第5章では、顯進様のアジェンダとは何か? 今、顯進様はどのような実りをもたらしているのか? について見ていきます。
1.真の父母様と真の家庭の摂理的位相と価値を守った
顯進様は、真の父母様と真の家庭の摂理的位相と価値を守ったということを、私たちが正しく知らなければなりません。
顯進様は『コリアン・ドリーム』という本を2014年に出版されましたが、その冒頭ページには「この本を一生涯、コリアンドリームの実現を目指してきた父、文鮮明総裁に捧げます」と書かれています。
集会の時にある食口が、「顯進様、なぜ、真の父母様の下を離れるしかなかったのか、その理由を話されないのですか?」と尋ねたとき、顯進様は一言で「真の家庭を守るためだ」と語られました。
顯進様は長きに渡り沈黙されてこられました。
しかし、顯進様はある時、こう語られたのです。
お母様は昔からあのようであったのではない。
顕進様
本然の真の母の姿を覚えておられ、再びそういうお母様になられるはずだと信じていらっしゃるのが、顯進様です。
お母様の問題を2014年4月に話された時にも、「私はこのことを墓場まで持っていくつもりだった」と語られました。できれば誰も知らない中で、お母様との一対一の関係の中で、独生女という誤った信仰を正して、一つになる道を模索したかった顯進様です。
本当は墓場まで持っていきたかった。しかし今、お母様が歩む道の先には崖が待っている。その崖から放っておいたら落ちてしまう……。
本当にお母様を思う孝行息子であるのならば、「お母様が行きたいように行って崖から落ちてください」と言うのではなく、腕を掴んででも「お母様、そちらに行ってはいけません、それは違います」と、言わなければなりません。
また、顕進様は次のようにも語られました。
お父様を裏切った者は、お母様をも裏切るだろう。しかし私は、どこまででもお母様を追いかけていく
顕進様
当時、お母様がお父様とは別の道を行こうとされていた時、幹部たちは一様にお父様を裏切ったため、お父様は最期、とても孤独でした……。
その統一教指導部は、お母様の最期の時に、それでもお母様を愛し、お母様に従っていくのでしょうか? 彼らはまた裏切るでしょう。しかし顯進様は、どこまででもお母様を追いかけていきます。
このまま霊界に行かれたら、とんでもないことになる。お母様を救うのだ。
顕進様
今、お母様が語られるその言葉を通して、私たちは真の妻の愛の先例、モデルを見出したいのです。お父様がどのようにお母様を愛して来られたのか、お母様がどれだけお父様を愛していらっしゃるのか、その記憶をお母様は持っておられます。
しかし途中から独生女の信仰が入ることで、お父様に対する観点が変わり、お母様の言動が変わって行かれました。
「お母様を勝利したお母様にして差し上げるのだ」と、必死な顯進様です。
顯進様は7年間、とりなしの祈祷をして来られました。しかしある時、顯進様は「私はこれ以上、お母様と真の家庭を守ることはできない」と語られたのです。それは裏を返せば、それまで守ってこられたということでした。
サンドバッグのようになりながらも、「真のお母様の責任は私の責任です。國進・亨進の責任は私の責任です。私を打ってください。もう少し待ってください。必ず彼らが本然の姿に立てるように私が致しますから」と……。
顯進様の歩みは "十字架路程" と表現されます。自分の罪ゆえに打たれるのではなく、他者の罪を自分の罪として代わりに打たれてあげる。それが十字架路程です。顯進様が歩んでこられた道は、そのような茨の道でありました。
顯進様はご自分の家庭も、素晴らしい家庭を作っておられます。ご自分の子女を育てるにおかれても、文顯進の子女として一切 尊重されない、とても厳しい士官学校に子供を送られました。そこは極めて高いレベルでの文武両道が求められる、超エリート校です。顯進様は、そこに三人の男の子女様全員を送られました。
顯進様のご長男は最優秀で卒業されたのですが、優秀であるほど危険な地域へと送られます。アフガニスタンに派遣され、そこで一年間、周囲の村々の人々にボランティア活動をされ、人々と一つになられ、そこでは一切、事故が起こりませんでした。
一年間を通して死傷者を出さなかったということで、勲章まで授与されました。 (参考記事:文信元様のスピーチ)
摂理の方向性は明確でありました。統一教会から家庭連合、そしてUPFへと。平和神経第一章のタイトルにあるように、神様の理想家庭建設・平和世界王国建設をしていくのが、摂理の方向性です。これに従って、顯進様は動いておられます。
2.神様を中心とした家庭に基づく平和世界
顕進様は お父様の志を受け継ぎ、「神様を中心とした家庭」に基づく平和理想世界を実現しようと奮闘されています。すなわち「神様の下の人類一家族世界」の創建です。
「神様の下の人類一家族世界」に対する説明は、下記をご覧ください。
3.国と宗教を超えたグローバルな平和運動
顯進様の超宗教的平和運動の最大の特色が、「神様の下の人類一家族世界」というビジョンです。このビジョンの力が、平和運動の根源となっています。
昨今の全世界的な問題は、その根本原因に「アイデンティティの衝突」があります。宗教・人種・国家間の衝突、身近には日本・韓国の間に 嫌韓・反日という問題があります。
お父様は人と人を隔てる壁を撤廃しようとされていました。心の中の国境線をいかに撤廃するのでしょうか? それは「神様の下の人類一家族世界」というビジョンを共有することです。
「神様が我々の共通の親である」「(創造原理で教えている)二性性相の神を信じる」と言うことは、私たちは同じ根源(=神様)から出てきた一つの家族ということになります。銃口を向けている相手が自分の兄弟だということを気づかせることによって、これ以上の惨事を未然に防いでいくのが、このビジョンなのです。
ケニアでは、顯進様に関して「文鮮明氏の息子だから関わらない方が良い」と言われても、「自分の目で確認する」として 顯進様に会った方がいました。
「あなたのアジェンダは何ですか?」と尋ねられた時、顯進様の答えは「私にはダブルアジェンダはない。」「私の唯一のアジェンダは、神様の下の人類一家族世界というビジョンである。これは私のためのビジョンではなく、神様のためのビジョンであり、神様の夢である」と返答されました。
そして「イエス様が成そうとされた神様の夢を実現するために、一生涯、努力して来られた方が私の父であり、私はその夢を相続して人生をかけて歩んでいる。あなたも同じ夢を持って欲しい。あなたもこの運動に協力して欲しい」という顕進様の熱意に、その方の心は動かされたのです。
その後、多くの国家責任者が関わり、ケニアでの大会は大成功を収めました。ナイジェリア、マレーシアでも同様です。
このように、「神様を四位基台の中心におく」ことで、アイデンティティの違いを克服して一つとなることができます。
世界人口の80〜90%が何らかの宗教を信じていますが、そのリーダーたちが手を取り合い、神様の下の一家族・為に生きる文化を築くことができるならば、地上天国は実現可能なはずです。
パラグアイでは、最も貧しい地域の社会変革に成功しました。これは南北統一の実現に向けて、北朝鮮のようなところを如何に救うかというモデルにもなります。
パラグアイで行われた社会変革活動の結果、2014年に行われた大会には1000名(他の国を合わせれば3300名)を超える国家指導者が参加するようになり、国家的勝利を挙げました。「元」ではなく、「現職」が多く参加したのです。
韓国の南北統一運動においては、市民社会による草の根運動を促進しています。一般市民が北朝鮮の人々を愛する心情を高めるプロジェクト、北朝鮮の人々に食糧を提供するプロジェクト、韓国の若者の意識を向上させるプロジェクト などです。
そして2012年8月にソウルの汝矣島で行われた大会には、動員された人々ではなく、日ごろから南北統一に関心を持ち活動している2万名の人々が参加しました。
ちょうどその数日前(2012年8月15日)、すぐ近くの病院にお父様が入院しておられることを知った顯進様が、お父様の集中治療室に行き、涙ながらに祈られました。
「お父様、顯進です。…天の摂理のために頑張って下さい。目を開けてください。韓国と全世界でお父様の夢を叶えて差し上げるために大きな基盤を作っています。早く元気を出して治ってください。」
「私がどのくらいお父様に会いたかったかお父様はご存じでしょう。」
「私の心は変わっていません。お父様と通じたい気持ちで一杯です。」
「お父様は必ず生きなければなりません。だから早く元気を出してくださり、治ってください。…お父様!」
お父様はこの時、顯進様の手を握り返されたといいます。おそらくお父様はその時、声なき祈祷で、顯進様に多くの内容を託されたことでしょう。
数日後、顯進様は大会を勝利され、勝利の報告を誰よりもお父様にされたかったはずです。しかし病院を封鎖されて、二度と会うことはできず、お父様は聖和されました……。
その後、顯進様は地獄の底の心情を通過され、それでも歩みを止めずに勝利されて行かれます。
顕進様が2014年に韓国で開催された 平和のための国際会議においては、400余りの市民団体の参加、政府機関の後援、スポンサーの経済支援、現職国会議員の参加、22カ国の外交官・大使の参加 がありました。VIP紹介は延々と続く程でありました。
VIPたちは「南北統一にとても功績のあった文鮮明師の息子が、今、こうして南北統一を推し進めている」と顕進様を賞賛しました。韓国社会の経済界・宗教界の大物が多数集結した会議にて 講演を行われた顕進様の姿が、翌日の新聞で大きく掲載されました。
また、最も統一教会を迫害したキリスト教団体の責任者も参加していました。彼らは顯進様に対して「今まであなたは誤解されていましたね。これからは私があなたとキリスト教の間の架け橋になりましょう」と語ったのです。
顯進様が書かれた『コリアン・ドリーム』の本は、韓国の大型書店のベストセラーになりました。
「コリアンドリーム」とは、朝鮮半島だけに限定された思想ではなく、
弘益人間 - 広く世を益する
済世梨花 - 世界を真実にする
以道興治 - 原則に基づいて統治する
光明伊勢 - 世界を啓発を通じて統治する
といった、韓国の伝統哲学を基にした、世界平和への道標です。
なお コリアン・ドリームは、読書新聞創刊45周年記念 2014大韓民国出版文化芸術大賞(社会部門)にて「今年の本」に選出されました。
2015年はお父様の聖和3周忌、そして韓国独立70年であり、国民の意識を大きく変えるべき一年でした。特に文化(K-pop)を通して若者を変える必要がありました。
「南北統一をテーマとした大コンサートを開催し、若者たちの心に火をつける!」そのビジョンに共鳴した多額の寄付をする人物が現れたのです。多くの市民社会団体の人脈を活用し、韓国の超一流プロデューサーや超一流 K-Popスターらが参加。このプロジェクトは3万名以上の若者を集め、大成功を収めました。
そのミュージックビデオには、大物 K-popスターらはもちろん、韓国統一省の長官、与党の党首、野党の党首(当時)も登場しています。 その映像はこちら
コンサートの様子は、韓国の大手TV局でも大々的に放映されました(出演アーティスト25組、メディア報道3597件)。2015年10月25日には、TVドキュメンタリー放送も行われています。
4.最後に
最後に、祝福家庭に向けて語られた顯進様のみ言を紹介します。
我々の運動は真実に関する運動でした。いつ我々は真実が大切でなくなってしまうところまで、変わってしまったのでしょうか?
我々の運動は正義に関する運動でした。間違った世界を正しい世界に変える運動でした。正義はどこにありますか?
我々の運動は、神が人類創造の初めに立てた永遠なる原理と価値に一致させる運動でした。原理です! そのような原理は一体どうなってしまったのですか?そのような価値観は一体どうなってしまったのですか? 『アベルの位置に立っている我々の運動は、カイン型世界のために生きなければいけない』と お父様は我々に何度も何度も教えられました。
いつ、そんなにも自己陶酔で自己中心的なものになり、外の世界に対する責任を無視したまま、自己に対するうぬぼれの中で(力を)浪費するようになったのですか? いつ我々はこんなにも変わってしまったのですか? 皆さんはもう一度、真実を探す人、正義の人、原理に生きる人、天の永遠な価値を守る人にならなければなりません。
皆さんはサタンの讒訴圏を越え、摂理を前進させられる正統な息子娘だと神が主張することのできる人々になる必要があるのです。 お父様が霊界におられる今、神のためだけでなく、真の父母様と真の家庭の正しい遺産を具体化するために、なぜなら今進んでいる方向は真の父母様の遺産ではなく、真の家庭の遺産でもないから…。
これからこの時代に、混乱の時代に、祝福家庭として我々が何者なのかという根本的アイデンティティを維持する真の息子と娘がいなければなりません。 特に終末において、『死なんとする者は生き、生きんとする者は死なん』という言葉には真実があります。
私が天のお父様を捨てますか? 私がお父様の遺産を放棄しますか? 私が全人類に対する我々の責任を放棄しますか? それで自分が楽に生きられるようにと…。十字架の重荷を背負う必要がないようにと…。
私は決断しました。天のお父様と約束したからです。私は息子として、お父様に永遠の誓いを立てたのです。どんな試練と困難に直面しようとも、私は決して‼神の摂理を諦めないと…。決して‼ 真の父母様と真の家庭の真なる遺産を放棄しないと…。私がどんな十字架を背負うことになるとしても…。
2008年に私は首(命)をかけました。私の家族と私について来ることを選んだ者たちも…。我々は神を見捨てない故に…。我々は真の父母様を見捨てない故に…。我々は真の家庭の理想を諦めない故に…。我々は理想を諦めない故に…。
お父様には肉体がありません。お父様を恨から解放して差し上げることができるのは、我々しかいません。
2014年9月28日 顯進様
このようにして神様の摂理の道を守ってこられ、本来 祝福家庭が果たさなければならない責任を果たしてこられたのが、顯進様です。
筆者は以前、「真の父母様の下に残らなければならない」と言って顯進様に石を投げつけていましたが、顯進様に直接出会った時、真の父母様に対する真実の愛を感じることができました。嫌われ迫害され、捨てられても、それでも愛し為に生きようとするのが、真の愛です。私は顯進様の中に そのような姿を見ることができました。
「私は、神様とお父様の願いを どれだけ果たしてきたのか?」 それを自問自答した時に、顯進様は誰もできないと思っていた南北統一のために動かれ、市民団体を組織し、これだけ統一教会(家庭連合)が反対し批判しても、このような基盤を作って来られました。
そして今、祝福家庭に両手を広げ、この基盤の上に乗って良いと、そして本来果たすべきであった摂理的使命を果たしなさいと、門を開いてくださいました。
顯進様が「お母様を救うことができるのは祝福家庭なのだ」と仰るのは、顯進様とお母様の二者間だけでは解決できない問題があるからです。お母様を本当に愛し支える祝福家庭であれば、お母様が真の母の位置へお戻りになられるよう、最大限の努力をしなければなりません!
神様と真のお父様が摂理的長子として立てられた顕進様。その顯進様と一つになり、顯進様がお母様を背負って摂理の道を歩むことができるよう、私たちが正しい選択をする必要があります。
この天宙史的葛藤の背景には、摂理的長子を潰し、追放しようとするサタンがいました。だとすれば、その解決方法は、我々が長子と一つになって、真の家庭を一つにまとめる道を作っていくことではないでしょうか?
天が我々に願われている「祝福家庭の責任分担」を、今一度 思い起こす必要がありそうです。