韓鶴子夫人の逸脱を説明する時に、下の図を用いました。

文鮮明師と文顯進会長の間に亀裂を入れて分断する行為は、何年も継続されたのですが、そのパターンを幹部達が学んだのは、2001年の事件でした。郭錠煥先生の本、「事必帰正」151ページから書かれている内容です。

2001年の事件は、私が日本の統一教会とその関連団体に、内部監査に行った頃から始まりました。この文章は、まず不正と内部監査に関する部分です。

2001年の監査

当時、日本統一教会とその関連団体においては、リージョン責任者、あるいは副会長と呼ばれる人たちの中に、恐怖政治のように権威と暴力で支配し横領で私腹を肥やしていると噂されていた人たちがいました。日本教会の教会長は大塚会長でしたが、教会本部からも、リージョン事務所はブラックホールのようになり、お金の把握ができなくなっていました。

リージョンの数は16だったと思いますが、韓国人の若い世代のリーダー達が多く、また、日本統一教会とその関連団体の頂点には、総会長として劉正玉いました。リージョン責任者は、リージョンの教会とビジネスなどの関連団体の全体に権威を持っていました。彼らの中で、劉正玉氏と同じ地域出身の人たちが、五人組とか呼ばれ、不正を働いていると噂になっていました。劉正玉氏は、当時、文国進氏の最初の奥さんの父親でしたから、血縁と地縁で、全羅道のリーダーと見られていました。

地縁は日本では想像できないほど、大きな力を持っていましたし、対立の要因ともなりました。出身地で人を差別したりするべきでないのは言うまでもないのですが、韓国には、地域対立の歴史がありました。

当時、文顯進会長は、文鮮明師より、40歳以下(後に48歳に引き上げ)の教会員への人事権を与えられていました。文鮮明師は、韓日米のリーダーを若い世代に変更した後でしたから、ほぼ組織全体が文顯進会長の下に入ることを意味しましたし、劉正玉氏のような年長の人は例外的でした。

日本人の教会責任者は文顯進会長に助けを求めました。日本統一教会の会長だった大塚氏から情報を受け、話を持って行ったのは、徳野氏であったと聞いています。内部監査の発端はリークであることが多いです。

文顯進会長は私を日本の統一教会の監査に送ることにし、私を劉正玉氏に引き合わせ、承諾を取りました。文顯進会長は、40歳以下のリーダーを対象に21日修練会を計画しており、日本のリージョン責任者達もカナダの修練会に参加し、日本を留守にしました。

日本に行った私は、大塚氏と、当時総務局長だった岡村氏と頻繁に会い、監査の日程や結果などを話し合っていました。経理関係者が集められ、分担で全てのリージョンを回りました。

もちろん、問題を起こしていた人たちは、修練会に出発する前に、証拠隠滅をしていました。金庫は空、書類は一枚もなく、残っていたのはゴルフ場の案内くらい、というのが、最初に行った場所でした。

リージョンによっては、会計が海外旅行に送り出されたこともありました。しかし、短い間で全てを消すというのはできなかったですし、関係者からのリークもありました。

当時、劉正玉氏の下で権力を握りつつあった最もリーダー的な人は、リージョン責任者から「出世」して、ビジネスのリーダーに抜擢されていたでした。同郷の人を束ねると共に、暴力で知られていました。そのシステムは、一口で言うのなら、ビジネス・リーダーが、リージョンというブラックホールを使って、教会の上に立つものでした。

またシステムも構築されつつありました。教会に献金されたお金がビジネスの借金返済に回されれば責任者にマージンが行くというシステムも導入されていました。当時、統一教会傘下の、いわゆる霊感商法を担当するような部門は、大きな借金を統一教会系の会社にしていました。商品の支払いより、献金を優先してお金を回した結果でした。

これをやり繰りする中で、全体を束ねる劉正玉氏の下で、ビジネス側が教会側を支配するような体制になろうとしていました。ビジネス側はお金を回して欲しいわけで、献金として教会員が捧げたお金が、責任者の意により、ビジネスに回るなら歩合制で責任者の懐にもお金が入るということも起きていました。

ですから、お金を出した側ともらった側の言うことを照らし合わせて、責任者がカナダ修練会に出発する前に、懐にお金を入れたことを確認すると、カナダから「そのお金は後で返すはずだった」と連絡してきたこともありました。

韓国清平へのツアーも各地から頻繁にされていましたが、そのツアーをすれば、ビジネス側に歩合制でお金が支払われるシステムもありました。米国と違い、日本は現金が多用されていたので、様々なことが可能でした。

問題はシステムだけではありませんでした。個人の不正もありました。当時、清平が霊感商法のための壺などを日本に流していましたが、リージョン責任者は、自分で独自に、普通の韓国の石壺を仕入れて、教会に清平の霊石であるとして卸したりして、利益を得た人もいました。清平も、このことを知り、嘆いていましたが、教会員が知れば、信頼は一気に失われたかもしれません個人に対する献金か、教会に対する献金か、曖昧な金の流れもありました。韓国でリージョン責任者が購入した不動産のお金の出どころが怪しい場合もありました。

この状態を密告しようとしたとして疑われた韓国人は、韓国人リーダー達から集団暴行を受け入院した、という事件がありました。大塚会長が、面会した時の写真を見せながら、「殺す直前だっただろう」と語りましたどのくらい信頼できる情報かはわからなかったものの、教会の印象は、一種の恐怖政治の政権下のようでした。

暴力というのは殴る蹴るだけの問題ではありません。献金実績が出ないからと、何時間も部下のリーダー達に韓国式の敬礼を命令し、自分はどこかに行ってしまうという場合もありました。五人組と呼ばれる人たちのゴルフ三昧に関するリークや、ゴルフ場の案内などを考えると、あってはならないことでした。

問題は内部から告発されただけでなく、飛行機で横暴に振る舞い、飛行機会社からひんしゅくを買うということもありました。リージョン責任者たちが「天の将軍」とか呼ばれたことも災いしたかもしれません。

お金の面で言えば、裏帳簿を見せると言って、偽の裏帳簿を見せてきた地方の霊感商法部門もありました。人参茶をたくさん輸入販売していたハッピーワールドにも監査のために行きました。短い時間でなるべく包括的に調査し、証拠を求めようとしました。

でも敢えて調べなかった部分があります。それは海外への送金に関してした劉正玉氏個人にお金が流れたこともあったかもしれないと考えれば、もしそこに近づく時には、劉正玉氏が潰しにかかって来て、リーダー達の不正行為も、教会員への暴力もそのままにされる可能性がありました会計から、帳簿を見るかどうか聞かれましたが、断りました。

カナダでの21日修練会

短い期間の中で、証拠隠滅された後での調査では限界があったものの、幹部を吸血鬼にたとえて叱ったり公金横領や人権蹂躙をするなと強く指示していた文鮮明師の言葉と照らし合わせても、その当時噂されていた人たちには、大きな疑問が残りました。

初期報告をするために米国に戻った私は、「できることに限界があり、よくわからない部分がある」と前置きしながら、「噂になっていることには真実性がある」と、文顯進会長に報告書を提出しました。

修練会で、文顯進会長は、日本でどのようなことがあったのかは修練生にお話しされませんでしたが、「リーダーシップの新しいパラダイム」をテーマとして話「皆さんたちは欠点があるのだけれども、神様にはあなた達しかいない」と涙を流しながら語りました。当時の日本の状況はまさにリーダーシップのパラダイムが変革されなければならない時でした。

後で書こうと思いますが、当時のリージョン責任者の問題も、霊感商法の問題も、一言で言えば、未熟さが犯罪的行為に結びついたものだと思います。

人も、赤ん坊の段階を過ぎて、自己中心から兄弟姉妹や仲間を意識し、社会の一員となります。文鮮明師が教えていたのは、そこから更に段階を上げて、世界、霊界までの次元で、「ために生きる」を体現することでした。

しかし、実際の統一教会内部は、教会という組織のためなら全てが正当化されると思うような状態、一人の人間で言えば未熟わがまま自分中心の子供のままでいるような状態だったと思うのです。

修練会には、世界から大陸会長も集っていました。修練生がいない、少数の韓国人リーダーが集う場で、文顯進会長は、私ともう一人を監査人としてリーダー達に紹介しましたが、それを彼らは快く思わなかったはずです。私にとってもとても居心地が悪い場でした。韓国人リーダーが日本人を世界監査人として受け入れるとは考え難いことでした。

さらに文顯進会長は、日本に行くことを発表されました。私は急いで日本に戻ることにしました。なぜなら劉正玉氏が、文顯進会長に反発しているのを聞いていたので、文顯進会長の日本訪問の前に、もっと準備をしたかったからです。

統一教会改革は困難だった

次回書きますが、文顯進会長の日本教会改革は、劉正玉氏によって、文鮮明師に悪く報告され、文鮮明師が弟子を実子より愛する哲学を持っていたが故に、文顯進会長は窮地に陥りました。

これを通して、統一教会の幹部は、どのようにして文顯進会長に対抗できるのかを学んだのです。また、文鮮明師は、教えるつもりではなかったことを教えたことになりました。

劉正玉氏も意図はしていなかったでしょうが、同郷、同胞を守ろうとする気持ちが優先順位を狂わせて、幹部にどのようにして文顯進会長に対抗できるのかを教える結果となったかもしれませんだとしても、「地獄への道は善意で舗装されている」という諺があります。

劉正玉氏は、文亨進氏に謝罪して、文亨進氏から祝福を受けたという話がネットに出ています。本当かどうか知りませんが、もしも、控え目に言っても、2001年に劉正玉氏がしたことが正しかったのなら、現在のような結果にはなっていないのではないでしょうか?

今の日本と世界の統一教会全体に関しても同じようなことは言えます。解散と実質的破産に向けて大きな動きが出ています。米国教会では資産売却の意図を伝える公文も出されました。「どうしてこうなったのか」と反省し、正されなければならない時ではないでしょうか?

文顯進会長や私のような人が悪かったのでしょうか?事件の被害に遭った人が、「自分が悪かったのではないか」と思い悩むことがあると言います。私もそれに似た状況を2001年以降通過しました。2002年には、米国での文顯進会長の改革の努力が挫折するのも体験しました。二度目でしたから、幹部が反逆するか裏切るパターンはわかっていましたし、注意も払っていましたが、改革は挫折しました。

米国での挫折の後、文顯進会長は少人数を連れて1週間ほどアラスカの島に滞在しました。その期間が過ぎて、水上飛行機が文顯進会長を迎えに来た時、虹が現れ、飛行機と共に水面に虹が降りたち、水上飛行機が文顯進会長を乗せて飛び去ると、虹も消えました。偶然いうものは起こり得るものですが、そのような事を見ることが励ましになるほど、挫折感が私にはありました。

当時はまだ文顯進会長は後継者だと思われていましたから、文顯進会長を表立って批判する人は少なかったのですが、「顯進ニムの周りの人たちが悪いから」という話は聞こえてきました。私は2004年から2009年の半ばまで、文顯進会長と会うことはありませんでした。独りで2001年、2002年と自分が体験した事を消化しなければなりませんでした。その間、文顯進会長を取り巻く状況は、より一層悪く厳しいものとなりました。このシリーズの中で、これまで書いたことでも、それはわかるはずです。

私は2001年以降、今まで、ずっと耐えてきた人間として、間違ったのは統一教会の幹部達で、そこに韓鶴子夫人や文亨進氏のような文鮮明師の家族が巻き込まれたのだと思っています。

 

 


3件のコメント

  青木雅夫 · 2022年10月28日 12:36 PM

               劉正玉総会長自身が巨額の不正蓄財をしているとの噂が教会に流れています。他の団体であれば組織内の不正を放置せず、監査と処罰を行い横領した財産の回収をします。
韓国人公職者が日本に来てから横領と不正が頻発するようになりました。今からでも不正の摘発と処罰を行い公金の回収を行い被害者、困窮した家庭の救済を図るべきです。  

    daichi · 2022年10月31日 7:43 AM

    コメントありがとうございます。
    横領されたお金の回収ができるならば、一番いいですね。

· 2022年11月4日 1:01 PM

李氏朝鮮500年時代の地縁血縁主義をそのまま踏襲するような悪行ですね。民族性的堕落性が拭え無かったからで、差別ではなく事実として少なくとも韓国人でなければこのような悪行は起こらなかったでしょう。
私は以前からお父様の韓国人の美化意識には抵抗が有りました。事実なら良いのですがそうではない事柄を語っておられます。李氏朝鮮時代の様子を英国の旅行作家イザベラ・バードは、著書『朝鮮紀行』で『朝鮮には階層が二つしかなかった。盗む側と盗まれる側である。そして盗む側には官界をなす膨大な数の人間が含まれる。「搾取」 と着服は上層部から下級官吏にいたるまで全体を通じての習わしであり、どの職位も売買の対象となっていた。』と述べる。ここでの搾取側は両班達です。お父様は両班の家系でしょうから当時の両班の人達から恨みを聞かされ影響を受けたでしょう。しかしロシアが植民地したらどうだったか?李氏朝鮮が独自に自立できたか?
お父様の韓国人の美化意識により、劉正玉氏らのような民族的堕落性を教会組織に蔓延させたのではと考えたりもします。
李氏朝鮮末期は、大院君と閔妃政権が権力抗争に明け暮れ不安定でした。近代化を願う中人の身分の金玉均らが革命を起こすが失敗、閔妃らに暗殺されます。その後日露戦争後の世界情勢も影響し列強国の賛同により併合がなされます。併合後は、身分解放・食糧増産・土地政策・教育政策など行う。
人それぞれ事実の受け取り方は様々でしょうが、お父様にはメシアとして客観的中立的発言をして頂きたかったです。
最後に『神様の摂理と日本』の第3章 日本教会と日本食口P127より「日本から来たお金は、韓国の為に使っていません。世界の為に使っています。世界の為に使わなければなりません。世界の為に使うので、サタンは讒訴することができません。そのお金を韓国の為に使ってはいけません。莫大な資金をアメリカの為に、自由世界の為に使っています。ですから、日本的な立場ではないのです。」

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