条件に従わなければならないという前提を立てた後、自分たちは真のお父様によって立てられた指導者であるために、祝福家庭が真のお父様に従うように自分たちに絶対的に従わなければならないという意識を植えつけた。そして彼らは、このような邪悪な意図を持ってお母様まで神格化しながら(『真のお母様の生涯路程』265頁、2013年1月23日)、お母様に全ての力と権限を集中させている。その理由は、お母様が聖和すれば、お母様に集中させたその力と権限を教会指導者である自分たちが根こそぎ独占することができるからである。この為に彼らは、「天一国最高委員会」という見慣れない名前を自称「天一国憲法」に挿入した。この委員会は、真のお父様の聖和後に急遽登場した似非委員会であり、彼らはお母様が聖和されれば、この似非委員会が統一運動の全ての機関を統治できるように天一国憲法を捏造して発表した。彼らが発表した「天一国憲法」は、真のお父様が制定された天一国憲法とは全く違った偽造本である。教会指導者が言う「天一国憲法」体制とは正に、この似非委員会が全ての権限を独占する為のものである(『週刊朝鮮』2015年6月3日)。
このように教会指導者が自分たちの邪悪な意図を実行に移すことができるように門を開いてくれた人こそ、正にお母様である。神が期待されるお母様の姿は何なのか。真のお父様が失敗したアダムを代身して男性の四大愛(息子の愛、兄の愛、夫の愛、父の愛)を実践しながら神の男性相を代表する実体になられたように、お母様は失敗したエバを代身して女性の四大愛(娘の愛、妹の愛、妻の愛、母の愛)を実践しながら神の女性相を代表する実体にならなければならない。また、神のみ旨を中心として真のお父様と一つになられることによってエバが神とアダムを裏切り犯した「主管性転倒の過ち」(『文鮮明先生み言葉選集』29巻、309頁)を勝利的に復帰しなければならない(『文鮮明先生み言葉選集』312巻、184頁)。そのようになる時に、真の父母様が定着されるのである。
しかし、お母様はご自身を「独生女」として神格化しながら、神が期待される摂理的責任を投げ棄ててしまったと同時に、真のお父様のメシヤの権威さえも否定し、真のお父様の傍を完全に離れてしまわれた。お母様は「私は原罪のない神の娘として生まれた」と主張する(2017年10月25日、天正宮、元老牧会者特別集会)。その一方、「真のお父様は原罪を持って誕生し、16歳にイエス様に会ってひとり子の資格を獲得した」と語る(2014年7月1日、天正宮)。そして、「真のお父様が原罪を清算し祝福を受けようとすれば、原罪のない独生女に会う前に蕩減路程が必要である。それゆえ独生女がいる北朝鮮に来て、興南監獄で蕩減の道を歩んだのである。その基盤の上に1960年に独生女であるお母様に会って聖婚することによって、真のお父様は初めて真の父母の地位に進むようになったのである」と主張している(2016年10月4日、天正宮、日本指導者特別集会)。
これはお母様が真のお父様を選択して結婚してあげることによって、真のお父様の血統を復帰してあげたことを意味するものであり(2016年12月30日、天正宮、元老夫人集会。2018年7月13日、UCI訴訟関連証言)、窮極的にはお母様がメシヤだという主張なのである。ところが、過去50年余りにわたり真のお父様はこのようなお母様を無視してきたために、それまで摂理が完成され得なかったが(2019年7月25日、釜山教会)、「今や独生女から摂理の真の完成が始まるようになった」のである(2018年2月16日、天正宮)。
この主張は、真のお父様の教えとは完全に違うものである。真のお父様のみ言葉によると、お母様は血統が転換された状態で誕生したのではない(『文鮮明先生み言葉選集』461巻、26頁)。一方で、真のお父様はメシヤとしてサタンが所有権を主張できない神の息子、即ち堕落とは何の関係もない創造本然の人間として誕生された人である(『文鮮明先生み言葉選集』真本611巻、307-8頁。『文鮮明先生み言葉選集』真本608巻、276頁)[1]。そして、メシヤとして来られた真のお父様によってお母様が選択され、復帰されたエバの立場に立てられたのである(『文鮮明先生み言葉選集』283巻、30頁)。
お母様の「独生女」としての挙動は、6000年前に神とアダムを裏切ったエバの主管性転倒の過ちを繰り返しているのであり、真のお父様とは完全に異なる道に行くことによって真の父母様の定着を破壊する天宙史的犯罪である。最上の真のお母様の地位から最悪の独生女に転落してしまったということである。
第二に、お母様と教会指導者は「教会中心」時代の終末に反対し、「真の家庭」を統一運動の中心機関として定着できないようにした。
文顯進様は、神の摂理的方向と真のお父様の願い通り、「個人」が中心単位となる教会時代を終えて「家庭」が神を中心とした生の基礎単位となるように、統一運動全体を鼓舞させた。文顯進様は、「教会中心」の組織の維持を願う教会指導者を批判しながら、2008年3月23日に真のお父様に上奏した報告書を通して統一運動が深刻な岐路に立っていることを直言なさった。
「父母様は既に、1996年7月30日に家庭連合創設と共に漸次的に私たちの運動が統一教会の看板を下ろし、カイン世界全体を変化させる為の包括的な摂理運動に発展できるように指導してこられました。…ところが、指導者たちの中には、父母様の摂理的展開を正しく理解できずに既存の教会のアイデンティティと伝統が喪失されるのではないかと心配する人たちもいることを知っています。…既存の基盤を維持することに一層焦点を合わせようとしているのです。…今の統一運動は、この世界を神の懐に再び戻る道を進み続けるのか、それとも一つの宗団として残る道を選ぶのか、という岐路に立っています」
文顯進様はこのような問題意識を持って、統一運動がその使命を果たす為には真のお父様の遺業を正しく定義し、家庭連合と祝福家庭の文化を再整備しなければならないと提言し、真のお父様にその方案と共に世界的平和運動の為の計画を報告申し上げた。真のお父様は顯進様を非常に誇らしく思われ、「この報告書は私たちの運動がどういう運動なのか正確に現わす報告書だから、全祝福家庭は読まなければならない」と語られ、翌日の訓読会で訓読教材として読ませられた。
しかし、お母様と教会指導者は、自分たちの邪悪な意図を実行する為には「教会中心」の組織が必要であり、そのために「家庭中心」の時代を導いて行く文顯進様を排除しようとした。この為の彼らの最初の試みは、お母様の庇護の下で末子の文亨進氏を2008年4月18日に家庭連合世界会長に急いで立てて、文亨進氏が統一運動全体の責任者であると祝福家庭に偽りの広報を始めたことであった。当時は、文顯進様が真のお父様に報告書を上奏してから1ヵ月にもならない時点だった。事実、文亨進氏は、お母様と教会指導者が文顯進様を排除する為に臨時でその地位に立てた傀儡に過ぎなかった。彼はお母様と教会指導者の利益の為に家庭連合という組織の世界会長に立てられたが、真のお父様は彼を「メシヤ的人物」即ち「アダム型人物」と認めたことがない。真のお父様が「メシヤ的人物であり、アダム型人物である」と認めた存在は、4名だけ、即ちアダム、イエス様、真のお父様、そして文顯進様以外にはない。
第二の試みは、2009年1月に3回にわたって挙行された「万王の王神様解放圏戴冠式」行事を文亨進後継者冊封式に歪曲したことである。お母様と教会指導者は、この式の本質的意味を変質させて、「後継者は文顯進様ではなく文亨進氏だ」と騒いで回った。その代表的な例が、2010年2月22日に金孝律氏が世界指導者総会において「後継者の王冠が顯進様ではなく亨進氏の頭に行った」という妄言を吐いた事件である。
しかし「万王の王神様解放圏戴冠式」での真のお父様のみ言葉には、何処にも文亨進氏に関する言及がなく、彼を後継者に冊封したというみ言葉はさらにない。専ら神と人類の為の内容があるだけである。また、この式と関連して真のお父様がその後に説明したみ言葉(『文鮮明先生み言葉選集』607巻17頁、612巻222頁)の何処にも、それが文亨進後継者冊封式と理解される内容は一切ない。偽りはいつか必ず明らかになるものである。当時その儀式を進めた梁昌植前韓国家庭連合協会長は、最近、「亨進氏に関してはその当時、真のお父様から一言もなかった」と発言することによって、真のお父様がその儀式を文亨進後継者冊封式として認識されていなかったことを公式的に明らかにしている。UCI訴訟関連証言においては、お母様すらも、これは文亨進氏の後継者冊封式ではなかったと告白している。
第三の試みは、2009年3月8日の束草事件である。2009年初に真のお父様は文顯進様に194ヵ国巡回講演を指示され、文顯進様はこれに従い世界巡回を行った。お母様と教会指導者には、これが文顯進様に対する真のお父様の変わらぬ期待と思いを確認した危機の瞬間だった。それゆえ彼らは、統一運動の全ての摂理機関から文顯進様を追い出そうとする準備をするようになる。
その当時、文顯進様は、統一運動全般に対する責任と同時に、特に南北米全体に責任を負っていた。ところがお母様は文亨進氏を操縦して、それまで10年余りにわたり統一運動とは全く無関係に過ごしてきた文仁進氏を引き入れて、2008年7月29日に彼女を米国総会長に任命するという公文書を発表する。文仁進氏は米国総会長に就任すると直ちに、米国世界基督教統一神霊協会の主要理事を変更した。2009年初に真のお父様は文顯進様が米国責任者であることを再び強調され、これによって文顯進様は文仁進氏によって解任された理事を原状復帰させた。しかし、これをめぐってお母様と文亨進氏、文國進氏、文仁進氏を始めとする教会指導者は、「文顯進様が米国で勝手に理事陣を交替し紛乱を起こしている」という偽りの報告を真のお父様に上奏する。2009年2月27日の事である。
そして何日か後の3月8日に束草において、真のお父様は霊媒である金孝南氏が受けたという文孝進様の霊界メッセージと、いわゆる訓母様霊界メッセージを読ませた。しかし金孝南氏はその場に現われず、梁昌植氏に代読させたが、そのメッセージの核心内容は統一運動の組織体制に関することであり、その組織の最高位置には文亨進氏の名前が書かれていた。
いわゆる「霊界メッセージ」と呼ばれるこのメッセージは霊界から来たものではなく、実際にはお母様と梁昌植氏を始めとする教会指導者が作成した「偽の霊界メッセージ」であった。しかし、真のお父様はその内容が霊界から来たメッセージと認識しておられた。残念なことに、これはその当時90歳になられていた真のお父様の肉身的・精神的容態が如何なる状況であったかを示しているのである。お母様と教会指導者は、このような真のお父様の状況を利用して、最も燦爛たるべき真のお父様の黄昏期に、真のお父様の目と耳を塞いで汚い仕業を行ったのである。自分たちの目的を成そうと、真のお父様の家庭と真のお父様の遺業を毀損したのである。
第4の試みは、2010年から進められた文顯進様に対する人格殺人である。お母様の操縦を受けた教会指導者は財産収奪・権力欲などの偽の枠組みを作って、文顯進様を教会財産の80%を盗んだ泥棒、一人で全ての権力を握ろうとする欲張り者として非難した。金孝律、朱東文、呉澤龍、朴珍用、趙誠一、文俊鎬、鄭珍和、金甲用、龍鄭植、梁昌植、柳慶錫、梶栗正義、徳野英治など教会指導者は、世界を歩き回って文顯進様非難集会を行い、一方では文亨進氏に対する牧会者の忠誠誓約ビデオを撮影させるなど、祝福家庭にとって第4アダムであり真なるアベルである文顯進様に従うことができないようにした。そして、それでも足りず、30件余りに及ぶ訴訟を起こして文顯進様を監獄に送ろうとした。
お母様と教会指導者たちが文顯進様を非難する為に作り出した財産収奪と権力欲という偽の枠組みを見ると、逆に彼らが何を最も重要に思っているのかが明らかに現れている。それは教会内での自分たちの財産と地位と権力を保存することである。彼らは文顯進様を自分たちの財産と地位と権力を脅かす存在と考え、文顯進様からそれを守る為にあらゆる虚偽を量産しながら、不義なる仕業を重ねてきたのである。
しかし、文顯進様にとってはこの闘争は、財産と地位と権力の闘争ではない。神のみ旨と真のお父様の遺業と統一運動の本然のアイデンティティと使命を守る天宙史的闘争である。
お母様と教会指導者の邪悪な目的の為に傀儡として立てられた文亨進氏が家庭連合に責任を持っている時、彼は彼らが願うままに神の摂理と真のお父様の使命とは完全に矛盾する「教会中心」の組織に統一運動のアイデンティティと使命を後退させてしまった。例えば、彼は2009年7月17日に「統一教は仏教・儒教・イスラームのような一つの教団」だという公文書を世界全域に送り、同年8月13日には「世界平和統一家庭連合の名称を統一教に変更して使用する」という公文書を発送することによって、制度化された「教会中心の組織」への回帰を公式化した。そして「統一教」を統一運動の最上位の組織とする階層構造を作ろうとした。
ところが、真のお父様の聖和以後、文亨進氏の利用価値が落ちると直ちに、彼はお母様と教会指導者によって捨てられるようになる。捨てられた文亨進氏は今何をしているのか。彼は米国ペンシルベニア州に「教会中心」の組織であるSanctuary Churchを立てた。そして、そこからナルシシズムに酔い、真のお父様の崇高なメシヤ的使命と地上に残された遺業とは無関係な、反キリスト的で猟奇的な生を送っている。神を崇め尊び讃美すべきこの時に、彼は自らに王冠を被せている。神に栄光を捧げるのではなく、自ら栄光を受けようとしている。そして、そこにおいて自分の追従者と共に、銃剣によって悪を滅ぼし神の王国を守るという、いわゆる「鉄杖牧会」を行い、宗教急進主義の挙動を赤裸々に表している。彼は遂に2018年2月28日、彼に従う追従者と共にAR-15半自動小銃を持ち、頭には弾丸で作った王冠を被って合同結婚式を行うことにより、米国社会を衝撃のるつぼに陥れた。
このように文亨進氏を利用して「家庭連合」を「統一教」に変えたお母様と教会指導者は、今「家庭連合」を「天の父母様教団」に変えてしまった。
Ⅳ. 祝福家庭が処している現実と正しい決定
このように、「天の父母様教団」創設は、真のお父様を離れたお母様が、腐敗した指導者と共に真のお父様の「メシヤ的使命」を完全に否定し、真のお父様が勝利的に成就されたメシヤとしての遺業、即ち神の創造目的である「真の家庭」を完全に破壊していることを暴露するものである。また、これは「真の家庭」を基礎として神の下の人類一家族を実現する為に、真のお父様が始められた統一運動とは完全に違う「教会中心」の新しい教団を、お母様と腐敗した指導者が作ったことを現わすものである。そして、これは何よりも過去11年間に統一運動に起きた全ての問題が、正にお母様が真のお父様を離れることによって始まったという事実を明らかに示す証拠である。
真のお父様を裏切り、真のお父様とは完全に異なる道を進みながら天宙史的問題を起こしたお母様と教会指導者によって、統一運動の祝福家庭は、まるで父母の離婚によって父と母の2人のうち一人を選択しなければならない困難な立場に置かれた可哀想な子女のような立場になってしまった。お母様と教会指導者が作り出したこの避けられない状況において中間地帯はない。
祝福家庭は誰を選択しなければならず、そしてその選択を通じて何をしなければならないか。その選択が何であるかに関わらず、それは自分と未来、そして子女にまで影響を与える重大な選択になるであろうことは間違いない。
統一運動の祝福家庭は、上記で明らかにした今回の「天の父母様教団」創設事件を通して明らかになった過去11年間の全ての問題の原因と核心を認識し、これを契機に、神のみ旨と真のお父様に背信し、統一運動のアイデンティティと摂理的使命を破壊しているお母様と教会指導者に従ってきた誤った歩みを止めなければならない。そして正しい道に歩みを移さなければならない。
お母様と教会指導者が、神と真のお父様を離れ統一運動を本然のアイデンティティと摂理的使命から離脱させているとしても、何の基盤も、生き残る可能性すらなく見える荒野に追い出された立場であっても、真のお父様の生涯を導いた神のみ旨を果たそうという決意を持って命懸けで挑戦し、真のお父様の遺業を継承して、統一運動の本然のアイデンティティと摂理的使命を守り、勝利的に完遂している文顯進様がおられるということは、暗闇の中の一筋の希望の灯火である。祝福家庭は第4アダムである文顯進様と一つにならなければならない。ゆえに、真の家庭に基づいた神の下の人類一家族の新文明を創造することによって、人類が神と一家族となって平和で幸福に生きることができるようにする統一運動の神聖なアイデンティティを守り、摂理的使命を完遂しなければならない。
[1]お母様の指示で『文鮮明先生み言葉選集』から削除される。
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