私は2008年初め、MTFプログラムで南米ウルグアイの地で宣教活動をしていました。MTFは顯進様が作られた夫婦宣教プログラムであり、STF過程を通じて神様との関係を結びアイデンティティを確立した上で、家庭単位で夫婦として公的な生活を送るための基準を立て挑戦する海外宣教プログラムです。
スペイン語も分からないまま投入された現場で、神様の夢を実現したいという情熱だけを持って始まった路程でした。 夫婦が一緒に挑戦しなければならないという基準を顯進様が提示してくださり、片方だけ参加していたメンバーたちも夫/妻を一緒に参加させて挑戦していました。夫はカープ活動、妻は成和学生教育というミッションを与えられ、平日は大学キャンパスに通いプロジェクトを行い、週末には祝福家庭の子供たちを集めて教育およびプロジェクトを行いました。
ウルグアイで出会った子どもたちはとても可愛く、希望に満ちていました。しかし親たちは2世教育をどのようにすべきか悩みを抱えており、長期休みごとに行われる原理講論の講義を聞く理論中心の教育が全てでした。子どもたちも興味を見出せず難しい状況でした。そんな子どもたちを外に連れて行って‘Service for Peaceプロジェクト’を実施し真の愛の心情を成長させるための経験中心の教育を始めました。プロジェクト基金を集めるためにチームを組みファンドレイジングを行い、孤児院を訪問し交流して動物園に連れていくプロジェクトをしました。その他にもチャレンジプログラム、GPF Musicプロジェクトなど学校の友達も呼んで毎週企画して実行し、とても貴重な時間を持つことができました。
南米におられた宣教師の方々も人生をかけて移民に来ていました。神様のみ旨を成そうと活動する1世の方々姿を目撃し人生の基準と公的な投入の精誠を見ることができました。私達を希望的に迎えて活動をするのに一心に協力して下さり、支援を惜しまなかった方々がとても頼もしく感謝でいっぱいでした。神様のみ旨を成すために一生を捧げる姿を通じて大きな教えを下さり、手本を見せてくれました。
4月には顯進様が南米を巡回し、国家指導者たちとミーティングを行い、北南米未来ビジョンを拡散しておられました。2008年7月5日に開催された‘GPF in Paraguay’にはバス1台をレンタルし、片道20時間の距離を移動して子どもたちと一緒に参加してきました。
パラグアイの大勝利を目撃した矢先に、お父様のヘリコプター事故が発生し、その一週間後にSTF/MTFプログラムが解散されました。それは何があったのか把握さえできない状況であっという間に起こりました。私達はウルグアイ協会長、宣教師の方々、子どもたちと約束した期間があり、何より出発する時に誓った目標があったのでその状態で整理して帰ることができませんでした。決まっていた期間を全うして最後までやりたいという意思を伝え、2009年8月に活動を終えて帰ってきました。
韓国に帰って間も無く、お義母さんが特別講義があると一緒に参加しようと教会へ向かいました。その時、72家庭の先輩が「顯進様は堕落したアダム」というテーマで食口達の前で講義をしていました。夫は講演の途中で怒って出て行きました。それ以来教会に行くことができませんでした。見たことも聞いたこともない話を伝えながら全国を巡回し特別講義が行われ、どうにも理解し難い状況が繰り広げられていました。その内容は受け入れられるレベルではありませんでした。それが天宙史的葛藤だったと悟るまでには時間がかかったと思います。
顯進様のOnlyNo,1基準と経験中心の心情教育
顯進様が立てようとされた基準は明確でした。なぜ顯進様が私達をあそこまでも強く訓練し限界突破を叫びながら挑戦させたのかが今になって分かる気がします。常にOnly No.1の基準を強調し、高い基準を立てるために崖っぷちに自らを追い込むように完全投入を指導されました。そして‘確信’と‘情熱’。
Only No.1の基準は順位を付けたり選抜するためのものではなく、より大きな目的に向かって突破口を見つけ、皆がついて行く高い基準を立て全体を引き上げるための挑戦でした。「心情文化創造の主人」に出てくる顯進様のお話で「平均が新しい基準になれば平均より優れた人は平均レベルに落ち、平均が最高の基準になるでしょう。こうなると平均はさらに下がることになり、結局これは衰退の公式になります」という内容があります。私達が絶えず成長を追求し、発展と革新の道を開拓していくためには、最高の基準に焦点を合わせ、その基準が全体の基準になり、また高い基準に向かって挑戦することで発展することができます。
顯進様は私達が、ただ愛を受け幸せに暮らす平凡な子女たちに成長するのを超え、世の中を変化させ真の文化を創造し、全体を導いていく先頭部隊としての役割を遂行する子女に成長することを願われました。それは私達がこれから持つべき責任の大きさを感じ、これからどれだけ強い風が吹き付けても揺れない根を深く下ろすためのものでした。
それは頭で理論的に理解することを越え、経験を通じて神様との心情的な基準で連結され共鳴できる天の基準を立てることに大きな核心があり、直接体験しながら学んだ教訓は完全に自らのものとして強力に残るからです。自らが定める限界を越え新しい基準を立てていくための挑戦を通じて新しい文化を創造する過程は、まるで親鳥が小鳥を巣から落として自ら翼を広げて飛ぶ方法を習得させるようにするようなものでした。完全に自らの力で飛べるよう挑戦課題にぶつかりながら心情で原則を学び、実践することで成長していかなければならない過程は、唯一神様との関係性だけを通じてしか解答を得ることができないのでした。そして、その接点で夫婦が共にする時、大きな祝福の道が開かれ新しい機会が近づいてくると感じました。
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公的に生きる基準と神に侍る家庭の重要性
STFの過程を通じて私と神様との関係を確立し、夫婦が一緒に宣教活動に挑戦するプログラムがMTFでした。究極的に夫婦が神様の夢を中心に一つになり、神様を代表する家庭を築くのに夫婦が一緒に公的な目的のために挑戦する過程は必ず必要な貴重な内容です。MTFメンバーとして宣教活動をする上で何の生活的・活動的支援なしにすべてのことを準備して成し遂げなければならなかったので人生を捧げる基準での挑戦でした。飛行機の費用から宣教先での生活費、活動費すべてを自分たちで築いて行かねければならなかったので、24歳の幼い夫婦にとってはものすごい挑戦でした。
しかし知らない土地に置かれ、頼れる人はお互いしかいない状況で、同じ目的を追求して挑戦した時間はお互いの人生の目的と価値を合わせていかなければやり遂げられない状況でした。そのように家庭で天に侍り(迎え)基準を立てるための投入の過程そのものが大きな祝福であり、恩恵を受けることでした。顯進様は神様に侍って(神様を迎えて)暮らす家庭を通じて神様の文化を定着させ、力強い根を下ろし、今後どんなことがあっても揺れ動かない土台を創るため夫婦で宣教プログラムに挑戦させたのだと感じました。そのような家庭が多くなれば、神様と共に摂理を導いていく上で重要な基盤になるとおっしゃっいました。
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宝石のような子どもたち
「MTF」という単語を聞くたびに残念がられ「君たちに申し訳ない」という話をされる顯進様の姿を見ながら「その当時STF/MTFプログラムを中断させたことに一番心痛めておられた方は顯進様であり、神様だった。」と感じました。神様の夢を叶えるために生涯をかけて決意し準備した集まった子達を解散せたことは、一番大きな過ちだったと思いました。2008年当時、STF5期まではすべての路程を終えた状態でした。しかし、6期以降の子達は途中で解散させられました。MTF3期も教育路程を終え、任地の発令を待っていました。人生をかけて準備し、いかなる代価もなく挑戦すると集まった子達でした。個人的な目的ではなく、公的な動機と目的を持ってすべてを投入する準備ができた子達でした。熱い情熱と偉大な希望を胸にスタートラインに立っていました。
しかしあまりにも突然で予告もなしに、何の説明も受けられないまま「各自の人生を生きろ」という全く相反するメッセージを投げかけられ、個人の人生を生きろと解散させられました。その子達はまるで急に息が詰まり真っ暗なところに投げ出されたかのように、暗く息苦しくもどかしい状況だったと思います。どんな挑戦も始められないまま立ち止まらなければならなかった状況だったのなら達成感や確信を持つことができず、唖然と混乱を経験したことでしょう。経験を通じて価値を体感し、人生に対する信仰と情熱を持つようになります。そのためには勝利の経験がとても重要です。その過程が中断されたのは神様の最大の期待を崩したことであり、貴重な財産を失ったことです。 顯進様も「宝石のような子どもたちを失った」、「その子たちを必ず探さなければならない」とおっしゃったように、再びそのような基盤を築けるよう基準を立てていかなければならないと思います。
祝福家庭の子女としての責任
今は混ざっていた水と油が分離する時代にいると思います。それだけ混乱の時でもあります。すべての価値観が正しいビジョンにアライメントし、明確な線ができるでしょう。私達が経験してきたすべての過程は、決して私達だけのためのものではありませんでした。より大きな目的のための天の投入だったと思います。今、私達が呼吸するすべての瞬間に神様が共にできるのか自問自答する人生を生きなければならないと決意させられます。顯進様から天の基準を立てていくための教育を受けることができたのはとても恵まれたことでした。
私達を成長させたすべての内容は決して容易な道ではなかったし、時にはあまりにも身近な人から直接的な困難を感じることもありますが、私達自らのアイデンティティは天から来ていて、神様を中心に夫婦が一つになって家庭を築いていくことは、どんな姿であるべきかに対する人生の土台となる価値観を学ばせていただきました。より大きな目的を達成するのに一助できる家庭になれるよう努力しながら生きていきたいと思います。
そして特に日本は混乱の時期を迎えていますが、1世の両親の精誠と犠牲の上に私達は生命を得ることができ、すべてを捧げて全世界に派遣された日本宣教師の方々の汗と涙があったからこそ、この統一運動がここまで来られたと思います。その貴重な努力が無駄にならないように、すべてが再び天にアライメントし整理され、新しい希望の道を顯進様をお迎えして一緒に出発したいと思います。また、子女として未来の大きな希望となり、両親を慰め解放してあげたいです。
指導者の第一条件はために生きること
どのようにしたら、立派なリーダーになれるでしょうか。私は大きな心情を持っていれば、立派なリーダーになれると信じています。たくさん知りたい人は、一生懸命に頭を訓練します。同じように私たちも、心情を育てて、立派になりたいと願うならば、それだけ努力して、一生懸命に心情を訓練しなければなりません。人々が、どれほど多くのことを知っているかということは重要ではありません。重要なものは見えないのです。ですから心情が重要です。リーダーは最前線に立ち、真っすぐ歩いていくためには、心情が大きくなければなりません。そうすれば、すべてを乗り越えることができます。よりいっそう強くなり、確信も大きくするためには、為に生きようと努力する、真の愛の運動を継続しなければなりません。そうしてこそ、激しい反対にあったとしても、揺らぐことなく、真っすぐ行くことのできる人になります。そのような人は、人格や誠実さにおいて、周りの人から信頼されるようになるのです。たとえお金や地位がなかったとしても、皆その人をリーダーとして、応援してくれるようになります。
[STFメンバーたちに] 皆さんもこんな訓練を受けたいですか。(はい)ここにいる人たちの中に、皆さんの言葉を信じない人もいるでしょう。「皆さんは20代の若者だから、簡単に返事をする」と考える人もいるでしょう?(笑い)そう考える人たちがいたとしても、皆さんは頑張りますか。はっきりと見せますか。(頑張ります!)(拍手)リーダーになろうとすれば、まずために生きる方法を学ばなければならないと言いました。ために生きる方法を知らなければ、リーダーになれません。皆さんが受ける教育は、まさにリーダーになる教育です。どんなに苦労し困難なことがあったとしても、皆さんの顔を見れば、希望が沸いてきます。世の中の若者たちの中に、神様のみ旨を果たそうとする人たちがいますか。家庭と国、そして世界のために生きようとし、さらには神様のみ旨を果たそうとする人たちがいますか。けれども、統一教会の中にこのような若者が育っています。統一教会だけでなく、世界的に見れば、どれだけ大きな希望でしょうか。(アーメン!)
この若者の強みは、まさに為に生きる心です。この子たちが外に出て人に会えば、その精神ゆえに、人々が惹きつけられるのです。「この子たちは一体何者なのだろう。私と同い年くらいなのに、大きな夢を持って、人のために生き、そのうえ自ら主人になろうとするし、チームワークを持って生きる姿が、本当に素晴らしく見える。私もこの子たちのようになりたい」と感じるようになります。このような姿を見て、世の中の人たちが、私たちの教会を訪ねてくるようになるのです。不思議なことに今、人々はこの若者たちを見て、自分から来たいと言っているのです。こうなる理由は、今が新しい時だからです。
– 「神様の夢の実現」より抜粋 –
- この内容は個人の経験をもとに感じてきた内容と考えをまとめたものです。
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