顯進様の活動

世界の祝福中心家庭に送る顯進様の公開書信

(2011年11月26日)

全世界の統一家の皆さんへ

長い間熟慮し、忍耐を重ねた末、神様の摂理と統一運動の現状に対する私の考えや懸念を、同じ信仰を持つ祝福中心家庭共同体の皆さんにお伝えすべきであるという結論に達しました。

今の歴史的な時は、神様の摂理を促進するためのかつてない機会に満ちています。それは、春の兆しと共に訪れる刷新と新生の時代を象徴しています。私達の統一運動は、荒野路程を通して、冬の熾烈な迫害の厳しさに耐えてきました。しかし、今や後天時代に入り、神様の摂理は、蕩減復帰時代に蒔かれた私達の犠牲の結実を収穫すべき時になっています。今こそ、私達の運動に対する汚名を晴らし、実体的な地上天国を建設するという私達の確信とビジョンを確認し、収穫する時なのです。それにもかかわらず私達は、今の時代に懸けられた天の期待と、現状の間のギャップを、どうやって埋めるのかという深刻な課題に直面しています。

多くの皆さんはご存知だと思いますが、私は公的活動を通じて、お父様の生き方と教えの中に示されている原則と価値観に基づいて祝福中心家庭を指導すると共に、神様の摂理の方向性と目標を明確にしようとしてきました。私は多くの皆さんに、あなたは「拡大された真の家庭の一員」であり、あなたが5パーセントの責任を果たせるかどうかは、あなたが真の愛、生命、血統という真の家庭理想をどれだけ実体化するかにかかっていると話してきました。皆さんの兄として、祝福家庭共同体全体を指導し、結束させるのは自分の責任だと考えてきました。とりわけ今のように、真の家庭と私達の運動について、内部からも外部からも誤解が生じている時であれば、なおさらのことです。

ところが今日、私達の運動の重要な組織の指導者達は、真の家庭の内部の不和や微妙な人間関係に関する内容を、祝福家庭共同体の内部に止まらず 世間に対してすらも、積極的に公開しようとしています。彼らは、私と私の家族ならびに私と共に働く人々に対し、意図的な歪曲とあからさまな嘘を用いた攻撃を繰り返しています。彼らは、私及び私と共に働く人々を、天のみ旨を代表すると自負する人々としてはありえないような方法で中傷しています。彼らは、私が指導している全ての組織とプロジェクトを妨害するという目的のためには、それがどのような結果をもたらすかを全く気にしていないようです。彼らの目的は、私と私がしている仕事を妨害することですが、深刻な被害は私達の運動全体が被っており、真の父母と真の家庭の理想が傷を受けています。何よりも深刻なことは、お父様のレガシー(伝統)が危機に瀕しているということです。

これらの指導者達は、私とお父様との関係や、私のお父様に対する愛についてよく知っていると主張し、それを評価しながら私を批判してきました。そして私がお父様を裏切ったとか、見捨てたとかいうことをほのめかすことまでしました。もちろん私は、彼らがやろうとしている方向にも、高圧的なやりかたで進めていくその文化に対しても、同意することはできません。それは、お父様が生涯をかけて用意してこられた摂理の道から、彼らが外れて行こうとしているからであり、私達の運動の拠って立つ原則と価値観を彼らが歪めているからです。これだけは絶対的にはっきりさせておかなければなりません。私はお父様の息子であり、お父様が生命を懸けて来られた理想と原則に対して、私も絶対的に生命を懸けています。この一点は何ものも決して変えることはできません。たとえ何が起こったとしても、永遠の血統の絆は、消滅することも破壊されることもありえません。

私と私が指導している組織に対する一斉攻撃について考える時に、多くの皆さんは果たしてこれらの非難が真実なのだろうか、もしも真実でないとすれば、どうしてそれに対して私が今まで沈黙を守っているのかと、きっと不思議に思っておられるのではないでしょうか。私に近い人々は、こうした露骨な人格攻撃と非難に対して、断固として否定し反論するように勧めてきました。しかし、それに対し私は「反論して何になるのか?」と答えました。これらの非難の背後にいるのは、私自身の家族であり、私達の運動の傘下組織の指導者達なのです。私は、如何なるレベルであれ、彼らとの間でこのような問題にからんだやり取りを決してしたくありませんでしたが、彼らは、やっきになって対立構造を作り出そうとしてくるのです。これは困った事でしたが、良い選択肢がありませんでした。そこで私は兄として、先ず私の両親の尊厳を守り、私の家族と私達の運動の現状に責任を取るために、沈黙を守るという選択をしたのです。

しかし、数度にわたる誹謗中傷ツアーや、有料メディアによる中傷キャンペーン、組織的なデモ、訴訟等々を含む三年間に及ぶ絶え間ない攻撃の結果として、今や私達の内部問題は、公けの領域に広がり、広く一般に知られるようになってしまいました。祝福中心家庭の皆さんの多くは、おそらく組織の指導者達の宣伝しか聞いていないでしょうから、私達の信仰共同体の中での紛争が、一体どの程度まで公の場で報道されてきたのかあまり気がついておられないかもしれません。しかし、最初に私を破壊するための本格的な攻撃が行われた韓国では、ほとんどの韓国人、特に平和大使達は、様々な教会組織の指導者達の態度や駆け引きに愛想をつかしています。「中心者と絶対的に一体化する」(蕩減復帰時代に立てられた条件)ように慣らされている教会員達とは違って、私達の運動の外部の人々のほうが、かえって物事をはっきりと見ることが出来ています、それゆえ彼らは、こういった指導者達の独善的で無責任な行為に対して腹を立てているのです。

2008年の末までに、平和大使運動やUPFとグローバルピースフェスティバルの拡大を通して、私達の運動は、世界中の影響力を持った人々の間でどんどん評価されるようになってきました。とりわけ韓国ではそうでした。「神様の下の一家族」というビジョンは、信仰を持つ多くの人々の心を捕らえ、自分自身の宗派の枠を超え、その他の様々な壁を超えて互いに歩み寄り、平和世界の建設に参加したいという熱意に火をつけました。はじめて、外部の大きな社会が、私達の努力を評価しただけでなく、多くの皆さんが想像もつかないような形で、参加したいとまで願うようになったのです。皆さんもおそらくご承知のことと思いますが、私はこういったことを、全てお父様の明確な支持の下で進めていました。私達は摂理の最前線に立ち、神様の人間に対する夢を堂々と明らかにし、私達が最も大切にしている原則と価値を高めたのです。別の言い方をすれば、私達の提示した目的と実際の活動の間には、なんの「隠された意図」も「下心」もなく、ただ絶対的な合致(アラインメント)だけがあったのです。

しかし、瞬時のうちにこれらの全てが変わってしまいました。私はその変化が起こった理由をここで詳しく説明するつもりはありませんが、全ての祝福中心家庭と統一運動のメンバーが理解しなければならない重要な点は、現在の組織の指導者達によって、路線変更がもたらされたということです。彼らは、神様の摂理を全ての活動の明確な目標とした、広汎な超宗教運動を築くというレガシーを持ち続けるのではなく、それと全く正反対の方向性、すなわち私達の運動の全ての基盤を掌握することをめざした利己的な教会、あるいは新しい宗教団体を作るという方向性を選択したのです。これでは神様の摂理はどうなるのでしょうか?真の家庭のメシヤ的な使命と実体的な役割はどうなってしまうのでしょうか?大きなカイン型世界に対するアベルとしての祝福中心家庭の責任はどうなるのでしょうか?「神様の下の一家族」というビジョンにより、宗教間の壁を超えて平和を実現するという摂理的説明ゆえに参加した平和大使たちはどうなるでしょうか?この指導者達は、彼らの誤った野心がもたらす深刻な結果を一切気にしないばかりか、理解すらしていないのです。

ですから、真の家庭と私達の運動を心から心配している、思慮深く誠実なメンバーにとっては、私がどうして現在歩んでいる道を選んだのかはきわめて明白であると信じます。私の観点から言えば、他に選択の余地がなかったのです。それは私に配られた運命のカードであり、私は長子の立場にふさわしい姿勢でそれを受け入れ、消化しなければなりませんでした。父の責任と権威を持つ長子の役割とは何なのでしょうか?それに対する満足のいく答えを得るためには、まずお父様が今まで歩み続けて来られた動機が何なのかを理解しなければなりません。

数々の称号や宣言以上に、お父様はアダムの失敗を復帰する条件を勝利的に立てた、復帰されたアダムとして、創造原理に根ざした果たされていない神様のみ旨を成就することにより、神様の心情を解放することに全身全霊をかけてこられました。何よりもまず、これが常にお父様を駆り立てる動機であったことを知らなければなりません。そうすることによりお父様は、み旨に対する不屈の主人意識(オーナーシップ)と服従を通して、神様に対する聖子としての忠孝の新しい先例を立て、私達全てが見習うことの出来る基準を示して下さいました。同様に私も長子として、神様の摂理を自分のものとし、真の家庭の理想を実現することで地上天国を実現しようとする神様のみ旨の前に、絶対信仰、絶対愛、絶対服従の伝統を継続することにより、お父様のレガシーを守ることを深く決意しています。

生涯を通して、私は摂理を自分のものとし、お父様の教えの本質を体得するために最善を尽くしてきました。神様は、私達が摂理を自分自身のものとすることによりそれを実現してほしいと願っておられ、それゆえに地上にみ旨を実現するための共同創造者(co-creator)となることを許しておられると、私は常に信じてきました。その結果、ここ何年かにわたり公的な責任を次から次へと引き受けてゆく中で、これらの使命と摂理的責任を自分のものとすると決意せざるをえませんでした。まず自分が主人意識(オーナーシップ)を持ち、他の人々にも同じようにすることを勧めました。私の摂理に対する決意は、私自身の神様に対する約束と決意に基づいているのであり、誰かから認められることや、組織や教会内での位置や肩書きなどとは全く関係がありません。この観点を理解できなければ、皆さんの多くは、私について聞いている事実歪曲を認識することができないでしょう。

最も馬鹿げた主張は、私が郭錠煥牧師と彼の家族によって操られているということです。この主張に用いられている論理は、余りにも馬鹿らしいもので、このようなナンセンスを受け入れて信じる人がいるということは、私にとっては驚きでした。私達の運動の一部の職員たちは、私を、真の父母様、特にお父様の意志に従うことを頑なに拒否する傲慢な人間として描いています。もしもこの描写が正しければ、そのような人物が郭氏の家族からは極度に影響されていると、同じ職員達がなぜ主張することができるのでしょうか?このような論理の矛盾にすら気付かないこと自体が、彼らの立場が如何に馬鹿げたものであるかを示しています。彼らが攻撃の対象を戦略的に郭家に変更した簡単な理由は、真の家庭のメンバーに対する彼らの攻撃が、祝福中心家庭共同体から否定的な反発を買ったためです。そして私が指導している組織を掌握しようとする彼らの企てを正当化するため、別の標的が必要になったからにほかなりません。

もしあなたが祝福中心家庭ならば、たとえどのような基準であったとしても、神様の本来の創造目的は、神様の愛と生命と血統を地上に拡大することのできる、神様を中心とする家庭を築くことであったということを知らなければなりません。お父様が説明されるように、そのような家庭では、神様の下の一家族として生きる一人一人に対し、神様は世代の枠を超え、ご自身の息子娘として相対されることにより、神様が家庭の中心となられるのです。ですからお父様は平和神経、特に第一メッセージの「神様の理想家庭と平和理想世界王国」の中で、神様と人間の最も根本的な関係は親子の関係であると強調されています。この本来の理想が人類歴史の初めにおいて実現されなかったので、本来の創造目的を完成するという神様の摂理の目標は、変わらずに残っているのです。

真の家庭理想の核心は、平和メッセージ1に最もよく表現されています:
「理想家庭とはどのような姿でしょうか。まず第一にその家族の一人一人が真の愛の主人となります。神様が創造された最初の人間は、男性格を代表したモデルとしてのアダムと女性格を代表したモデルとしてのエバでした。彼らが真の愛の見本となる人格者、主人になる道とはどのような道だったのでしょうか。一言で言えば、神様を父として侍って生きていける、父母と子女の関係を確保するモデル平和理想家庭でした。神様と一つの家族を成し、永遠に喜びを感じて生きる道である、という意味です」

創造された天宙の源泉、根源、主人は神様です。同様に、摂理の源泉、根源、主人も神様であって、いかなる組織でも機関でも個人でもありません。お父様はその摂理を結実させる使命、即ち、真の家庭の理想を実現し、それを天地の全人類に拡大するという使命を引き受けられたのです。神様の摂理という観点からみれば、それこそがメシヤの使命であり、お父様の生涯をかけた信念であり、業績でした。お父様はその目的を実現するために多くの組織体を作られましたが、これら一つ一つの組織は、あくまでも目的のための手段であって目的自体ではありませんでした。この根本的な一点さえ理解できれば、お父様の使命は決してある宗教団体や教派を設立することではなく、神様の本来の創造目的を成就することであったということがはっきりとわかるはずです。

ところが、現在の私達の運動は、宗教団体を建設することに焦点をあてるようになり、「統一教」を神様の摂理的願いの頂点であり、最高の表現であり、従ってお父様から受け継ぐべきもの(レガシー)であるとして宣伝しています。このような取り組み方は、500巻を超えるみ言葉選集にも収録されている、お父様の生涯をかけた一貫した教えと矛盾しています。1990年代から新千年紀の初めにかけての、統一教会時代の終了宣言と平和連合組織の始まり、それに続く大規模な祝福行事から、平和大使運動の開始に至るまで、お父様は一貫して、私達の運動が古い統一教会の荷物を下ろして、真の家庭理想の実現により世界を平和へと導いていけるように指導してこられました。

宗教指導者達に対し、宗教の壁を超えよと訴え、そうした壁や境界線は、人類を神様のみ旨について無知にしておくためのサタンの策略であると強調しているのが、他ならぬお父様であることを考えるならば、現在の指導者たちのとっているこういう姿勢は、いっそう容認しがたいものとなるでしょう。お父様は、平和神経の中で一貫して「無知に完成はありえない」と警告しておられます。ですから私は、現在一部の指導者達により直接煽り立てられている私達の運動の混乱について深く憂慮しています。その指導者達は、神様の摂理と私達が重要視してきた原則と価値を放棄させるような、不和を煽る誤った情報を流すことによって説教檀を汚しています。ですから、私は兄として、今やこういった問題に取り組み、祝福中心家庭が、真の家庭の拡大家庭の一員、かつ神様と真の父母様の息子娘として、正しい先例となることができるように教育し指導する以外になかったのです。

はっきりさせておきたいことは、家庭連合、(米国)統一教会、日本統一教会その他の組織の現在の指導者達が、神様の摂理に正しく一致し、お父様のレガシーを正しく代表しているとは、私は考えていないということです。ですから、現在、私が神様の摂理的目的とお父様のレガシーを支援するために、グローバル・ピース・フェスティバル財団を通して進めている活動は、こういった組織とは直接的には何の関係もありません。しかし、それでもなお私は、常に理想家庭に根ざしたお父様の本質的な教えに賛同し、それに従って生きていきます。そして最後には、私が成し遂げることは、お父様の生涯の活動の「よき結実」となり、「神様の下の一家族」の夢を実現しようとする神様の摂理に導くようになると確信しています。

全ての祝福中心家庭の皆さん、皆さんに思い出して頂きたいのは、お父様は私達に真の愛の「主人」になれと強く勧めてこられたということです。というのは、真の家庭を創ることが天国の門を開ける鍵だからです。これが、自分が祝福中心家庭としての資格があるかどうかを判断するのに用いるべき基準です。しかし、現在統一運動の中で奨励されている文化では、信仰の最高の表現は、主人と僕の関係における絶対的服従であると強調しています。さらに、「他のために生きる」という真の愛の原理を育てるよりも、この文化を奨励している人々は、メンバーを脅かし、自分たちの計略に賛同しない長老達を人格攻撃し、さらに甚だしくは、お父様の実の息子を攻撃し、疎外することまでしています。こうした基準は、主体対象の双方を高める真の愛の文化に基づいた真の家庭理想の実現に導くのではなく、むしろ主人と僕の関係を土台とした抑圧的な文化をもたらすでしょう。

今こそ、まさに古い時代が終わって新しい時代が始まる、終末の時を迎えたことを悟らなければなりません。これこそが後天時代の背後にある意味です。1990年代の半ばから私達の運動を規定した定着時代、そして2004年の後天時代の発表を通し、そのような時代が来ることに誰しも気が付いていたと思います。私が、1998年に公的使命を始めてから、多くの経験を通して気づいたことは、多くの熱心なメンバーの精誠と投入にもかかわらず、統一運動は深刻な限界を抱えているということであり、神様の摂理の要求に応えるためには、それらの問題に取り組まなければならないということでした。そのため、私は2000年から2004年にかけて世界を巡回し、メンバー達に蕩減復帰時代の荷物を捨てて、定着時代に備えなければならないと訴えました。さらに、指導者達を正しく教育して欲しいというお父様からの緊急の要請に応えて、私は48歳以下の全ての指導者のための21日特別修練会を開催し、彼らを今までのリーダーシップ文化から切り離すために、アベルの役割の本当の意味、責任とリーダーシップ等について教育しました。

私の観点からみると、以前から今に至るまで最も深刻な問題は、私達の運動におけるリーダーシップ文化です。原則と真の愛の価値観を守り、神様の摂理に合致(アライン)した真の主人になろうとするのではなく、核心指導者達は、お父様の承認をもらうことによって自分の個人的な計画を促進しようとすることが多いのです。時には歪曲されたり、明らかに間違った報告をすることによって、自分の計画を進展させようとするので、それが祝福家庭を深刻に傷つけたり、さらには統一運動全体、特にお父様の評判を傷付けたりしてきました。そのような文化は、真の愛と奉仕するリーダーシップの文化を見せることの出来る真のリーダーを創りだすのではなく、非道徳的な政治的活動家を創りだしてしまいました。最終的には、リーダーは自分の行動に対して責任があるわけですから、利己的な理由によって変更することができない明確な絶対的原則と価値によって指導されなければなりません。政治的日和見主義者のように行動するリーダーは、明らかに非道徳的であり、全ての道徳的権威を失っています。ですから、私がいつも信じていることですが、リーダーは神様と真の父母様と真の家庭と全人類の前に、「私は指示に従いました」と主張して、自分の責任を逃れることは出来ません。むしろ常に、神様の摂理に一致した良心の声に、忠実に生きなければならないのです。

祝福中心家庭として、皆さんは神様のみ旨の主人でなければならず、それゆえに個人の生活においても、家庭や組織内の生活においても、摂理の方向に一致するとともに、個人や共同体における意思決定において、私達の原則と価値観を正しく反映するようによく考えなければなりません。リーダーであれば、責任がもっと大きく、言動に対してより大きな責任が要求されます。

平和メッセージ1で、お父様は全ての祝福家庭の願望を、ご自分の言葉でこのように表現しておられます。
「真の愛の本体であられる神様に似る最善の道が、真の愛の実践を通して真の愛の人格者になり、真の愛の主人になる道だと言いました。その道こそが、私たちも真の父母になれる道だと言いました。そうであるならば、真の愛の人生とは、どのような人生でしょうか。真の愛は、公益性を持つ無形の秩序や、平和や、幸福の根源です」

真の愛の理想とは正反対のものとして、お父様は偽りの愛を比較しておられます。
「自己中心の愛は相対を自分自身のために存在させようという願望を隠した仮面ですが、真の愛にはそのような腐敗がありません。真の愛の本質は、受けようという愛ではなく、人のために、全体のために先に与え、ために生きようという愛です。与えても、与えたということすら記憶せず、絶えず与える愛です」

私を理解しようと思うなら、お父様のこれらのみ言葉を自分のものとしなければなりません。私達の運動が知らなければならないことは、ワールド・カープの再建から始まって、新千年紀の初めの21日修練会へと繋がってゆく私の公的路程全体が、この偽りのリーダーシップ文化に挑戦し、改革しようとするものであったということです。私から教育を受けた元カープやSTFのメンバー、あるいは二世のメンバー達であれば、私が心情文化を創造することをどれほど強調したかを憶えているでしょう。真の愛に根ざした原則と価値観で私たちの運動に新しいリーダーシップ・パラダイムを立てることを可能にするのが心情文化です。最初の頃は、私の取り組みを歪曲して伝えようとする人々の働きにより、多くの一世の親たちが、私のしていることを誤解していましたが、実際に私が訴えていた内容を直接知るようになった人々は、この新しいパラダイムの主人となり、今なお私の仕事を支援してくれています。

それにもかかわらず、いつも変化に対して抵抗するリーダー達がいました。こういうリーダー達は現在の体制の下でうまくやっていたため、私のやっていることを、彼らの生存と影響力に対する直接の脅威と見たのです。彼らは自分自身の隠された意図や観点を、あたかもお父様に対する尊敬と服従であるかのように見せながら、それを傲慢にも押し付けたのです。統一運動はお父様に属するものであるから、人的物的資産の全ては、文氏一族に属するべきであるという自分の意見を、彼らは私の家族の何人かに話したのです。彼らは、自分がそう言えば、私の家族から報酬を受けることができると信じていたのです。しかし、そのように考える人々は、最終的には、それがとんでもない間違いであったことを知るようになるでしょう。私には、彼らのために祈ってあげることしか出来ません。

というのは、私が記憶している限りでは、お父様は私と私の家族に対して、この運動と資産は決してお父様や私の家族に属するものではなく、神様と神様の摂理に属するものであると、いつも強調しておられたからです。私が公的任務を開始した時も、この観点によって全ての組織を指導したり、影響を与えたのであり、そして、この観点により、私は私達の運動のリーダーシップ・パラダイムに対して挑戦するに至ったのです。そして、今この瞬間まで、その私の立場は全く変化していません。そしてこのことこそが、私の下にある組織を、神様の摂理に正しく一致するように指導し続ける理由であり、私の下にある組織を掌握しようとする企てに反対し続ける理由でもあるのです。そのようにしなければ、私の摂理的責任が失敗してしまうからです。

しかし、お父様が、2013年初頭までに、神様の主権を認める文化を国家レベルで立てる、と公的に宣言された神様の摂理的時刻表が、切羽詰ってくるのを毎日実感しています。私達の運動における現在の混乱によって、失われてしまった摂理の時間を思えば、嘆きの思いを禁ずることができません。しかし、たとえ如何なる障害物にぶつかったとしても、真の家庭の理想を実現することにより、正しい先例を立て、摂理的責任を果たすという私の決意は、誰も邪魔することはできません。その結果として、私が今選択している道を歩み続ける時に、私は決して私の受け継ぐべき伝統と、私の家族、信仰共同体から離れようとしているのではないことを、祝福中心家庭が理解してくれることがとても大切です。むしろ事実は、私がその伝統を、それを破壊しかねない人々から守っているということなのです。

ここで、神様の摂理の目的は、真の家庭理想の成就であり、神様の下の一家族という夢の実現であることをはっきりさせたいと思います。お父様は平和神経の中で、モデル理想家庭においては、父母は子女に真の愛と生命と血統を伝授すると説明しておられます。そして、そのような家庭の基準と伝統は、父母、子女、孫の三代を通して保たれなければならないと言われています。ですから、真の家庭理想を実現するのは、父母だけではできないのです。その家庭の家族全員が、最終的には各々の責任分担を、神様のみ旨に一致するように果たさなければならないのです。

これを理解することは、後天時代においてはいっそう重要です。お父様が、天正宮の奉献式の時に説明されていますが、神様とお父様が全ての祝福家庭のために責任を取られた蕩減復帰時代とは異なり、この時代は、神様と真の父母様の子女達が、天の基準を守ることによって、天一国の市民としての相応しい位置を堂々と獲得することのできる時代を意味します。言い方を変えれば、この時代は、息子娘達が、神様と彼らの両親から相続を受けるべき時だということです。それでは、その相続とは何を相続するのでしょうか?位置でしょうか?お金あるいは財産でしょうか?権力や権威でしょうか?何を相続するのでしょうか?さて、後継者を自称する人々もおれば、私達の運動の資産全ての管理を主張する人々もいます。中には私達のメンバーに対する権力と支配力を臆面もなく見せ付ける人々さえいます。皆さんは、こういうものが天の基準であり、私達が息子娘として相続すべきものだと思いますか?それとも、私達が相続すべきものはそれ以外の何かであると思いますか?

これは、私達の運動において、長年にわたって残されてきた問題ですが、現在の混乱によって、祝福中心家庭としての私達のアイデンティティー(固有性)と責任を理解する上での核心的問題として、再び浮上してきました。2000年に私は、「相続と発展」というテーマを掲げて世界を巡回し、祝福中心家庭のコミュニティーを訪問しました。私は、「お父様のレガシー(お父様から相続すべきもの)とは何ですか」とメンバー達に尋ねました。ある人は、統一教会の創始者だとか、世界平和家庭連合の創始者だと言いました。私は、確かにお父様は、そういった組織を創設されたが、その創設の背後にある摂理的動機を見ることができていないと指摘しました。先述したように、組織やプロジェクトは、目的を果たすための手段であり、それ自体が目的ではないのです。それでは何が最終目的なのでしょうか?それは、創造原理を成就しようとする神様の摂理なのです。

この意外な事実は、見たところとても簡単明瞭で、明白なものに見えますが、その当時の多くのメンバーとリーダー達はそれを見落としていました。そしてそれは今でも見落とされています。メシヤの使命とは、創造目的を成就することであり、それは人類始祖によって完成されなかった真の家庭理想を成就し定着させることであるということを、私たちの観点として憶えておかなければなりません。原理的観点によれば、復帰されたアダムが、その真の家庭理想の成就に向かって出発し、導いていきますが、彼一人では真の家庭を確立することはできません。彼に協力して、理想家庭に対する神様の期待を全うし、「平和理想世界王国」を建設しようとする家庭がなければならないのです。

したがって、その家庭の一人一人が、神様の摂理的期待に一致して、各自の責任分担を受け入れ、自らのものとし、成就することのできる個性真理体とならなければなりません。この過程は、操作されたり、強制や脅しによってなされるのではなく、神様のみ旨に自然屈服し、個人の5パーセントの責任分担を果たすことにより起こらなければなりません。そういう意味で私は、自分の個人としての責任分担が何であり、長子としてどのような模範となるべきかについて、はっきりと理解していますし、私がその責任分担を全うすると信じて頂きたいと思います。ところで皆様は、祝福中心家庭としての自分の責任分担が何であるのかはっきりと理解しておられるでしょうか?

この声明文全体を通して、私は皆さんが、祝福中心家庭として、「拡大された真の家庭」の家族の一員であると何度も述べてきました。そのように繰り返してきたのには理由があります。それは、真の家庭理想を実体化することにおける極めて重要な役割を、私の他の家族と同様に、皆さんも持っているからなのです。私が「真の家庭」と言う時に、それが私の兄弟姉妹や親族のことを言っていると思いますか?私達はそこまで傲慢になることはできません。真の家庭に対する期待は、人類が創造される前から存在していたのであり、その期待は今も変わっていません。私達はその期待を全うし、栄誉を手にすることもできますが、それは全面的に私達次第であり、祝福中心家庭のコミュニティーに関して言えば、それは皆さん次第だということです。究極的には、真の愛と恒久平和の世界、神様の下の一家族という神様の夢を真に成就した世界は、モデル理想家庭の基盤の上でのみ可能です。ですから、私達全員が、神様の理想家庭の正しい基準と伝統を相続し、体得し、実体化する責任があるのです。

皆さんがそのことに気が付くかどうかに関わらず、皆さんは祝福中心家庭として、「後天時代」に相応しい、真の愛、生命、血統の先例を打ち立てなければなりません。それが栄誉を受けることのできる道です。「統一教」やそのリーダー達が、あるいは他の誰かが、皆さんの祝福中心家庭としての資格を決定したり、否定したりできると考えてはいけません。その栄誉に与ることができるかどうかは、皆さんの双肩にかかっているのであり、天のみ旨に一致した皆さんの努力と善なる行いによって量られるのです。たとえどのように強制されたり、操られたり、脅迫されることがあっても、皆さんの良心と、私たちの運動の原則と価値に反することをしてはなりません。

皆さんは、拡大された真の家庭の家族の一員としてのアイデンティティーを決して忘れてはなりません。私達の運動が、真の愛と生命と血統という真の家庭理想を実体化して拡大することにより、この混乱した世界にビジョンを提供しなければならないこの時に、その運動の焦点が、単なる盲目的服従を最高の倫理とする宗教団体を建設することに変わってしまったのです。私たちの信仰コミュニティーが、「ために生きる」という最高の精神的理想を実践して、団結しなければならない時に、憎しみと不信と恐怖を促進する、利己的で非道徳的な政治的環境のため分裂が生じているのです。これは方向性を喪失し、創設当初から標榜してきた原則と価値やビジョンよりも、権力と支配を重視するようになった運動の持つ兆候です。

今や、私達の運動に属するいくつかの教会組織は、神様の摂理と原則と価値を放棄してしまいました。私達をより大きな「拡大家庭」と見るならば、これらの組織のリーダー達は、彼らの独善的で強引なやり方により、家族を一つに結んでいた聖なる信頼の絆を破ったのです。彼らはお父様と皆さんの前で、周到な嘘と歪曲により自己の行為を正当化し、私とお父様、そして皆さんとの間を裂いたのです。私は、多くの皆さんが、早く私がお父様とお会いして、私達の運動の歴史における恥ずべき時期に終止符を打つ日が来ることを祈っておられることを知っています。それは私も同様であり、私も再びお父様と抱擁して、昔のように胸襟を開いて話をすることのできる日を切望しているのです。

しかし、それを可能にするためには、皆さんが拡大家庭の家族の一員として、そのような出会いを可能にする道を開くように助けて下さらなければなりません。これらの組織によって実施された人格殺人ツアーにより、何年にもわたり明らかな嘘と歪曲が撒き散らされた後ですから、私がお父様と会うことが簡単なことだなどという甘い考えを持たないで下さい。もう一つ知らなければならないことは、これらの組織のリーダー達は、私に帰ってきて欲しいと思っていると主張していますが、実は絶対に帰ってきて欲しくないと思っているということです。既に良識の一線を越えてしまった彼らは、私が戻ることを自分達の体制に対する深刻な脅威と考えているのです。その結果、彼らは、否定的宣伝キャンペーンのために、あらゆる手段を動員して、お父様との出会いに「毒を注ごう」とするでしょう。皆様が、私達の運動における現在の危機に対して、深く責任を感ずる神様の息子娘(兄弟姉妹)ではなく、伝えられることをそのまま盲目的に受け入れる、従順な僕であり続ける限り、私がお父様との間に、心からの、純粋な出会いの場を持つことは困難になるのであり、そのような出会いが起こることも難しくなります。しかし、たとえそうであっても、私はもう一度お父様とお会いし、皆さんとお会いできる日を切望します。

親愛なる統一運動に属するメンバーと祝福中心家庭の皆さん、結論として、皆さんが知らなければならないのは、今は終末の時であり、羊と山羊とが分けられると喩えられている審判の時であるということです。当初に述べたように、今は新しい時代の夜が明ける、偉大な約束の時でもあります。私達の縦的な真の父母である神様は、真の愛と生命と血統を実体化した理想家庭を通して、父母の心情で全人類をかき抱きたいと切望しておられます。ですから、真の家庭理想は、「統一教」も含む全ての宗教と文化に影響を与えることの出来る普遍的な願いであり、天と地の全ての人類に感動を与えるものなのです。究極的には、神様が子女達と再び一つになることができるようにし、平和理想世界の基盤を創ることによって、神様の心情を解放して差し上げなければなりません。

このような理由から、私はグローバルピースフェスティバル財団の仕事を継続して拡大していきます。それは、神様の下の一家族のビジョンを実体化し、超宗教のパートナーシップに具体的な影響を及ぼし、家庭を強化し、奉仕文化を促進します。世界各地で、GPFFがプロジェクトに着手する度に、実際に驚くべき実績が成し遂げられています。普遍的な精神的原則と共有された価値観により、GPFFはパートナーシップの基盤をつくり、純粋に超宗教的な方法で、共同作業を進めています。それは特定の宗教団体の宗教活動でも支部でもありません。私は、この偉大な事業を進めながら、神様の下の一家族という夢に共鳴する多くの人々や組織を、神様が準備しておられることを発見し、常に感動させられています。

私は自分の心を決めました。私は神様のみ旨に対する私の決意を全うします。皆さんはどうでしょうか?もしも皆さんの人生を、神様が導いておられると感じておられるならば、是非熱心に祈って、神様が自分に何を期待しておられるかを尋ねることを強く勧めます。神様がこれまで皆さんをずっと導いてこられたのは、皆さんが完全に従順な僕になるためだったのでしょうか?それとも、神様は皆さんを息子娘として抱きしめることを切望していらっしゃるのでしょうか?

神様の心情を感ずれば、皆さんはじっと座っていることができません。神様の摂理は皆さん一人一人が立ち上がって、責任を果たし、「神様の下の一家族」を創るという夢の真の主人となれと呼びかけています。混乱の時代を「リード」するこのチャンスを掴んで、真の愛と生命と血統に根ざした「拡大された真の家庭の家族」として、祝福中心家庭の正しい先例となりましょう。選択するのは皆さん自身であり、皆さんにしかできません。後天時代において、神様が召命することの出来る、精神的に成熟した息子娘となり、この混乱した世界を平和にし、地上天国を実体的に成就しましょう。

神様が皆さんと皆さんの家庭を祝福し、憶えて下さいますように。

文顯進 拝

2011年11月26日
全祝福中心家庭に送る顯進様の公開書信

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