事必帰正

第6章 「独生女」の真実と嘘

真のお父様の聖和以降、さらに深刻化した 不和と葛藤の根本について

第6章 序文

2009年3月の「束草偽造霊界報告書」事件以降、お父様までも利用する教権の不正に、到底従うことができなかった顯進様は、神様のみ旨と摂理のための自主的行動に出られました。これに対し、家庭連合は「真の父母様のみ言葉に不従順であった息子」という汚名を着せ、顯進様に無分別な人格殺人を強行しました。そればかりか、訴訟を起こすこともためらわず、顯進様の行く手を阻み、力づくで跪かせようと、ありとあらゆる力を注いだのです。

その間、私は神様は生きておられ、神様とお父様は常に共にあるという信仰から、こうした惨状は決して長くは続かないと信じていました。

前述したように、全てが事必帰正で整理されるだろうという希望を、また、お父様の生前に歴史的な基元節を勝利でもって迎えるという希望を、最後まで捨てなかったのです。

しかし、原理講師であった私も看過していたことがありました。神様の摂理における人間の責任分担の基本原則は、お父様とお母様、そして真の家庭も避けることができないということです。統一家に起こった天宙史的葛藤を見つめる神様の「法」と、私の「法」が違うということだったのです。

以前にもこうしたことがなかった訳ではありませんが、2009年後半からは、お父様がお母様の誤った考えと振る舞いを強く叱咤される姿がたびたび見られました。公式行事においてさえ、お父様が不快感を表されることが多くなったのです。

そうして、2012年9月3日未明、誰も予想だにしなかったことが起こりました。お父様が享年92歳で、地上の生を終えられたのです。

それは、7月16日、米国より帰国してから1ヵ月半後のことであり、肺炎でソウル聖母病院に入院されてから、約1ヵ月後のことでした。基元節以前に地上での生を終えることは、決してお父様のご意思ではありませんでしたが、再臨のメシヤであるお父様でさえも、訪れる運命を変えることはできなかったのです。

統一家の悲劇が頂点に達する中、突如として起こったお父様の聖和は、これまで、混沌として見分けがつかなかった善と悪、真実と偽りとが明白に分かれるきっかけとなりました。不義な勢力がそれ以上、お父様を欺くことも、お父様を利用して食口たちを欺くこともできなくなったからでしょう。

お父様の聖和と、統一家でその後展開される、呆れて物も言えないような事件を通して、結局、天宙史的葛藤を起こした張本人たちの正体がはっきり現われるようになりました。同時に、誰が神様のみ旨と摂理と一つになっているのか、誰がお父様の後を継ぎ、摂理的責任を担っていく中心人物なのかが現われるようになりました。

「この争いは長続きしないだろう」と顯進様は言われました。お父様を失って悲しみに沈んだ私としては、当時、お父様の聖和が神様の摂理を立て直す劇的な転換点になろうとは、思いもよりませんでした。

真のお父様の聖和

集中治療室での父子の再会

2012年8月15日午後4時30分、ソウル聖母病院の集中治療室で、顯進様はお父様と劇的な再会を果たしました。

8月初め、韓国に入国し、ソウルでGPFの行事と世界平和会議の準備で、多忙な日々を過ごしていた顯進様は、15日午前、青天の霹靂のような知らせに接しました。お父様が集中治療室に入院しておられ、容態がとても危険だというのです。GPF行事の開幕を2日後に控えていた時でした。

お父様が風邪で体調を崩しているといった知らせは聞いていましたが、集中治療室におられるとは想像もつかないことでした。残念なことに、誰もその事実を顯進様に知らせなかったのです。顯進様に随行していた金慶孝氏がソウル市内の病院をくまなく探し回り、尋ね歩いた末に、カトリック大学のソウル聖母病院で金孝律氏を見つけ、そこにお父様が入院しておられることを突き止めたのでした。奇しくも、顯進様が滞在している宿所から、わずか数百メートルの場所でした。

米国から帰国したお父様は、7月16日から風邪でひどい咳が続き、そのうち肺に問題が生じたといいます。敗血症と肺不全でした。

お父様の入院の事実を知った顯進様ご夫妻は、担当主治医と連絡した後、お父様がおられる病院に駆け付けました。顯進様が来るという知らせに、集中治療室の前には、鄭元周氏を含め、お母様から送られた何人かが立ちはだかり、顯進様を制止しようとしました。「お母様に先に会いなさい」という話にもならない言い分でした。しかし彼らも、悲痛な表情を浮かべ、集中治療室に入って行こうとする顯進様を阻むことはできませんでした。

集中治療室の奥に横たわるお父様の姿を目にした瞬間、顯進様は熱い涙をこぼされました。まさにその瞬間まで、顯進様は言葉では言い表せない心の苦痛と痛みを経験しなければなりませんでした。子供のように純粋な心情で臨んだ摂理の道で、悲痛な傷を負い、それを癒しながら、時には深い山奥に入って天を掴み訴え、涙しながら、夢にまで懐かしく思い描いたお父様にお会いするまで、3年もの間、まっ暗なトンネルの中を、休むことなく通過してきたのです。

激しい心情を鎮めながら、顯進様は眠っておられるお父様の手を握りしめました。そして、真っ先に伝えたかった言葉を静かにささやかれました。

「アボジ、顯進です。アボジ! 天の摂理のために元気を出し、早く起き上がってください。私は今、韓国と全世界にアボジの夢を果たすための大きな基盤を作っています。アボジ、早く元気を出して起き上がってください」

今にも溢れそうな涙を堪えて、お父様の手を握り、切々と言葉をつなぎました。

「私の心は、昔も今も変わりません。アボジにお会いしたい思いがどれほど切実だったかご存知でしょうか。アボジ、必ず生きてくださらなければなりません。早く元気を出して起き上がってください、アボジ……」

お父様は、聞き慣れた息子の声が聞こえたのか、顯進様の手をぎゅっと握り返されました。顯進様がお父様を呼ぶ度に、握りしめた両手から、お父様の切実な思いが伝わりました。

ちょうどそこへ、國進様ご夫妻と亨進様ご夫妻が病室に入ってきました。随行員たちが顯進様を制止できないと見るや、はやる思いに駆られ、急いで駆け下りてきたのでしょう。

「もうそれぐらいにして帰ってください」

お父様の病床の隣に座した顯進様の後ろ姿を見守り、しばらくたたずんでいた國進様がそう言いました。

「邪魔をしないで、しばらく静かにしていてくれ」

顯進様は静かにたしなめ、もう一度、お父様のほうを向き直って言葉を続けました。

「アボジ、多くの人々がアボジのために祈っています。元気を出してください」

「もういいでしょう、帰ってください」

國進様はまた、急き立てました。

「騒ぎを起こしに、ここに降りて来たのか?」

3年ぶりに病床のお父様を訪ねた場にまで立ち入り、妨害しようとする弟に、顯進様は失望感を隠せませんでした。國進様とのやり取りが続きました。顯進様の忍耐を試すかのように、その不遜な物言いは度を越えていました。集中治療室で國進様とそれ以上の騒乱を願わなかった顯進様は、お父様にまた会いに来ることを約束し、病室を出て行きました。

30分にもならない短い時間。それがお父様との最後の出会いになろうとは、夢にも思わなかったことでしょう。

ソウル聖母病院を訪問した顯進様は、集中治療室に向かう前、先にお父様の主治医に会っていました。お父様の健康状態を確認するのが何よりも重要だったのでしょう。

「お父様の状態を正確におっしゃってください」

「確率は50対50です。最善を尽くしていますので、余り心配なさらないでください」

お父様の入院について押し黙っていた統一教は、顯進様が集中治療室のお父様と再会した後から、食口たちに事実を知らせるようになりました。噂を聞いて駆けつけた食口たちに、顯進様は主治医の所見を聞かせ、お父様の健康回復のために精誠を立てることを呼びかけました。お父様を他の病院に移さずに、完全に回復されるまで、続けて治療を受けられるようにお願いしたのです。

「アボジが成されなければならない重要なことが残っています。今、霊界に行かれることは、あってはならないことです」

病室の前を阻んだ私設警護員

南北統一の運動に火を付けた韓国GPF行事を成功裏に終わらせた後、顯進様はこの喜ばしい知らせを、最初にお父様に伝えることを願われました。如何なる状況にも屈せず、お父様のみ旨を果たして行こうとしている息子がそばにいることを、知らせたかったのです。神様のみ旨であり、お父様の生涯の悲願であった南北統一の口火を切った行事成功の知らせに、お父様は間違いなく力を得られるはずでした。

わずか1年前、顯進様が南北統一運動をGPFの最も重要な事業にしようとした時、人々は皆、時ではないと言いました。昨今、統一に関心を持つ人々は余りいない、GPFのためにはむしろ福祉関連の活動をしたほうがいいと言っていました。その時、顯進様はこう言われたのです。

「統一はGPFのためにするのではありません。神様のみ旨であり、私の父の夢なのです」

2011年8月のモンゴル大会に続き、11月に韓国で開催されたGPC(Global Peace Convention)において、顯進様は「コリアンドリーム」のビジョンを発表しました。それから半月後、金正日総書記が死去し「統一」は韓半島を越え、世界最大のイシューに浮かび上がりました。

民間レベルの草の根運動を推進する組織を構築するのに1年を準備し、その最初の実りを、2012年の韓国GPF大会の時に収めようとした顯進様。時流に便乗せずに天意を選んだその先見の明は、お父様の全盛期を見るようでした。

8月15日、ソウル聖母病院の集中治療室でお父様と劇的な再会を果たして以降、顯進様はGPF行事のただ中においても、毎日担当医と電話しながら、お父様の健康状態を確認しました。集中治療室におられるお父様を拝見し、いくつにも心が引き裂かれる痛みを覚えながらも、その痛みを胸に抱いたまま、渾身の力を込めて行事を主管されました。

8月17日午後6時、ソウルグランドヒルトンホテルの4階コンベンションホールで、いよいよ2012韓国GPF大会の開幕を知らせる歓迎行事が開催されました。李基澤前民主党総裁、フィリピン・カトリック教会のガウデンシオ・B・ロサレス(Gaudencio B.Rosales)枢機卿、エニ・ファレオマバエガ(Eni Faleomavaega)米連邦下院アジア太平洋小委員会委員長、マイク・ホンダ(Michael Makoto Honda)米連邦下院議員を含めた400人余りの国内外の指導者たちが参加した盛大な集会でした。李基澤会長の大会の辞に引き続き、顯進様は基調演説を通して、統一韓半島のビジョンの重要性に言及しました。

「統一韓半島は歴史的、または政治的利害のような利己的動機ではなく、人類の安寧とより大きな善のために行動しなければなりません」

8月18日には、韓国内の保守陣営と進歩陣営を網羅する統一運動団体が一堂に会する中、南北韓の統一を促す統一宣言文が発表され、翌8月19日午後6時からは、ヨイド漢江市民公園特設舞台で<2012統一実践祝祭ハンマダン>が開催されました。本来、「水と光の舞台」を使用する予定でしたが、ちょうど梅雨で漢江の水位が上昇し、安全性の問題が生じたため、公園中央にさらに大規模な特設舞台を設置することになりました。これもまた天の助けでした。

汎市民団体、ウリ民族助け合い運動本部、韓国GPF財団など、計327の団体が共に参加する「統一を実践する人々(統一天使、AKU)」が共同主催して、統一部と外交通商部が後援した行事には、2万名余りの市民たちが参加し、南北統一のための汎国民的な実践を決意する祝祭が開かれました。

この日、顯進様は他のどの時よりも力強いメッセージを語りましたが、「TV朝鮮」のチャンネルを通して生中継されたこの時の演説は、感激そのものでした。「統一運動の歴史にこのような日が来たのだ」という思いに、涙を流す食口は一人、二人ではありませんでした。その姿から、私は37年前、ヨイド広場の「救国世界大会」で熱弁をふるわれたお父様を思い起こさずにはいられませんでした。韓国最高峰の指導者たちと国民の前に、堂々と明かされた顯進様のメッセージは、歴史に記録される内容でした。

「父が天から授かった『神様の下の人類一家族』のビジョンは、韓民族の遠大な夢を実現する道しるべになるでしょう。弘益人間の思想は韓民族のみならず、世界平和のモデルとなる統一国家の精神なのです」

公式行事を済ませた顯進様は、再びお父様にお目にかかることを願いました。顯進様がおられたところと、お父様がおられた病院との間は、わずか5分ばかりの距離。しかし、そこには38度線よりも厚い障壁が横たわっていました。彼らは何を恐れているのか、息子が父親に会いにいくことすら承諾しなかったのです。

数日後の8月28日、待つに待ちきれず、顯進様がお父様の病室を直接訪問しようとした際、お母様側は極めて理解しがたい行動をもって、顯進様の訪問を阻止すべく、実力行使に出ました。集中治療室の入口に私設警護員を配置し、顯進様の進入を完全封鎖したのです。金孝律氏は「お母様の許可を受けた者以外、誰もお父様にお会いすることはできず、そのための法的措置も施してある」という言葉まで伝えてきました。

台風15号「ボラヴェン」の影響で強風が吹きつけた8月28日夕方、顯進様は病床のお父様に再びお目にかかることができないまま、後日の再会を約束して、寂しく韓国の地を発たなければなりませんでした。その日、食口たちにこんな言葉を残されました。

「真っ暗な統一家を明るく照らす光になりましょう」

遺族名簿から除外された長子

顯進様が韓国を発たれた数日後、お父様はソウル聖母病院の集中治療室から、清平修練院内の清心国際病院に移送されました。

全世界の真の家庭と祝福家庭が、お父様の快癒を祈りましたが、天はこれ以上、ご自身の高貴な息子がこの混濁した地上に横たわっておられることを良しとされなかったのでしょう。

2012年9月3日未明、1時54分、お父様は享年93歳(かぞえ)で聖和されました。

それはご自身が予定された基元節まで、わずか5ヵ月を残してのことでした。

全世界が偉大な霊的指導者の他界を悼みました。

真の家庭をこの地に定着させ、この民族を神様の国として統一させるその夢と願いを成しとげることができずに逝かれたことに、私も胸が張り裂けるような悲しみと申し訳ない思いで一杯でした。

さらに当時、聖和の衝撃から覚めやらぬ前に、再び大きな衝撃に見舞われたのです。

9月6日朝、朝鮮日報を含めた各紙の朝刊に、真のお父様の聖和式を知らせる紙面広告が一斉に掲載されましたが、顯進様のご家族だけが丸々除外された遺族名簿が発表されたのです。胡麻粒のような文字で、全ての遺族と聖和式委員たちの名前が書かれていましたが、顯進様家庭の名前はどこにも見当たりませんでした。

顯進様は、お父様の長子権を相続した、地上に残された長子です。

厳然と喪主の役目を引き受けるべき方です。

ところが、聖和委員長・文亨進の名で発表された公告文は、顯進様のご家族全員の名を意図的に省き、真のお父様の遺族として認めない立場を統一教の内外に明かしました。

天倫と人倫を著しく侵した、あってはならない出来事でした。

お父様の生涯最高の結実であり、天倫で結ばれた真の家庭の血統を無視し否定する、破倫行為でした。

顯進様の立場においても、その衝撃と悲痛さは到底、言葉にできない惨たんたるものでした。

「私をお父様の息子ではないと宣言するのか」

神様の願いは、この地上に神様が直接臨在し、主管することのできる真の家庭を立てることです。6千年の復帰摂理歴史の最終目的地が真の家庭であり、2千年前のイエス様の恨は、真の家庭を成せなかったことにありました。お父様は到底、説明しがたい条件と犠牲を払い、まさにその真の家庭を築かれたのです。

どうして、顯進様家庭全体を真の家庭の名簿から削除するようなことが起こり得るのでしょうか。

真の家庭の価値を根こそぎ投げ捨てた、実に悖逆無道(人の道に背くこと)の措置に他なりません。

彼らは当時、連合ニュースの9月10日付けの記事を通して、「勝手に家族名簿に入れることができず、顯進様側にFAXで問い合わせたが、回答を得られなかった」という、苦しい言い訳を並べ立てました。家族を家族名簿に入れるのに、わざわざ確認を要するというのでしょうか。「牛も笑う」非良心的な詭弁ではないでしょうか! しかし、これを単なる行政上の手違いだと見る人はいないでしょう。それにお母様側の代弁人は記事を通して、「組織と血統のどちらを優先すべきかで内部会議を行い、組織がより重要だという判断のもと、文亨進会長を聖和委員長として決めた」と明らかにしました。

こうした事例から、私たちは「位置と教権と家庭連合組織にとらわれたお母様と亨進様と國進様と家庭連合指導部が、お父様が生命を捧げて築かれた真の家庭をどのように認識しているか」を正確に理解することができます。

私たちは、彼らがお父様聖和以降の摂理の中心・本流からどれほど遠く離れてしまったか、また将来、どのような惨たんたる事態が起こるかを、正確に理解することができるのです。

祝福家庭はひどく憤慨しました。世の中に、親と離別すること以上の重大事がどこにあるでしょうか。親が危篤状態となり、臨終を迎えた時、いったん過去のことは不問とし、全てを受け止めるのが人の情緒です。たとえ兄弟間に争いがあり、複雑な利害関係が絡み合っているとしても、親子がこの世で別れを告げる場にあっては、どんなことでも受け止め、包容するのが、古今東西、人の常であり、天倫に対する態度です。

顯進様の公開声明と、別途に行われたシアトルでの聖和式

顯進様は、ソウルの盤浦洞に、別途に焼香所を用意しました。遺族名簿から外される憂き目にあったこととは別に、お父様の聖和をみ旨に適うように執り行う必要があったのです。

顯進様は9月10日には、お父様に最後の祈りを捧げるために、ご聖体が安置されている天正宮を訪ねました。多くの平和大使たちと祝福家庭が、顯進様に同行を願い出ました。しかし、この訪問は、天正宮から1.5㎞ほど離れた清心平和ワールドセンター前で、お母様側の制止により、果たされないものとなったのです。「顯進様夫婦だけ天正宮に上って来なさい」というのが彼らの要求でした。これまでの経験から見て、至るところに罠が張り巡らされていることは、火を見るより明らかでした。随行員の一部でも同行することを要請しましたが、それすら受け入れられなかったのです。

顯進様は翌11日にも、再度、清平天正宮を訪ね、午後2時まで待ちました。しかし、その志を果たすことはできませんでした。

このような状況下で、顯進様は9月13日、「文鮮明総裁の聖和式に際して」という声明書を朝鮮日報、東亜日報、中央日報、ハンギョレ新聞など、4大主要日刊紙を通して発表しました。

天宙史的葛藤が発生して以来、メディアに自らの立場を明かした最初のケースです。

顯進様のもどかしい心情とお父様に対する追慕の思いが織り交ざった、後にも先にもない声明書でした。簡潔ながらも明瞭に、お父様の使命と業績を現し、これを毀損する統一教の逸脱を指摘する一方で、お父様を追慕し、ご自身の行く道を明らかにしたこの声明書は、「神様の摂理の正統性を受け継いだ息子」と「そうでない者たち」とを明確に分かつ、歴史的な宣言文でした。

「私は短くも深い苦悩の末に、統一教の聖和式には参加せず、別途、聖和式を行うことにしました。彼らは聖和式を通して、お父様が守って来られた原則と関係のないものを、お父様の業績として正当化しようとしています。長男として、父を正しく追慕することは、父に対する当然の道理でしょう。

お父様は神様の前に孝子として『神様の下の人類一家族』というビジョンを中心として、平和と和解の世界を建設する摂理的な使命のために、自らの全生涯と基盤を捧げられた方です。

お父様の最も大きな願いは、神様のみ旨に献身する生き方の先例を残すことでした。また全ての人々が同じ情熱と献身と主人意識とを持って、神様の夢を実現するように鼓舞することでした。

父を追慕するのに最も相応しい道は、父の人生を導いた神様の夢を実現した実体になることでしょう。それゆえ、私は事実上の長子として、妻と子供たちと共に、父が始めた人類のための神様の偉業を続けて行きます。それをもって、父と父が残した業績に直結されるでしょう」

顯進様は真心を尽くして弔問客を迎えました。清平を訪問しようと2日間、席を外した時は、私が代わりを務め、その場を守りました。

早急に準備した場であったため、十分な設営ができなかったり、不備な点も多くありましたが、それを問題視する人はいませんでした。顯進様の声明書の主旨に共感し、お父様の聖和を、み旨に適うように追悼する場であり、真正なる相続が成され、新しい摂理歴史が出発する場でした。貴く美しく希望に満ちた場でした。

弔問を受ける人たちと弔問に訪れる人たちが皆、目で互いの意図を汲み、お父様の遺志を奉ずることを決意しました。

13日葬で行われた真のお父様の天宙聖和式は、9月15日、互いに異なる場所で、互いに異なった意味合いをもって進行されました。お母様を中心とした統一教が、清心平和ワールドセンターにおいて、派手で雄大壮厳な規模で聖和式を執り行った同じ日、シアトルでは顯進様家庭を中心とし静かながらも厳肅な聖和式が敬虔に挙行されたのです。2つの行事は共に、お父様の摂理的な生涯と業績を称え、追悼する目的でしたが、その内容の違いは歴然としており、止むなく分かれ行く双方の行方を暗示させるものでした。

顯進様はシアトルの聖和式で語られました。

「この地上で息子がお父様に捧げることのできる最高の礼は、その生涯を正しく照らすと共に、(お父様を)遺憾なく霊界にお送りすることです。お父様が一生の間、積み重ねてこられた実績を、ただ称えるだけでいいのではありません。それよりも、さらに一次元高い何かを提示できなければならないのです」

顯進様の「さらに一次元高い何か」は正にご自分に対することでした。また、私たちに対することでした。

「真のお父様が提唱し、一生涯を捧げて実現しようとされた全ての事が、その息子とその家庭を通して成されることを確信します。息子の生き方はお父様が持たれた価値と夢と情熱の生きた証になるのです。息子を通してお父様が現われるのです。皆さんが生きた証になってくださることを願います。皆さんの生き方が、私たちの父母様の偉大さを現わす真の証になってほしいのです」

語られたその一言一言が、私の胸の中に実感をもって刻まれました。

お父様が残したものは多くありますが、最も貴いものは正に、真の家庭に受け継がれた神様の血統です。

その息子が行う業を通して、お父様の業績が正しく現われることを、お父様も望んでおられるのではないでしょうか。

これが真の家庭を通して願われた神様のみ旨であり、お父様が望まれた期待ではないでしょうか。

無知には完成がない

無知には完成がない

統一教の天宙聖和式委員長である亨進様は、追悼の辞でこのように明かしました。

「(真のお父様と)最終一体となった真のお母様を通して、全ての摂理が整理されるでしょう。将来、真のお母様を中心に一つになって行くでしょう」

真のお父様と真のお母様が一体を成し、「お二人の前に絶対服従すること」が信仰の最高徳目であることを強調してきた亨進様の口から、こうした言葉が出るのは当然のことのように思えました。それに慣らされた食口たちにおいても、異論はないように見えました。

しかし、顯進様はシアトルでの聖和式で驚くべきことを語られました。

「過去3年間、私は彼らのために祈り続けました。なぜなら、彼らは自分たちが何をしているか分からないでいるからです。皆さんはこの度、米国で発覚したことが始まりであると思いますか。それとも、これ以上、悪いことはもう起こらないだろうと考えますか。これはただの始まりに過ぎません。最終的に、統一家はずたずたに引き裂かれていくでしょう。しかし皆さんは誰も責めることができません。皆さん自身の無知をとがめなければならないでしょう。お父様は『無知には完成がない』と言われました。皆さんに警告をなさったのです」

大変不幸なことですが、お父様の聖和式の期間中に、米国の総会長を引き受けていた仁進様の私生児出産の件が明らかになり、世の中が騒ぎ立て、家庭連合がひっくり返りました。しかし、顯進様は「これ以上の出来事が今後も起こるだろうし、統一家は完全に分裂するだろう」と予告したのです。

とても恐ろしい警告でした。

今日起こっていることを、既に見透かしたようなお話でした。

2009年の暮れ、顯進様が独自の道を進むしかなかった理由は、お母様と兄弟姉妹たちとが共に謀り、真のお父様の根本的な意思に反し、非原理的な計画を思案していることを知ったからなのです。その方々が真のお父様の指導と統制を越えて、お父様の伝統を破り、真の家庭を破壊する結果をもたらすことを予言していました。

「これからお母様と2人の弟たちは互いに分かれて争うでしょう。私の兄弟たちもいつか互いに分かれるようになるでしょう。彼らは皆、自分本位であり、神様のみ旨と一つになっていません。そのため、各自の利害関係が衝突すれば、否応なく分かれて争うようになるでしょう」

数年も前、この葛藤が始まった頃、顯進様が語られたお話です。

お父様もそのような視点をお持ちのようでした。3章でも明らかにしましたが、2007年頃、お父様はそのような点を強調しながら、顯進様に「この運動の全体の責任を引き受けなさい」と何度も頼まれたのです。

顯進様の警告は、驚くべきことに、お父様の天宙聖和式が終わる頃には現実として現われていました。

お母様の亨進様と國進様に対する糾弾

真のお父様の天宙聖和式直後の9月17日、お母様は主要指導者との会議で、「亨進様と國進様の誤った教会政策」に対する糾弾を始めました。さらに、9月19日には、仁進様の問題を収拾せよと言われながら、亨進様を米国総会長として送り出してしまったのです。お母様が立てた「後継者」をお母様自ら引き下ろしたこととなり、亨進様は統一教世界会長職から実質的に左遷されました。

これに続き、9月30日、天正宮で開かれた秋夕節に、お母様は約200人の幹部たちを集め、「統一教」の協会組織改編と人事を直接発表しました。み言葉の中で「2人の息子が天福宮教会で奇蹟を成しました」と褒めそやしましたが、事実上、2人の息子の全ての権限を剥奪したのです。

亨進様を米国に送った後、お母様は亨進様が「教会を全て台無しにしてしまった」ととがめられ、「奇蹟」云々と言われた天福宮本部教会の礼拝儀式を中断するように指示されました。亨進様が真の父母様の健康をお守りするという名目で始まった「聖霊治癒礼拝」、別名「振動送り礼拝」を数年間、何のとがめもなく放置してきた立場から、ここに来て突然、統一家の伝統に反するとされながら廃止してしまったのです。

さらにお母様は、2013年1月7日の新年祝賀会で、「統一教を家庭連合に戻す」措置をされ、この指示に従って、宣教本部は2013年1月18日、家庭連合への名称変更に関する公文を世界に発信しました。文面上の説明は複雑でしたが、端的に言えば、統一教から家庭連合にまた変わるということでした。

その後、亨進様は米国総会長職としても、5ヵ月と踏み留まることができませんでした。2013年2月23日、米国家庭連合の理事会が、亨進様を米国総会長から解任しました。2月22日、基元節行事を行った直後のことです。

その翌日、亨進様は米国の食口たちに公開書簡を送り、「お母様から3度も辞任の要求を受けたが、解任に関する如何なる理由も説明もなく、その傷とショックは少なくなかった」と不快な心境を露わにしました。

お母様と亨進様が完全に呼吸を合わせ、3年間、統一教を実質的に運営してきたことは明らかな事実です。2010年6月5日、お父様の寝室で制作された直筆文書の動画だけ見ても明らかなことです。2012年9月30日、秋夕節の集会時にも、お母様は「亨進様が天福宮で奇蹟を成した」と称賛し、家庭連合については一言も言及されることがなく、あらゆる統一教の組織改編に関してだけ語られていました。

ところが突然、打って変わって、教会を全て台無しにした責任を亨進様にだけ被せたのです。実に辻つまが合わない話です。

お父様が常に重要視されていたのは、摂理の目標と方向でした。そして、40年蕩減路程を越えて初めて、統一教会の看板を下ろし、家庭連合を出発させたのです。これをお母様と亨進様の合作で、再び統一教会(統一教)に戻したのではありませんか。

國進様の解任とその理由

お母様は國進様にも、財団理事長から退き、米国に帰るように言われました。すると國進様は、「財団理事長はお父様が任命したことなのだから、自ら退くことはしない」として踏み止まりました。

2012年9月19日、財団の主要関係者たちを召集し、自らの強硬な立場を明らかにしたのです。國進様としても不愉快だったようです。お父様が聖和されれば、亨進様を後継者に立てて、全ての権限を自分に任せると期待していたところが、却って亨進様を米国に追い出してしまい、お母様が全ての実権を掌握してしまったからです。

お母様は強行されました。9月20日、協会と財団の主要幹部たちを呼び集め、「國進を本日付で免職とする」と宣言し、その後、財団理事会を召集して正式に解雇を命じたのです。

この指示を受けた金孝律氏など財団理事4人は、「2013年3月23日夜11時(米国時間で朝10時)、TV会議などを通して臨時財団理事会を開催すること」を、米国にいる文國進財団理事長に、3月16日付けで公式要請しました。財団理事長解任案が理事会の主要案件です。財団理事長が理事会の会議に応じない場合、「4人の理事が24日夜12時に天正宮で単独に別途、理事会を開催する」とも通達されました。

財団理事は7人で構成されていました。お母様の指示に従う理事が金孝律氏、劉正玉(ユ・ジョンオク)氏、石俊淏(ソク・チュノ)氏、李棟翰(イ・ドンハン)氏など4人で過半数を占め、國進様側の理事は國進様と亨進様、安珍善など3人でした。

まさにその2013年3月23日夜11時、天正宮の訓読室に集った金孝律氏、石俊淏氏、劉正玉氏、李棟翰氏は理事会開催のために、米国から連絡が来るのを待ちました。結局消息はなく、24日夜12時に4人の理事のみで理事会を開催するようになります。この時、米国でも文國進様、文亨進様、安珍善氏など3人の理事たちが別途、理事会を持とうしましたが、定足数の過半数に至らず、未遂に終わりました。

金孝律氏が理事会議長を担当して進行された天正宮の臨時理事会は、未明1時頃に終わりました。結果、文國進理事長と安珍善理事の解任案が4名の理事全員の賛成で可決しました。

この日、統一グループが作成した報道資料を見ると、「文國進理事長が、文顯進会長側との訴訟で敗訴した責任を負って退いた」とされています。しかし実のところ、彼らは理事会において、訴訟敗訴に対する責任を問われた訳ではなかったのです。

理事長解任案を提案した金孝律氏は、このように語りました。

「財団固有の目的と主旨にそぐわないこのヨイド裁判によって、世界基督教統一神霊協会に内外、霊肉共に計り知れない損失をもたらし、損傷を負わせた。それでこの2人はこの際、理事から退いて頂こうというのが私の提案であり、また解任理由になります」

訴訟敗訴が解任理由なのではありません。訴訟を起こすことで、財団固有の目的と主旨にそぐわない行動をとり、それによって統一家に「内外、霊肉共に計り知れない損失と損傷をもたらした」というのが、解任理由なのです。共に訴訟を主導した張本人たちが、背後で國進様を解雇しながら、このような口実を掲げたのです。

彼らはいまだに理事会の文献を公開していません。その理由は何なのでしょうか。

これまで数十回にわたり、顯進様側を相手に起こした訴訟の全てがこの問題にあたるからです。統一家の次元ではなく、神様の摂理に、計り知れない損失と損傷を与えた事実を、自分たちも認めているからなのです。それでも相変らず訴訟を続けている現実が現われてしまうのではないかと、恐れているのでしょう。

お母様は2013年1月20日、「国内外の不必要な訴訟を全て降ろしなさい」と述べられ、訴訟を起こした責任を問う形で、國進様を解任しました。しかし実際には、ご自分はいまだに、ありとあらゆる訴訟を主導しておられます。民事訴訟ばかりか、昨年は家庭連合を押し立てて、顯進様に対して刑事訴訟まで起こすことを容認しています。

このようなお母様の二重的な態度を世の中の誰が理解できるでしょうか。実に嘆かわしい限りです。

基元節行事?

基元節の意味

お父様の聖和以降、混乱をさらに深めていった2013年2月22日(旧暦1月13日)、お母様は基元節の行事を盛大に行いました。それは事実上、お母様の登場を知らしめる行事のようでした。

一方で、既にその頃、お母様と國進様・亨進様の間には、深刻な葛藤と分裂が生じていました。お父様が聖和され、天宙史的な葛藤が続いているというのに、お母様が中心となり、盛大に行事を行ったとして、果たして基元節の意義と価値が実現されるのでしょうか。

この行事の始めから、私は大変、疑問に思っていました。

基元節の意味を正確に理解するなら、この行事は神様の期待はもちろん、お父様の意向からも程遠い行事でした。

基元節という名称が、始めから存在していた訳ではありません。当時、公式名称こそ分かりませんでしたが、真のお父様が歴史のある時点に線を引き、目標とすることを示唆されたのが、2001年1月13日の神様王権即位式でした。それは言わば、象徴的な基元節であり、お父様はその時、未来に実体的な神様の王権即位式がなければならないと語られたのです。

そうして数年が過ぎる中で、私たちは知りませんでしたが、真のお父様は準備しておられました。2005年9月2日、真のお父様は日付を定められ、2013年1月13日までに成すと確定し公布されました。「基元節」という名称を発表されたのは、それから5年後の2010年2月19日でした。初めて基元節を制定し、公布した当時の漢字は「起源節」でした。2011年10月17日に「基元節」として、再度、規定されたのです。

基元節は神様の創造理想、地上天上天国が築かれる日です。

アダムとエバが堕落せずに神様の真の愛を完成し、神様の前に完成した真の子女となり、真の夫婦を成して、真の子女を持てば、真の父母になります。その真の家庭は神様の真の愛・真の生命・真の血統の実体的根源であり、根となるのです。この真の父母を中心とした真の家庭から、創造本然の理想世界、永久的な平和統一理想王国である天一国が始まるようになるのです。長子権・父母権・王権も、この真の家庭の四大心情圏と三大王権の家庭的完成の基台の上で、自動的に確立されるようになっています。

再臨のメシヤ、真のお父様は天がこの地上に送られた独り子です。それは、神様の真の愛・真の生命・真の血統の種をもつ、天宙に唯一無二のお方を意味します。この独り子として来られたメシヤ、真のお父様がこの地上に降臨し、新婦圏であるキリスト教と、彼らが果たせなかった責任を代わりに果たすために設立された世界基督教統一神霊協会、通称「統一教会」の新婦圏の基台の上で、真のお母様を選び立て、1960年に聖婚されたのです。その聖婚式を真のお父様は蘇生の聖婚式と言われ、2003年の聖婚式を長成の聖婚式、そして基元節に行う聖婚式を完成の聖婚式だと言われました。このような基元節をみ旨の通りに探し立てることが、お父様の生涯の願いであり、使命でした。

この基元節を迎えれば、その日から、本格的な実体的後天時代が始まり、天情時代が始まるのです。天情時代とは、物本主義の時代と人間が中心の人本主義時代を越えた人が神様の心情に感応し、本然の心情関係の中で生きる時代を言います。また、その日から「霊連世協会」が稼動するのです。

創造本然の地上・天上天国が実現すれば、天一国の主人たちは霊人体が完成し、本然の霊性を備えることで、自然に地上・天上の2つの世界を往来し、共感して暮らすようになります。この時、既存の家庭連合、天宙平和連合などとは次元が異なる霊連世協会の機構を通して、地上世界と天上世界を実体的に主管するように計画されているのです。

この基元節を通して、真の父母様は創造原理的で、堕落の影が一切なく、サタンの存在さえない環境圏において、天宙的に挙行される祝福式を、神様の前に奉献しなければならなかったのです。先に父母様ご夫妻が直接主管圏に進み、実体で天宙の前に完成的聖婚式を挙行し、その基盤の上に、神様の実体的な王権即位式がなければならないのです。それと共に、子女の立場にいる私たち祝福家庭も、小さな責任分担をもって、これまでの「付けの祝福」「条件祝福」ではない実体祝福、「天一国入籍祝福」を受けることのできる道が開かれるのです。

基元節を迎えることで、私たちが神様の直接主管圏に入れば、どうなるのでしょうか。神様と、祝福を受けた人間の間には、これ以上、仲保者、メシヤ、救世主、その他の如何なる媒介者も必要ありません。正午定着した本然の人間、その人間自身の良心と本心の導きを受けるのみです。そして無形の縦的な真の父母となられた神様を中心に、真の父母様と祝福を受けた人間、今後祝福を受けるであろう子孫までも、皆、神様の息子娘になります。横的に見る時、真の父母様は祝福を受けた人間の永遠なる先祖であり、モデルであり、父母となります。祝福を受けた人間は皆、宗教、人種、民族、国家といったあらゆる障壁を越えて、神様を中心した一つの兄弟姉妹となり、一つの家庭の家族になるのです。

したがって、創造原理からも、お父様のみ言葉からも分かるように、完成した人間であっても、それ自体が、神様になることはできません。神様と祝福を受けた人間との間には、如何なる仲保者もいません。真の愛・真の生命・真の血統でつながれた最短距離で心情に通ずるようになるのです。

お父様が言われたように、その日以降、家庭と氏族が集まって訓読会を続けながら、子々孫々、絶対性と純潔を守って行くようになれば、その家庭と氏族を通して、自動的な役事によって、天一国が実体的に拡散し、安着するようになるのです。

私たちはお父様が何度も語られ、時には叱責されながら教えてくださったことを記憶しなければなりません。実体摂理の進展によって、お父様は私たち祝福家庭に対し、氏族的メシヤ(1989年1月3日)、第4次アダム(1999年10月10日)、祝福中心家庭(2001年1月1日)、天一国主人(2002年11月5日)と、その格位を高めながら、驚くべき祝福を連続して与えてくださいました。

お父様は祝福権と相続権、そしてみ言葉まで全て与えられ、これ以上、私たち祝福家庭に与えるものがないと言われました。これからは、真のお父様を探すなとも語られました。お父様と、私たち祝福家庭の行く道は違うと言われたのです。

直接主管圏に入れば、全ての家庭がみ言葉訓読をもって、自主的な道を探し求めて行かなければならない時代になります。誰も責任を取ってはくれません。祝福家庭は各々が実体の天一国を拡張して行き、天一国の主人にならなければなりません。そうした意味で、基元節は言葉では言い表わせない祝福の日であり、祝福家庭が重大な決意を固めなければならない日でもあります。

このような基元節を、お父様は生前に必ず神様の前に奉献して差し上げようとされました。

お父様の全ての努力と涙と汗と血は、全てこの基元節を勝利的に迎えるためのものでした。

お父様のみ言葉のどこを探してみても、基元節として定められたその日以前に聖和する可能性を明言したものはありませんでした。

したがって、統一家の祝福家庭は基元節を思う度に痛悔しなければなりません。私たちが責任を果たせず、地上が責任を果たさなかったために、基元節を前にして、お父様ご自身が願った時ではない時に聖和なさったという事実に、胸を打って涙を流さなければなりません。「私が何らかの恩赦を受ける」とか「何らかの恩恵を受ける」といったことを願いながら記念する基元節ではないという事実を、私たちは知らなければなりません。

今は基元節を行う時ではない - 顯進様のメッセージ

このような点を一番正確にご存じであった方が、正に顯進様でした。予見した通り、真の家庭が漸入佳境(さらに度を増していく)の分裂に向かってばく進し、そうした状況でお父様が予定された基元節が近づいた時、顯進様は2通の書簡をしたためました。

一つは、2013年1月20日、お母様に宛てた書簡であり、もう一つは「基元節の真の意味に関して」という題目で、2月12日、祝福家庭に送られた公開書信でした。

私はどのような意図でお母様に書簡を送られたのか、後日伺ったことがありました。すると顯進様はこのように答えらました。

「お母様がこのまま進まれたら大変なことになります。お母様が責任を果たすことができるように助けて差し上げなければなりません。お父様の願いです。今、基元節を迎え、行事を済ませることが重要なのではありません。真の父母と真の家庭が安着し、カイン圏とアベル圏が一つとなって、神様の主権が定着しなければ、基元節は成り立たないのです。今は崩れた真の家庭を収拾し、統一家を神様のみ旨と一致させることが重要です。もしこの争いが続けば、お母様と私の兄弟たちと統一家全体におびただしい蕩減が及ぶでしょう。そしてこの全ての責任をお母様が負われるようになります。これを私はそのまま傍観することはできません。お母様は今、お父様よりご自分が中心であると思われ、私に対しても大きく誤解されています。そのため、今私の手紙に耳を傾けられないかもしれません。しかし今後、これからもっと大きな困難が生じれば、この手紙を必ずまた探されるでしょう。その時のために、お母様が正しい決定を下すことのできる道を知らせて差し上げなければなりません」

お母様との間には寂しい出来事が多くあっただろうに、顯進様はむしろ、お母様を心配しておられました。

お母様に送られたその書簡が、いつの日か公開されることを祈ります。それを通して、真の家庭とお母様を見つめる顯進様の摂理的な基準が、お母様を心から助けようとされる息子の真心のこもった愛情が、歴史の前にはっきり現われるようになるでしょう。

その一方で、祝福家庭の責任を覚醒させるための2月12日付けの書信で、顯進様は「基元節の真の意味、基元節を控えた統一家の現状、祝福家庭の責任と今後の摂理の方向性」などに関する見解を発表しました。この内容の核心的概念が、恐らく、お母様への書簡にも記されているのではないかと私は思います。

無駄一つないこの書信で、顯進様は基元節の意味を次のように説明しました。

「基元節は、神様の摂理と人類歴史の中にあって、新しい時代の出発であり、創造原理で説明された神様の夢が遂に地上に実現する時を意味します。これは神様が人類始祖アダムとエバに願った期待が勝利的に成され、実体的な真の家庭が立てられる摂理的なターニングポイントです。理想家庭の勝利的基盤を中心として、神様の真の愛・真の生命・真の血統が満ちあふれ、家庭の段階を越えて、氏族、国家、世界へと拡張していく時であり、神様の真の愛の主権が全ての人類に及び、神様の下の人類一家族の夢が、生きた現実になる時でもあります」

顯進様は、このような天の期待と摂理的なみ旨の脈絡から見る時、昨今の統一家が「基元節を迎える準備が全くなく、資格も完全に喪失した姿」であると判断しています。また、基元節を再び奉献して差し上げるため、「統一家に真の家庭の理想を復活させ、神様の摂理が被った被害を復旧する真の再出発が必要だ」と力説しました。

しかし残念ながら、お母様と大半の祝福家庭は、天の警告とも言える顯進様の書簡の内容を心に留めようとはしませんでした。特にお母様は顯進様が思われる以上に、み旨から遠ざかった歩みをしておられました。金孝律氏、金孝南氏、石俊淏氏、梁昌植(ヤン・チャンシク)氏など、お父様の時代から周辺にいた指導者たちを順次整理して、その場に、経験もなく、能力も備えていない、特にお父様の遺業と摂理観に通じているかも疑わしい人々を立てて、目下、摂理を破綻へと駆り立てています。

生前、お父様が警告された内容がそのごとく起こったのです。

お母様はさらに、36家庭の数名を立てて、「お母様とお父様が完全に一つになっておられる」と宣伝するようにされました。そうしながら、ご自分の計画されたことを大胆にも実行に移しました。

これが、神様のみ旨と摂理に一致していたなら、どれほど良かったでしょうか。

これがお父様の果たされた高貴な業績をさらに輝かせることであったなら、どれほど幸いでしょうか。

しかし最終的には、全く正反対の結果を生みました。

お母様がされたことは、一般食口と世の中の人々全てに、「お母様がどのような方なのか」を赤裸々に知らせるきっかけとなりました。

お母様のなさることを通して、お母様の意図が現われてきたのです。

手を付けるなと言われた「八大教材教本」に手を付ける

出版日まで偽り

2012年4月頃、お父様がまだご健在の時でした。金孝律氏を同伴し、突然、成和社を訪問されたお母様が、衝撃的なことを語られました。「お父様の指示」と言われながら、2012年度に出版された594巻から615巻までの御言選集22巻を全て回収し、「センシティブな部分を削除した後、再出版しなさい」と指示されたのです。

初期の頃から長い間、御言編纂委員会の委員たちは、お父様の公式的なみ言葉を原文そのまま収録して出刊するという編纂の原則を守ってきました。既に販売した御言選集を回収して、都合の悪い内容を選んで削除し、もう一度出版しなさいというのですから、到底理解しがたい指示でした。しかし、お母様から直接命じられた上、横に立っていた金孝律氏も「お父様の指示」であると口添えしたものですから、担当者たちも従う他なかったといいます。

事案がとてもセンシティブだったため、作業は秘密裏に進められました。

該当する御言選集を購入した食口たち一人ひとりに連絡して御言選集を回収しましたが、この時、具体的な理由は語られませんでした。この内容が知られるようになったのは、良心の呵責を感じた成和社の職員からの告白によるものです。

事実を知った幾人かの義を重んじる食口たちと、み言葉の専門家たちは「み言葉を守らなければならない」として意を共にして、行動に出ました。結局、私は、天の助けにより、義を重んじる食口が保管していた御言選集を手に入れることに成功しました。

それ以後、成和社ではお母様の指針に従い、み言葉の一部を削除し、原本を回収した食口たちに、新たに出版された御言選集を配布しました。

これに対して、志のある食口たちが原本と修正版とを一つひとつ対照しながら、削除された内容を探し出しました。数ヵ月にわたる作業でした。その結果、本一冊程の分量が削除されていたことを知ったのです。削除された箇所の中には、お母様に対する良くない表現と共に、顯進様と私に対する肯定的な内容が多く含まれていました。彼らはこの恥ずべき事実を隠すために、新たに記載しなければならない出版日まで、過去の日付として偽って印刷したのです。

食口たちの暴露でその全貌が世間に明かされました。

何の理由で、隠密にお父様の御言選集の内容の一部を削除し、秘密裏に複製本をまた出版したのでしょうか。その理由について、お母様や家庭連合の弁明や釈明を、私はこれまで、ただの一度も聞いたことがありません。

お父様の権威を無視したという次元ではなく、神様のみ言葉の権威を毀損した行為です。

メシヤとして来られたお父様のみ言葉がもつ価値は、単に一人の人間の私的な考えや人生談という次元のものではありません。お父様がメシヤ、真の父母として生きて来られた摂理的な生涯を、歴史の前にありのまま、透明に残した記録なのです。その中にはお父様が明らかにされた神様の心情と事情、神様のみ旨と理想、摂理歴史に関する真理の内容と社会状況とが込められています。これを理解し解釈する部分に関しては、時代的状況と個人的責任によって変わり得ますが、お父様のみ言葉の原典に手を出してはいけないということだけは明らかな鉄則でした。

お母様はどうしてお父様の原典に手を出されたのでしょうか。お母様が過去6年間してきたことを厳格に振り返ってみるなら、その理由はもっと明確になるでしょう。「これは始まりに過ぎない。今後、さらなる出来事が起こるだろう」と語っていた顯進様の警告は、お父様の聖和以前から既に、こうした現実を言い当てていたのです。

「八大教材教本」に手を付ける

お父様の偉大な業績の一つは、「誰もが理解することのできる神様のみ言葉、すなわち原理のみ言葉を明らかにしたこと」です。

今も数十億の人類が、2千年前のイエス様のみ言葉を読んで真理を悟るように、1950年代に光を見た統一原理と、その後、お父様が明らかにしたみ言葉とは、「後世の人類に天道を教える教材教本」として永遠に保管されなければならないものです。その中で、神様を探し、真の人生と歴史の方向と目的を悟ることができる、人類歴史上、最も貴い宝庫です。このみ言葉があるがゆえに、人類が罪の束縛から脱して、神様、お父様と真の因縁を再び結ぶことができる道が開かれているのです。このみ言葉を実践しさえすれば、これ以上メシヤが来なくても、神様の本然の理想世界を成すことができる道が開かれるのです。

このようなみ言葉を、お父様は「八大教材教本」として整理し、人類に相続してくださいました。

「真の父母様は、すでに人類のための遺言を準備し、残しました。一生に6、7度も生死の境を行き来する獄苦を経ながらも勝利し、準備した遺言書です。永遠な人類の教材教本として、8種類の本を残しました。冊数としては1千冊を超える分量です。『文鮮明先生御言選集』『原理講論』『天聖経』「家庭盟誓」『平和神経』『天国を開く門、真の家庭』『平和の主人、血統の主人』『世界経典』、以上の8種類の書籍です。これらの教本は、皆様が霊界に入っていっても読み、勉強しなければならない本です。決して人間の頭脳から出てきた言葉や教えではありません。天がかわいそうな人類を救援するために下さった、天道を教える教材教本だからです」

「韓半島の統一と世界平和のための 天地人真の父母の国民支持大会」
特別講演文(2012年1月8~15日 天地人真の父母定着実体 み言宣布天宙大会)

お父様は、このみ言葉を完成させるために、その大量の『天聖経』を8回読破されました。祝福家庭の中で、これを8回以上読破した人がどれほどいるでしょうか。私もまだ8回は読めていません。しかし、み言葉の主人であるお父様は、毎日朝5時から数時間ずつ訓読されながら、それを読破されました。このようにして確定された『天聖経』は、600冊を超える御言選集を圧縮した意味が込められていると言われ、すなわち「天国の聖書」と言われたのです。

この『天聖経』の骨子を抜き取って制定された「平和メッセージ17篇」と「霊界メッセージ」を合わせて『平和神経』が完成されました。お父様は平和メッセージ(『平和神経』)が一つずつ発表される度に数十回以上訓読されながら精誠を込められ、たとえ重複した部分があったとしても、宣布の時期と参加対象者が異なり、摂理的な意味が異なるため、「助詞一つ、直すことはできない」と言われました。この『平和神経』をお父様は「天国の憲法」として宣布され、「平和の聖書」と言われました。これは元々、『平和訓経』でしたが、2008年7月に『平和神経』と変えながら、「神様が教えるみ言葉」であり、「千年万年消えない永遠な教材である」と言われました。

お父様はこのように数年間にわたり、緻密な点検過程を経て、ついに2010年2月7日、神様に8種類の書籍を「八大教材教本」として制定することを最終報告し、奉献する儀式を持たれました。これに続き、お父様は「八大教材教本」を世の中に宣布して、世界の代表者たちに直接伝授され、その人々に各国各宗教界にこのみ言葉を伝播するように託されました。その後、公式的な講演会とみ言葉を通して、繰り返し、「八大教材教本」の貴さを悟らせ、教えてくださいました。

繰り返しになりますが、このように制定された「八大教材教本」に対して、お父様は「誰も直したり、手を入れたりするな」と何度も言われました。「私が書いたことに手を付けてはならない」「別の言葉を織り交ぜてはならない」と語られました。時には、次のように深刻に警告されたのです。

「直したら、あの世に行って、万民の前に審判を受ける、讒訴に引っかかるというのです。だからむやみに手を付けてはなりません」

『文鮮明先生御言選集』493巻 287ページ
(2005年4月26日)

経典編纂委員会の無謀さと軽率さ

お父様の「八大教材教本」は「人類のための遺言」であり、「人類を救援するために下さった天道を教える教材教本」として制定されました。「千年万年後孫まで保管しなければならない真の父母様の記念物」であり、「家門の宗廟に保管しなければならないもの」と言われました。

お父様のみ言葉を生命のように守らなければならない人々とは誰でしょうか。そのみ言葉を先頭に立って実践し、成しとげなければならない私たちではありませんか。

ところが、お母様は『原理講論』を含むこの「八大教材教本」を解体し、新しい経典を作りました。お父様の聖和後、家庭連合が再編纂した『天聖経』『平和経』『真の父母経』がそれです。お母様はこれを天一国の3大経典と命名し、ご自身の偉大な業績として誇っています。

驚くべき事実は、お父様が集中治療室におられた2012年8月23日に、「経典再編の指示」が下されたという点です。この時から「経典編纂委員会」が作られ、わずか10ヵ月後の2013年6月10日、『天聖経』と『平和経』が出版されました。さらに驚くべきことに、新しい『天聖経』には「原本にないお母様のみ言葉」まで含まれています。

お母様の大胆さには、実に驚かざるを得ません。

この問題を今後、どのように収拾されるのか、ただただ目の前がまっ暗です。

さらに、開いた口が塞がらないのは、数十年間、お父様の指導を受けてきた指導者たちの態度です。一抹の葛藤も悩みもなく、お母様が言われる通り、み言葉にメスを入れ、切り貼りして取りつくろえば、それが天一国の経典になると思われるのでしょうか。

この消息を聞き、私はもどかしい思いで、静かに金孝南訓母に会おうと言いました。訓母は私に何点かの理由を挙げましたが、家庭連合側の立場を代弁するのみで、納得の行く内容はありませんでした。

「誰も手を付けるなと言われたのに、後でこれをどう収拾しようと思われるのですか。お父様の『八大教材教本』はお父様のみ言葉の通りに、そのまま手を付けずに置くことがベストであり、必要ならば増補版を作れば良いではありませんか」

お母様にどう思われようと、私の言葉を伝えてくれと懇切に頼んで別れました。見るに見かねた一人の幹部が、問題の深刻さを申し立てる書簡をお母様に差し出したことがあったといいます。2012年12月29日、協会本部の8階講堂で開かれた「天聖経増補版・監修委員会委託式」に呼ばれた彼は、初めて彼らが作業する様子を目の当たりにしました。その日、金榮輝(キム・ヨンヒ)会長、李載錫(イ・ジェソク)会長、金錫柄(キム・ソクピョン)院長、金恒濟(キム・ハンジェ)教授が順に出て、これまでの経過報告をしました。これに続き、新たに作られた『天聖経』の13章を小分けにして、監修委員たちに一章ずつ配り、「1月10日までに監修を依頼する」として要請したといいます。

その幹部は一方で、「こんなに拙速に監修が可能だろうか」といぶかしく思い、自らが引き受けた分量を読み直したところ、驚愕を禁じえなかったと言います。句節ごとに大幅に手が入れられ、修正されていたのですが、そのように修正された部分が全体の80%程になったといいます。「お父様特有のニュアンスや印象が意図的に除去された」という感覚を覚えたといいます。

悩んだあげく、彼は2013年1月5日、真のお母様に懇切な書簡をしたため、末尾にこのように記したといいます。

「お父様が施してくださった血と肉、または生命のみ言葉が剥製となり、骨格だけを残して、血と肉が消えたように感じられ、み言葉が固い思想の書籍や哲学書を読んでいるように感じられたとしたら、これをまともな天聖経だと言えるでしょうか」

盗用した内容まで載せる

この書簡を読まれたのか、お母様は2013年1月7日、天正宮新年祝賀会で「少しばかり知っていると言う者が余りに幼い言動だ」と言われ、不快感を隠そうとされなかったといいます。それに続き、お父様のみ言葉を「精製されていない原石」と比喩され、それを磨き上げるために『天聖経』を「整理整頓」するのだと説明されました。そればかりか、お父様が制定し神様に奉献された『天聖経』の「50%はお父様のみ言葉ではない」という話まで語られたといいます。

余りにも惨たんたる事態でした。

真の父母様に対する忠誠の思いから申し上げたことを「幼い言動」として一蹴されるとは。

お父様が8回も読破しながら、自ら点検された『天聖経』を「精製されていない」「整理整頓」が必要なみ言葉だと言われるのでしょうか。

その上、その半分が「お父様のみ言葉ではない」と。

様々な経路から、この衝撃的な内容を伝え聞いた食口たちは黙っていませんでした。「お父様のみ言葉に手を付けるな」と公然と訴えたのです。すると経典改編の責任を引き受けた方々は、却っておかしな論理をもって食口たちを訓戒したといいます。

「お母様はお父様と完全に一つになっておられるのに何の問題がありますか」

「経典をより良く直そうというのに問題になることがありますか」

さらに残念なことは、経典編纂委員という方々のほぼ大半が、米国で語られたお父様のみ言葉はおろか、2000年代以降、発表されたお父様のみ言葉を完全に聞いていなかったというのです。お父様がソウルの漢南洞におられた時も、毎朝5時に訓読会をされていましたが、公職者ではない方々は、元老であろうと、毎日来てはいませんでした。さらに2006年以降は、お父様が毎朝5時の訓読会を清平の天正宮で行われましたが、参席者はわずか120人前後でした。当時は教区・教会別に交替で参加していました、一途な食口でもない限り、元老たちの多くも、月3度と参加しませんでした。

「八大教材教本」の重要なみ言葉は大部分、1990年代後半から2000年代以降のものです。これを何度も反復して強調されました。こうしたみ言葉をまともに聞いていない方々が、経典を新しく編纂しようというのですから、結果はどうなるでしょうか。

いわゆる「経典編纂委員会」という機関で、経典編纂の指針として発表された公文を見ると、実に目の前がまっ暗になりそうです。この公文を作成したある先輩家庭の場合、お父様が2000年初めから既に経典編纂作業に取り掛かり、「八大教材教本」として確定され、2010年2月に神様に奉献したという事実すら知らずにいたのです。

そんな状況ですから、「お父様の『八大教材教本』の中には重複しているところもある」とか、「長く時が経ったので適切ではない部分もある」とか、「『八大教材教本』制定以後に語られた貴いみ言もあるので、新しく編纂しなければならない」といった詭弁を列べ立てるのです。

百歩譲ったとしても、お父様が定められた内容だけは触れてはなりませんでした。それはそのまま大切に保存し、続編や解説書として編纂すればいいのでした。

ところが、なぜ敢えて、お父様が自らの手で編纂し、神様に奉献までされた内容を勝手に削除し、つなぎ合わせ、手を付けるのでしょうか。お父様が摂理的に「八大教材教本」を制定された意図が明確にあるにもかかわらず、なぜ大胆にも、そのように容易く、手を出すことができるのでしょうか。

一方で、食口たちは実に大したものです。

彼らは、お父様が「八大教材教本」に対して語られたみ言葉を心に留めていました。

天正宮の訓読会を通して、直接聞いた内容です。

そのため、家庭連合の元老たちが強弁したとしても、恐れませんでした。

彼らは「真のお父様制定天聖経守護祝福家庭協議会」を結成して、公開要請文を発表しました。協会本部と天福宮の前で「天聖経と平和神経守護のための祝福家庭決起大会」を数回持ちました。これを主導した人々の大半は顯進様の意図を尊重する食口たちでした。

真の父母様がなさることに、食口たちが反対して団体行動に出たのは、恐らくこの時が初めてではなかったかと思います。彼らの行動が真の父母様の権威に挑戦した盲動だったのか、それとも真の父母様の貴い生涯の業績を守ろうとした抵抗であったのかは、後世の歴史が判断を下すことでしょう。

食口たちは家庭連合がお母様の指示の下、お父様のみ言葉とも合致しない、拙速に発行した『天聖経』『平和経』『真の父母経』をめぐって、夜を徹しながら一つひとつ、原本と対照分析しました。その結果、おびただしい問題があることを明らかにしました。真の父母経に掲載されたお母様のみ言葉の中に、「どこからか盗用してきた内容」まであるというのでした。

最近、お父様のみ言葉の原典となり「八大教材教本」の中でも最も根本にあたる『文鮮明先生御言選集』総615巻を40巻に減らす作業が進行中だという噂も耳にしました。実に驚くべきことです。

何度も繰り返しますが、お父様は生前に「原典としての御言選集の保存」を強調されました。

そのため、外国語に翻訳するな、原典である韓国語の状態で保存しなさいと言われました。「八大教材教本」全体も同様ですが、この御言選集に対しても、やはり「手を付けてはならない」と何度も警告されたのです。

御言選集594巻から615巻までを全巻回収し、不都合な内容、隠したい内容を削除して編集し、再配布したと思えば、今度は1巻から615巻まで全てを40巻に減らす作業をしているというのです。史光基(サ・グァンギ)氏を責任者に立てて、事を進めているといいます。

将来、どのような意図と観点の下に、『文鮮明先生御言選集』615巻を40巻に減らす作業をするのか、上の例と照らし合わせ考えてみると、充分に察しがつくことです。

お父様の意向と無関係な天一国憲法制定

お父様の意向と無関係な天一国憲法制定

お母様と教権指導部は御言選集の削除と縮小、「八大教材教本」の解体、独自の天一国経典制作に続き、天一国憲法をも拙速に制定しました。

天一国憲法にまで手を出した目的は何でしょうか?

「真の子女様も皆、必要ない。誰でも天一国憲法によって選ばれた人が導けば良い」という意図が「天一国最高委員会」にそのまま現われています。

彼らは天一国憲法に最高議決機関として天一国最高委員会を作っておき、「真の父母様の権限の委譲、または有事の際には、委員長を中心とした天一国最高委員会が、憲法と法律の定めるところによって、真の父母様の権限を代行する」という条項を入れました。それをもって、「真の家庭の血統中心ではなく、家庭連合を押し立てた法統中心に進むことができる道」を開いたのです。このために、神様の摂理原則とお父様が立てた意向を全て無視しました。このために、お父様の本来の意向と無関係な天一国憲法を作ったのです。

彼らの天一国憲法は、お父様が指導してくださった根本の教えから完全に逸脱した代物です

私はそれを誰よりもはっきりと、また自信をもって語ることができます。

お父様はずいぶん前から、憲法の草案を作成する責任を私に任せられました。この時、草案作成に必要な指針も、詳しく語ってくださいました。

お父様が憲法の必要性を語られ、同時に制定を指示されたのは1997年からでした。同年4月における世界平和統一家庭連合の公式的出発と共に、「宗教を越えて家庭を中心とした時代に合う規範と体制」を本格的に準備していた時です。

当時、お父様が語られた次のようなみ言葉を、皆、記憶しておられることでしょう。

「これからは祝福に問題が起これば、家庭憲法をもって処理する時代だ」

私はこの家庭憲法を制定するために、鮮文大学の神学科教授にプロジェクトを任せたり、教会法と一般社会の法をよく知る祝福家庭に委託したこともありました。

しかしその結果は、お父様の基準とは程遠く、それ以後、特別な進展もないまま、時間が過ぎ去りました。そうした中、2005年5月1日、麗水で「新しい時代の平和祝祭」大会が終わった後、お父様が再び「『天一国憲法』を持ってきなさい」と指示されました。「天一国憲法」という表現を、その時初めてされたのです。恐らくお父様は、1997年から語っておられた「家庭憲法」と「天一国憲法」を同じ次元で考えられていたようです。準備ができていないとご報告したところ、「3日以内に作成して持ってきなさい」と指示されました。それと共に、天一国憲法に対する基準と指針を初めて明らかにされたのです。

「家庭盟誓が憲法だ。家庭盟誓が憲法になるようにしなさい」

憲法が3日で完成できるでしょうか。それでもお父様の指示だからと、とにかく憲法制定委員会を構成し、歴史編纂委員会、成和社、財団、摂理機関を総動員しました。そうして1ヵ月で天一国憲法の草案と法源となるみ言葉資料まで制作したのです。

以後、お父様からは(2008年12月まで約3年間)憲法に関して特別なお話はなく、草案を持ってきなさいといったお話もありませんでした。ただ時折、訓読会で「家庭盟誓が憲法だ。家庭盟誓を憲法の中に溶け込ませるようにしなさい」というみ言葉だけを私に繰り返されるばかりでした。

そうした中、2008年12月初旬、お父様が再度、天一国憲法の草案を求められました。そこで以前にはなかった新しい指針と方向を追加されたのです

「天一国憲法には堕落、復帰、救援、罪悪のようなものが一切入っていてはいけない。その影さえないようにしなさい! 天一国憲法は創造本然の秩序だ。もし現実的に復帰や救援摂理のための手続きや組織が必要ならば、全て付則の経過措置として処理するようにしなさい! 」

このみ言葉に従って、2005年6月に準備された天一国憲法の草案が大幅に修正されました。救援、復帰に関わる内容と摂理的組織を皆、付則の経過措置の条項として編入させ、「家庭盟誓」が志向する方向によって、天一国の体制と法的秩序を構成しました。

ついに2008年12月30日、憲法の草案を差し上げました。お父様は天正宮でこの憲法草案をくまなく検討され、鉛筆とサインペンで直接修正されました。その場面を、私はそばで何度も見守りました。その後、2009年初め、お父様は訓読会で数回、「天一国憲法の草案が完成した」と語られました。

「私が天一国憲法を作っておいたというのです。金孝律、分かるか?(はい、そのような話を伺いました)全て私が作っておきました。2013年1月13日、基元節を中心として発表するのです」

お父様が直接修正され、最終的に完成された憲法草案がお父様の聖和後どうなったのか、私はいまだ気になります。今なお、その行方がはっきりしないからです。

ところが、2013年7月、「天一国憲法制定公聴会」という行事が開かれました。家庭連合が『天聖経』と『平和経』を独自の経典として出版したことで、大変騒がしかった時のことです。それは家庭連合側が結成した「天一国法制委員会」の共同運営委員長を務めていた金孝律氏が主管した行事でした。

彼らの思惑は明白でした。全世界の統一家の食口たちの同意の下、「民主的な手続きによって、教会法である天一国憲法が制定された」という法的根拠を備えようとする意図だったのでしょう。しかし、憲法制定公聴会を持とうとするのであれば、憲法草案を事前に公知するのが当然のことではないでしょうか。しかしそうした手続きもなく、その場でセミナーで発表するようにして、要式行為のようにやり過ごそうというものでした。

2013年8月、真のお父様の聖和1周年の行事の折、お母様に奉呈された天一国憲法と比較し、公聴会で公開された憲法草案を調べてみた私は、大きな驚きを覚えました。

それはお父様が1997年から、家庭憲法に関して、天一国憲法制定の基準や指針として語られてきたものとは、全く異なった内容でした。

それは、神様が再臨のメシヤである真のお父様を通して発展させてきた摂理的進展の内容を、逆戻りさせる内容でした。「家庭盟誓が憲法だ」というみ言葉とも全く程遠い内容でした。

結果的にそれは、教権指導部が教会権力と有形無形の資産を手に入れようとする意図で制定された「教会法」に他なりませんでした。

2013年1月7日、新年祝賀会で、お母様は金孝律氏を「全ての制度の上にいる特別な人」として褒めたことがありました。その理由が初めて分かったように思いました。

金孝律氏はお父様の特別補佐官として、お父様の一挙手一投足を誰よりもよく知る人です。お父様が天一国憲法をどのような基準と観点で制定しようとされたか、分からないはずもありません。お母様ご自身の意図に合った天一国憲法を作るためには、金孝律氏のような人の協助が絶対に必要だったのです。

顯進様は、教会組織を越えて「ワンファミリーアンダーゴッド」のビジョンの下に、摂理運動を起こそうとしました。お父様が夢見ておられたのは、正にその内容でした。

しかし、彼らはこうしたお父様の意図とは全く異なった天一国憲法を制定し、統一運動の組織と資産を統制しようとし、ひいてはこれをもって食口たちと統一家の将来を統制しようしています。ここにどうして神様のみ旨と愛が共にあることができるでしょうか。

明らかになったお母様の正体、独生女

明らかになったお母様の正体、独生女

50年以上父母様に侍り、誰よりも近い立場で多くの時間を過ごし、お母様とも数多くの対話の時間をもった私が、この場ではっきりと申し上げます。お母様が自らを独生女と語られたことは、以前までは、たったの一度もありませんでした。

独生女はたびたび、お父様のみ言葉の中にも出てきた用語です。

私の記憶では、お母様は2014年頃から、公式的に「独生女」に対するみ言葉を始められました。

昨今のお母様の独生女に対する説明は、独生女に対するお父様の意図とは、全く異なった内容です。同時に、神様のみ旨と救援摂理の根本を覆す衝撃的な内容でもあります。

これまでの多くの過程を総合してみた時、私はこれがお母様の即興的な発想だとは思いません。

お母様は、神様の摂理とご自身のアイデンティティに対して、長い間抱いて来た考えを「独生女」という用語を借りて現わしているのです。

「お母様が主張する独生女」と「お父様が語って来られた独生女」との違いをよく分からない場合、食口たちは、これが何かそんなに大きい問題なのかと思われるかもしれません。お父様のみ言葉の理解や、原理的見解が充分でなければ、ああ、そうなのかと見過ごしてしまうでしょう。

しかし私はこの場で、お母様の独生女の主張が天宙史的な葛藤の本質を現わす最も深刻な問題であるとあえて断言します。

お母様の独生女の主張に込められた内容を正しく理解しなければなりません。

そうしてこそ、私たちはこれまで家庭連合内で起こった混乱と葛藤の中心に誰がいたのかを正しく知ることができます。そうしてこそ、悲劇的なことがなぜ摂理の結実期に発生したのかを正しく悟ることができ、この問題を解決する方法も見出すことができます。

では、「真のお父様が語られた独生女の意味」と「真のお母様が理解し主張される独生女の意味」の違いは果たして何なのでしょうか。

真のお父様が語られた独生女の意味

1950年代から2000年代まで、お父様は独生女に対して終始一貫、同じ説明をしてこられました。

独生女に対して原理的な説明を正確にされ、神様の摂理の中で独生女がどのように探し出されるかを明らかにされました。私自身の記憶をたどってみても、お父様の御言選集に記録されたみ言葉を探してみても、独生女に対する説明は明確です。同じテーマをお父様は半世紀以上語られましたが、曖昧に説明されたところはなく、その論調にも乱れはありませんでした。

本来、アダムとエバは神様の子女である独り子(独生子)と独り娘(独生女)として創造され、彼らが成長して神様の祝福のもとに夫婦となり、家庭を完成することが神様の創造目的でした。ところが、アダムとエバの堕落によって、神様は独り子と独生女を再び探し出す摂理を経綸してこられたのですが、これが復帰摂理歴史であり、再創造摂理歴史です。

神様はまず、独り子がこの地球星に再び生まれるようにするための摂理を進められ、4千年ぶりにイエス様が神様の血統を受け継いだ独り子として生まれ、再び2千年後にお父様が生まれました。しかし、神様は直系の真の愛の血統を通して、独り子アダムを見出したものの、独生女エバは見出せませんでした。サタンがエバを奪ったためです。

独生女を探し出す責任は独り子にありました。独り子はサタン世界からエバを探してきて、独生女として再創造しなければなりません。本来、アダムを創った後に、アダムの体からあばら骨を取ってエバを創造されたように、独り子は、探し出したエバの偽りの血統を否定し、断ち切って、娘と妹のような立場で接ぎ木した後、8段階の犠牲的投入の過程を経て、神様のみ旨に相応しい独生女を育てなければならないのです。

これが独り子・独生女に対するお父様の一貫した教えでした。

神様の息子として生まれた独り子が、サタン世界で奪われたエバを復帰し、独生女として育てて、2人が神様の祝福を受けて本然の真の家庭を成すことが、神様の復帰摂理歴史の核なのです。

これに関するお父様のみ言葉をいくつか引用します。

「さあ、それでは独生女が現れたという話を聞いたことはありますか?(聞いたことはありません)現れるには現れなければならないでしょう。(はい)これが天地の問題です。神様ご自身にも、独生男がいれば、娘がいなければなりません。独生男が来たなら、独生女を探さなければならないのです」
『文鮮明先生御言選集』23巻 150ページ
(1969年5月18日)

「独り子は独生女を探さなければなりません。探して育てなければならないのです」
『文鮮明先生御言選集』115巻 132ページ
(1981年11月8日)

「独り子は生まれましたが独生女はいません。なぜ?エバが堕落したので、サタン世界で探さなければなりません」
『文鮮明先生御言選集』348巻 55ページ
(2001年7月6日)

「イエス様も独り子を中心として独生女を探し、サタン世界で自らが嫡子であるとする偽りの血統を否定して切り捨てなければならないのです。切ってなくすのではなく、これを初めて弟妹のような立場で接ぎ木するのです」
『文鮮明先生御言選集』442巻 63ページ
(2004年3月9日)

「皆さん、オモニは生まれながらにして王女のように生まれ、オモニのように再臨主の奥さんとして生まれたと思いますか?言って見なさい。堕落した血統を受けて生まれました」
『文鮮明先生御言選集』461巻 26ページ
(2004年7月19日)

「独生女はどうなるのか?アダムの体からあばら骨を取って女を作ったので、独り子はエバを再創造しなければなりません。反対に探して来なければなりません」
『文鮮明先生御言選集』482巻 274ページ
(2005年1月14日)

「オモニもこれからは、自分の思い通りに考えてはいけません。『アボジも私がいなければ完成できない』そんな考えをするなというのです」
『文鮮明先生御言選集』491巻 247ページ
(2005年3年22日)

真のお母様が理解し主張する独生女の意味

一方で、お母様が語られた独生女に対する説明をよく見ると、根本的に、お父様のみ言葉の核心を全て否定していることが分かります。

一歩進んで、お母様は「私が語ることのできる時を待ちました」(2017年11月4日)、「私は59年余りの間、何も話しませんでした。全てを知りながら沈黙しました」(2017年11月11日)と言われながら、「今や天の摂理から見た人類歴史の真実を明らかにする」(2017年11月16日)と宣言しました。

結局、お父様が今まで語られてきたみ言葉は真実ではなく、偽りであるという意味をはっきりとほのめかしたのです。

それだけではなく「キリスト教2千年の歴史と家庭連合時代は『夕方』であって、独生女、真のお母様の時代に『朝』を迎えたため、真実を明らかにする」(2017年11月11日)と言われ、神様の摂理の歴史区分を、お母様を中心にひっくり返してしまいました。

それでは、お母様が独生女に対してどのように語られているのか、簡単に整理してみたいと思います。家庭連合指導部はお母様の「独生女の本質」を隠すために、長々と複雑な神学的説明を並べていますが、その核心は次のようにシンプルです。

神様は独り子だけを創造してこられたのではない。独生女も創造してこられた。その証拠がキリスト教の歴史であり、韓民族の歴史である。2千年のキリスト教史は独生女を探してきた摂理歴史であり、神様はずいぶん前に韓民族を選ばれ、独生女を送るための準備をしてこられた。そして6千年ぶりに真のお母様が原罪と関係のない神様の娘、独生女として出生した。母胎からサタンと関係のない血統として生まれたのだ。

原罪をもって生まれたお父様は、16歳でイエス様の使命を継承した時から、後天的に再臨主の資格を整えた。そして独生女に会って、原罪清算を受け、真の父母になった。このような独り子が独生女を育てて教育したのではない。お母様はお父様に初めて会った17歳の時から、自ら神様の摂理歴史を知り、原理を勉強した訳でもないのに、既に全てを知っていた。この時、復帰摂理をお母様の当代に終わらせることを決意して出発した。

お父様も再臨主として成功しようとすれば、『私(お母様)』の力が絶対的に必要である。神様の摂理において、再臨のメシヤよりももっと重要なことは、サタンと関係なく天の血統として独生女が誕生することだ。今や人類の前に救世主は独生女、『私』である。宇宙の母、真の母、独生女を迎えなければ、堕落した人類としては救いがない。真のお母様を否定すれば終わりだ。

2013年から2018年現在まで、約6年間、お母様は繰り返し、こうした独生女の主張を家庭連合幹部と食口たち、さらには大衆が集う集会を通して公式的に発表しました。金振春氏などを呼び、「食口たちに独生女の教育をしなさい」と注文されました。

独生女に対する指導者と食口の反応

お母様の独生女の主張に対するみ言葉以降、家庭連合の現場では大きな混乱が起こりました。特に「お母様は原罪なく生まれ、お父様は原罪を持って生まれた」というお母様のみ言葉まで、次々と食口たちの間に広がり、衝撃を与えました。

ついには柳慶錫(ユ・ギョンソク)家庭連合協会長はこの波を鎮めようと、「お母様の発言は事実ではない」と主張する公文まで発信するに至りました(2016年12月29日)。お母様のこのようなみ言葉を聞いた100人余りの先輩家庭婦人は、独生女について証している間に、逆にお母様を嘘つきにしてしまいました。

お母様から独生女の宣伝を任された金振春教授は、独生女の概念の説明を受けた教区長たちから、「これを現場で講義したら大変な混乱が生じる」という否定的な意見を聞きました。

お母様ご自身は「50年ぶりに明かされる摂理歴史の真実」として語られる一方、お母様の下で働く指導者たちは、その「真実」が食口たちに公開されて大混乱が生じるのではないかと、戦々恐々としていました。世の中にこのような寸劇があるでしょうか。

それが真理なら何を恐れるのでしょうか。

1950年代から1960年代にかけ、全国に開拓の嵐が吹いた時、私たちは堂々と統一原理を宣布し、それが既成教会をはじめ、韓国社会に大きな衝撃と波紋を呼ぶことも恐れませんでした。開拓の現場で7日断食、21日断食をしながら、原理講義をしても疲れを知らなかったのは、その原理からもたらされる真理の力によるものでした。

お母様の「独生女論」で、果たして恐れを知らない真理の力が感じられるでしょうか。

家庭連合の指導者たちもまた、その主張が真理ではないという考えをもっているのです。そのため、この独生女論を喜んで講義できるはずもなく、その独生女の講義を聞いて伝道される訳がないのです。

一部の指導者と食口たちの中にも「独生女の問題点」に対して、勇気ある所信を明らかにした方々がいます。日本統一教会の名誉会長・神山威会長が正にそのような人物です。

お父様から日本女性食口教育の責任を引き受け、麗水で修練を進行してきた神山威会長は、2014年12月25日、お母様の変容について公開質問書を発表しました。質問書で神山会長は「お父様がお母様について嘆息されたエピソード」を公開し、「お母様の変容がお父様の聖和以降に始まったことではない」ことを明らかにしました。神山会長によれば、お父様は麗水海洋修練会に参加した修練生の前で、何度も「お母様がお父様と一つになっていない」「お母様がどうしてお父様に反対するのか、その理由が分からない」というみ言葉をこぼされました。

そればかりか、お父様は2012年1月19日の天正宮訓読会で、このように嘆息されました。

「お母様はお父様と違った別の道を行っている。お父様の話を聞かないで、お母様が『私の話を聞きなさい! 』というのだから、ルーシェルよりももっと恐ろしい存在だ。そんなお母様に付いて行く者は化け物だ。この者たち」

神山会長は自らの悽絶な心境をこのように明かしました。

「最近、お母様の言行がお父様と一つになっているとは考えられません。お父様に絶対服従の基準を立てておられた頃のお母様を知っている者として、私は最近のお母様の心変わりが残念です」

癌との闘病生活の中、心からお母様のために勇気を出した神山会長の苦言は、その後「真の父母様の心情を踏みにじった反逆行為」という批判を受けました。結局、2015年4月13日、日本統一教会から除名されるという恥ずべき事態が起こるのです

神山会長こそ、真の父母様の前に最も輝ける忠臣であり、孝子です。それはこの方が生きてきた生涯が証しています。このような方を非難し審判したことは、日本統一教会の最も恥ずかしい記録として残るでしょう。

私がよく知る櫻井節子婦人も、お母様の独生女に対する自らの率直な心境を明らかにした方です。日本で一番最初に祝福を受けた12双の先輩家庭であると共に、入教後、最初の原理講師となり、生涯、原理講師としての歩みをしてこられた方です。今や故人となった第5代日本協会長を歴任した櫻井設雄氏の奥様でもあります。

「違和感を覚えたのです。その考えの通りに推進して行ったなら、お父様の教えの根幹が揺るがされると思いました。主体であるお父様を証し、メシヤを証することがお母様の立場だと認識していましたが、むしろお母様が主体であるかのように、お父様を勝利させたと言われる訳ですから、真のアダムがエバを復帰し、全人類を復帰していくという順序から見る時、これをどう説明できるか分かりません」

独生女論に対して公開の場で問題を提起し、解雇通知を受けたある中堅牧会者は、不利益を甘受してまで行動に移した理由について、このように告白しました。

「真実を語る時、既に解雇も予想できましたが、沈黙できないことでした。『給料をもって自分の家庭を守るという時、本当に神様が喜ばれるだろうか』『また、それを目的に二世たちを教育するという時、それ自体が甚大な霊的犯罪を犯すことになるのではないか』、そのような思いで声明書を発表しました」

神様の血統をサタンの血筋に?

お母様の独生女の主張がどうして天宙史的な問題になるのでしょうか。

お母様の「独生女の主張」は単にお父様との見解の違いといった程度で終わる問題ではありません。

お母様とは誰でしょうか。

神様とお父様が6千年ぶりに探し立てた真のお母様です。その真のお母様は神様の真の娘として、真のお父様の真の妻として、真の子女と全人類の真のお母様として立っておられなければならない方です。

そのようなお母様が今、神様の摂理の根本を覆す主張をされるなら、これはエバの堕落とは次元の異なる、また一つの天宙史的な問題になるのです。

私はお母様の独生女の主張の中に、3つの根本問題があるとみています。

第一に、神様も介入することのできない摂理の原則と秩序を変質させたのです。

神様の創造が創造原理の原則と秩序に従い、一つの方向で成されたように、神様の再創造摂理、すなわち救援摂理もまた、神様が介入できない復帰原理の原則と秩序に従い、一つの方向に進んできました。摂理が2つであることはできず、復帰摂理歴史が6千年という数理的な年数を経てきたのも、正にこのような原理原則によって展開されてきたからです。

ところが、お母様は独り子を探し立て、長子権(血統権)を通した三大王権を鼎立するための神様の摂理歴史に、「独生女を誕生させるための歴史」を勝手に入れ込みました。言い換えれば、神様の摂理が再創造(復帰)原理の通りに進行されるという、神様の摂理原則と秩序を無視したまま、2つに分かれて進んできたものとして変質させたのです。

第二に、神様の血統を否定しました。

堕落した人類を救援するためには、彼らを重生させ、神様の真の血統に接ぎ木してくれるメシヤが先に来なければなりません。メシヤは堕落とは関係のない神様の息子です。メシヤの一次的な責任は、堕落した血統の中から復帰されたエバを探し立てることです。お母様はこのような神様の血統とメシヤ観を否定しています。「メシヤ・再臨主として来られたお父様は堕落した血統であり、自らが神様の真の血統である」と主張しました。

神様の血統をサタンの血筋に、サタンの血筋を神様の血統に覆してしまったのです。このような認識の下、お母様は「生物の誕生は男性から始まるのではない。誕生させることができる方は母だ」(2018年3月16日)と言われます。お父様の種を受けて生まれたのが重要なのではなく、お母様のお腹の中から生まれたのが重要だということを強調し、さらには「救世主は独生女」という主張までしているのです。

第三に、人間の責任分担の原則を無視しました。

お父様が明らかにした統一原理の偉大な部分の一つは、人間の責任分担の価値を正しく究明したことにあります。人間の責任分担完遂を通して、人間が神様の創造の偉業に同参するようになり、神様の祝福を相続するということが、どれほど驚くべき真理でしょうか。それだけでなく、歴史上解くことのできなかった人間堕落と、それによる復帰摂理の謎も皆、人間の責任分担の原則から解くことができるのです。神様の息子として来られたメシヤでさえも、人間の責任分担を完遂しなければなりません。

ところがお母様は「誰かが私に原理とか、そのような言葉を語らなくても、私は天の摂理を分かっていた」(2018年3月16日)と言われながら、自らを人間の責任分担と関係のない、超越的な存在として神格化したのです。

真の父母様の聖婚以降、私はお父様の指示により、協会40日指導者修練会で毎時間聴講されたお母様に、原理講義をして差し上げたことがあります。学習する教材が欲しいと言われ、直接、原理講義案を作って差し上げたこともありました。それ以後、数十年間、お母様は私の講義とは比較することもできない、お父様の直接的な指導を受けながら成長されました。

どうしてお母様はそれを根こそぎ否認されるのでしょうか。

お母様が自ら悟られたという原理と天の摂理は実は非原理であり、非摂理です。それがどれほど、お父様のみ言葉と矛盾し、深刻な衝突を起こしているでしょうか。お母様のみ言葉が、神様の天道と摂理原則を明らかにしたお父様の教えと一つになっていると主張するのであれば、それはとんでもない無理強いです。お二人のみ言葉を比較するだけでも、今お母様はお父様と一つになっておられないことが分かります。今、お母様は本来のお母様の位置から、余りにもかけ離れておられます。

独生女に対する顯進様の指摘

顯進様は過去数年間、お母様の独生女の主張と、お母様がなされたことをつまびらかに分かっていました。それが神様の摂理にどれほど深刻な問題をもたらすか、憂慮していました。

そして顯進様はこの問題に対して、公式的には沈黙してきましたが、お母様が神様のみ旨と再び一つとなり、お父様が導いてこられた道と一つになることができるように、目に見えない努力を重ねてきました。3回にわたって長文の手紙を作成し(2013年1月17日、2013年4月24日、2014年2月17日)、息子の率直な意見をお母様に伝達してきたのです。

書簡の中で、顯進様は「お母様が摂理的な責任を果たせるように助けたいと思う」という息子の意向を伝えました。「お母様が真の女性として、正しい先例を立てて勝利されることほど、大きい喜びはない」という、切実な孝の思いも表現しました。お母様の立場からすれば、受け入れがたい苦言であったことでしょう。お母様のために、それほどまでに率直なことを申し上げる人は、世の中に顯進様しかいなかったでしょう。

顯進様は独生女に対して取り上げる前に、「お母様の摂理的な責任が何か」を明瞭に整理しました。言い換えれば、お母様の責任は、神様と人類の前に真の女性としての正しい先例を立てることにあり、具体的に言えば、神様の前に真の娘として、お父様の前に真の妹、真の妻として、カイン・アベルの子女たちの前に真の母として、勝利の先例を立てることだと言いました。

顯進様はこのような摂理的な基準をもって「今、お母様が神様のみ旨と一つになった道を歩まれているのか」と食口たちに質問しました。

「今、お母様は神様の夫人になろうとしているが、それが神様の真の娘として適切な先例を立てることなのか」

「今、お母様はお父様よりも主体的な位置で、お父様の権威を真似し、公的な権威を思い通りに行使されているが、それが真のお父様の前に対象的立場にある真の妹、真の妻の先例を正しく立てることなのか」

「今、お母様はご自分の子女たち、ひいては全人類の前に独生女を受け入れることを要求しておられ、さらには力と権力を先立たせて、子女たちがお母様の前に服従することを要求しておられるが、それが神様の愛の化身として、無条件的な献身と愛を通して、ご自分の貴さを現わす真の母の先例を立てることのなのか」

このような質問を通して、顯進様はお母様の独生女の主張が3つの側面で深刻に間違っていることを説明しました。

第一に、聖書の先例から、独生女の問題を指摘しました。

創世記を見れば、神様はアダムのあばら骨を取って、アダムを助ける配偶者として女を創造したと記録されています。これはエバのアイデンティティがアダムによって決まるということを意味しています。

お父様は聖書の先例を挙げられ、復帰の過程でアダムがエバに責任をもち、選択すると語られましたが、お母様は独生女が独り子と関係なく、別途に神様によって選択されたという主張をしているのです。

お父様は「聖進のオモニが責任を果たしていたなら、今のお母様は選ばれず、現在の真の子女たちも生まれていなかった」と語られました。これに対して、お母様はあろうことか「お父様は私に会う前に誰とも結婚してはいけなかった」と言われ、お父様のみ言葉を正面から否定しました。

第二に、自然法、すなわち自然界の原理から独生女の問題を指摘しました。

自然界において、全ての生命体のアイデンティティは種を中心に決定されるのです。オリーブの木は、どこに植えてもオリーブの木になります。それは種ゆえであって、植える場所が変わったとしても、他の木が生えるのではありません。

真の血統の種を持ってきた方はお父様であるため、お父様によって真の子女のアイデンティティが決定されるのであり、祝福家庭のアイデンティティが決まるのです。決して、お母様によって決まるのではありません。お母様の血統までも、お父様によって、サタンの血統から神様の血統に転換されるのです。これを反対に覆したお母様の主張は、自然界の原理のみならず、復帰摂理の原則を完全に否定するものになります。

顯進様は「天の血統は文氏であって韓氏ではない! 」と言われ、「お母様が今、文氏の痕跡をなくし、韓氏を中心に変えようとしているが、これがどれほど天の前に大きな過ちかを知らなければならない」と言い、「これを再び正さなければならない」と語りました。

第三に、原理的に独生女の問題を指摘しました。

男性と女性は神様の二性性相を代表して創造された存在です。男性は神様の男性像を代表し、権威、力、血統、主体性などがその特徴です。女性は神様の女性像を代表し、無条件的な愛、恩恵、生命、対象性などにより、その特徴が現われます。男性と女性は真の愛を中心として、相互補完的関係を結ぶように創造され、主体と対象の関係にあって、固有の役割と機能の差があるものの、真の愛の中で同等な価値をもつようになるのです。

ところが、お母様は真の家庭の中で、三大王権と四大心情圏を中心に、自然に位置付けられなければならない男女の固有の役割と秩序を全て無視し、破壊してしまいました。

お父様が年老いてからは、露骨にお父様のなされることに介入し、ご自身の意図を貫徹しようとされました。その上、お父様が選び立てた息子を引き下ろし、お母様が願われる、資格も検証されていない息子を、長子の位置に立てようとされたのです。

お父様の聖和後には、夫の位置を占め、夫が息子に受け継がせるべき全ての基盤を手にしました。そればかりか、お母様固有の責任と役割を放棄したまま、お父様の権威と権限をもって、お父様が立てられた基盤を全て破壊しているのです。

一言で言えば、「主管性転倒」です。

独生女の帰結

お母様の独生女は如何なる観点から見ても、真理になり得ません。これはお母様の実体を赤裸々に現わす非原理に過ぎません。

神様の摂理は人間の責任分担の成就如何によって、一時的に非原理の状態に陥ることがありますが、必ず非原理を原理で整理します。蕩減の過程を経て、正常に戻ってくるようになっているのです。事必帰正です。

このような状況で、私たちはどのような選択をしなければならないのでしょうか。

ここで、お父様の教えはとても重要な基準になります。

「復帰摂理が複雑に展開したのは、アダムが自己の位置を離れ、堕落したエバに付いて行ったからでしょう。アダムが神様を中心として絶対的に一つになっていたなら、アダムの当代にエバを復帰し、復帰摂理は簡単に完了していたはずです」

顯進様は食口たちにこの点を想起させながら、なぜご自分がお母様の非原理的な指示に絶対に従うことができないのかを説明しました。

「お母様が如何なる条件を提示されても、如何なる力でもってひざまずかせようとしても、絶対にお母様に付いて行ってはならないのです。最後まで神様のみ旨に従わなければなりません」

これが顯進様の変わらない立場です。これが正しい原理的結論です。

顯進様は神様のみ旨を中心として自らの位置を守りながらも、お母様を勝利した真のお母様として立てて差し上げるために、今まで最善を尽くして来ました。お母様から、兄弟たちから、家庭連合全体から、想像しがたい反対と迫害を受けながらも、顯進様は一切、如何なる抵抗もしませんでした。そのように、お母様に対する基準をはっきりと守ってきたのです。

これは言葉で言うほど簡単なことではありません。真の家庭の中に、このような息子がおられるからこそ、お母様もまた本来の位置に戻って来られるという希望があるのです。またご兄弟たちと祝福家庭が全て、元の立場に帰ることのできる道が許されるのです。

顯進様はお母様と全ての食口たちに明かされたことがあります。

「独生女の帰結が悲劇で終わる代わりに、希望的で劇的な転換を果たすためには、皆が神様のみ旨と一つになる『一つの道』しかないのです。神様の前に悔い改める『贖罪の道』から出発しなければなりません」

お母様は遺憾にも、このような顯進様を締め出したばかりか、今に至るまで、訴訟を続けておられます。神様の摂理にあって最も重要で、お父様の業績において最も貴い、「真の家庭の収拾」という業績の代わりに、残念なことにお母様はつまらないことに、いくらも残されていない時間を注ぎ込んでおられるのです。本当に、残された時間は多くないと感じます。

ついに明らかになった偽りの後継者、亨進様

ついに明らかになった偽りの後継者、亨進様

真のお父様聖和3周年である2015年初めから、亨進様はインターネットを通して、公然とお母様に対する非難を始めました。同時に、自らがお父様の後継者であると積極的に宣伝しました。

亨進様の暴露は、食口たちを大きな衝撃と混乱に陥れました。その中には家庭連合を離脱して、亨進様が立てた「世界平和統一聖殿教会」、略称「聖殿教会」に加入する人たちもいました。確固たる摂理観からというよりも、「お母様は間違っていて、後継者は亨進様だから行く」といった論理でした。

しかし、このような無差別的な暴露の効果は長続きしませんでした。家庭連合から離脱する食口たちの数はそれ以上増えず、却って聖殿教会を離脱する人たちがで始めました。家庭連合にいる食口たちも大部分、亨進様に背を向けました。

彼らが亨進様に背を向けた理由は何でしょうか。

お母様が正しいと感じたからでしょうか。

これまで、自分たちが信じてきた後継者に対する「幻想」が壊れたからです。

お父様の聖和後、亨進様の本性が赤裸々に現われました。その過程で、亨進様の原理とみ言葉に対する理解度ばかりか、摂理観や道徳性などに深刻な問題があることが明らかになりました。亨進様には、摂理を導いて行く正統性がないばかりか、それだけの器が備わっていなかったのです。誰が亨進様をこのように作ってしまったのでしょうか。

それは正にお母様であり、家庭連合の指導者たちであり、食口たちでした。

内的準備のない方を、お母様はお父様の前に最高の宗教指導者として褒めそやしました。その姿を私たちは全て見ました。家庭連合から統一教に戻した時も目をつぶり、お父様に対して、亨進様を立てるための「宣布文」を書いてくれと、執拗に要求された方が正にお母様でした。

そのため、亨進様がお母様と家庭連合指導部を非難し、これを世界中にまき散らしても、お母様と家庭連合は何も言えずにいたのです。

「子女たちの問題は自分が解決する」と言われますが、お母様はいざ亨進様のことになると、できることがないように見えます。

2005年、亨進様が登場した時から、ずっとこの方を観察してきた私は、大きく2つの点で問題があると感じました。一つは亨進様の摂理観であり、もう一つはその方の道徳性です。この2つの問題から引き起こされたことが、神様の摂理にどれほど大きな支障をもたらし、お父様の業績を破壊してきたか、私ははっきり見てきました。

摂理観の問題

お母様の事例から分かるように、誤った摂理観は結局、反摂理的なみ言葉と行動という結果として現われるのです。

これは亨進様の場合も同じです。

お父様が教え、実践された主流摂理の方向は、宗教としての「統一教会」時代を経て、神様を中心とした家庭理想実現運動、そして、超宗教・超国家・超人種的な平和世界実現の段階へと進んで行きます。

結論として、亨進様の神観、メシヤ観、人間観、歴史観は一つひとつ、お父様の正統な教えから完全に逸脱したものでした。摂理観に深刻な問題があるため、家庭連合の時はもちろん、サンクチュアリ教会を作っても、神様の摂理に反するみ言葉と行動を続けてきたのです。

何よりも亨進様は、お父様が家庭連合を中心として展開してこられた摂理運動の方向を、統一教に逆行させた張本人です。家庭連合の運動は、40年経って教会の看板を下ろし、宗教が必要ない時代を標榜した運動です。これを統一教に戻した理由は何だったのでしょうか。

亨進様がメディアとのインタビューと礼拝での説教を通して明かした理由は、次の通りです。

「指導者たちは統一教会という表札を隠すために家庭連合の看板を掲げて活動し、真の父母様をメシヤであると堂々と語ってきませんでした。家庭連合のような社会運動に力を注ぐことにより、結果的にアイデンティティに問題が生じ、メシヤ、真の父母様の立つ位置が消えてしまうのです。したがって宗教運動をしなければなりません」

亨進様の摂理観と摂理認識が、どれほど無知であるかをそのまま示す論理です。悽絶な迫害の中でも、堂々とお父様と家庭連合を誇ってきた私たちです。お母様と分かれた後、亨進様は「統一教」を「聖殿教会」に変えましたが、その方の観点は全く変わっていません。

人々が「どうして家庭連合を統一教にまた変えるのか」と理由を尋ねた時、亨進様と國進様はこのように聞き返したことがありました。

「『平和運動』でどうして神様のみ旨を果たすことができますか」

お父様が展開してこられた摂理運動の意味と流れを、お二人は全く理解できていませんでした。お父様の指導の下、数十年間、各種の摂理組織と運動を結成し、各時代に合った摂理運動を先頭で展開してきた私としては、こう言うしかありません。

最上位の摂理組織としてUPF(天宙平和連合)を創設されたお父様は、この機構が世界の前に、アベルUNの使命を果たし、最終的には父母UNとして立てられ、地上に神様の平和理想が完全に実現されることを願われました。それで、真の父母様と真の家庭の3代と共に、世界を3度も巡回されながら、創設メッセージを発表されました。お二人もこの巡回路程の一部に参加したはずですが、どうしてその意味を全く理解できていないのか、実に嘆かわしく思います。

UPFの世界会長職に就いた時、亨進様は、UPFを統一教の宣教活動の下部組織くらいにしか考えていなかったのではないか、と思われるような指示と公文を発信したりもしました。

一方で、國進様は「国民の51%を統一教徒として伝道すれば、国家復帰が成される」と語りました。「アベルがカインに殴られて死んだのは力が弱かったからであり、自分を守るために力を養わなければならず、そのために銃器を所持しなければならない」という主張までしました。原理とお父様の教えは、アベルがカインを力で屈服せよ、ということではありませんでした。聖殿教会が作った天一国憲法にも、銃器所持の自由という条項を入れ、甚だしくは銃器所持が神様のみ旨であり、予定であるかのように合理化して解釈しました。ヨハネの黙示録の12章と19章に「再び来られる主は『鉄の杖』をもって万国を治める」という記録があります。原理講論ではこの鉄の杖の意味を「神様の真理のみ言葉」と解説しているのにもかかわらず、それを「鉄の棒=銃器」と解釈したのです。

彼らは「サタンの勢力から王権と主権、所有権を守るためには、霊的には神様のみ言葉、実体的には銃器所有の許可を得ることだ」と主張しながら、米国の銃企業が生産するAR15半自動小銃とAK半自動小銃を公式銃器として選定(2018年2月28日)しました。聖殿教会が実施した合同結婚式行事に、この銃器を持ち込んで世界を衝撃の中に追い込み、再度、真の父母と真の家庭の位相を地に落としたのです。

極めて理解しがたいことは、このような銃器所持までも「鉄の杖の摂理」として取りつくろっている点です。

お父様が天一国の憲法とまで言われた平和神経と家庭盟誓のどこに、「銃器を持って平和を成す」という内容がありますか。むしろ「銃刀を溶かして平和理想世界を作ろう」と訴えていないでしょうか。

また亨進様のメシヤ観をみると、この方がどれほど誤った摂理観に陥っているかを改めて確認することができます。

お父様は2千年間、キリスト教信仰が維持してきた三位一体の神学的フレームを崩した方です。神格化されたイエス様ではなく、神様を中心に立て、神様の息子として「人間であるイエス様」の位相を再鼎立され、そうした新たなフレームから、メシヤとして来られたお父様の使命を再規定されました。

ところが、亨進様はお父様をキリストだと言い、キリスト教的観点でお父様を仰ぎみました。お父様を讃美し、服従することが、祝福家庭の基本的道理であるとしました。真の父母と祝福家庭の関係を主従関係に転落させ、真の父母に対する最高の信仰は、真の父母の奴隷となって絶対服従することだとしました。これはお父様の原理でも、教えでもありません。

亨進様はこうした真の父母信奉の信仰を行動で見せるために、自らが担当牧師であった天福宮教会で、真の父母様億万世を叫び、真の父母に振動と気を送る振動礼拝をところかまわず行いました。甚だしくは、真の父母様の神格化を象徴する真の父母像を作り、市街行進をしました。お母様を神格化しようと、「神様の夫人結婚式」の準備もしました。

このように、真の父母様の神格化を先導してきた方が、状況が変わってからは、打って変わって、お母様を非難するレベルを日に日に増して行きました。

そうして、2015年3月15日には、「束縛と搾取から真のお母様を解放して差し上げるため」という名目で、説教の終わりに「真のお母様の全ての権限を解除し剥奪する」という「天の宣言」を発表しました。

また、2015年6月9日には「韓鶴子お母様はサタンと一つになることで霊的な堕落を犯し、今や堕落したエバの立場になった」と言いながら、「今後、私たちは韓鶴子お母様を『真のお母様』と呼ぶことはないだろう」と述べました。

お母様を公式的に非難し始めてからわずか6ヵ月で、息子である自身の思い通りに、真のお母様の資格を剥奪したのです。

最終的に、亨進様は自身の思い通りに、「お父様を地上にいる他の女性と聖婚させる破倫」を犯しました。亨進様は2017年9月23日、真のお父様と姜賢実女史を立てて聖婚式を行い、「この方が新しい真の母」であると発表したのです。自らを真の子女として生んでくれた母を捨て、利害関係の合う女性をお父様の妻として座らせました。

姜賢実氏はお父様の仲裁で聖アウグスティヌスと霊人祝福を受けた方です。その祝福を壊して、その方をお父様の新しい夫人とするなど、世の中にこんな例があるでしょうか。子が願うからといって変えることができる母の位置など、天地に存在しません。姜賢実氏に対しても実に遺憾です。一生の間、お父様に従いお父様の意図が何かをよく知る方が、どうしてそんなことができるのでしょうか。

お母様は「神様がご自身を堕落と関係のない本然の血統として選択した」と主張し、その一方で、息子はそのお母様が間違ったといって、別の女性をお父様と結婚させ、新しい真の母として選び立てる……。

これが、神様が6千年間守ってこられた摂理の原則と秩序でしょうか。

真の父母の位置は、結婚式を挙げたからといって与えられる位置ではありません。全知全能の神様でさえ、6千年間、真の父母を見ることができずに待って来られました。数多くの蕩減復帰歴史を通して、4千年ぶりにイエス様お一人を独り子として探し出され、再び2千年が過ぎ、イエス様の使命を代わりに成し得る息子として、お父様を探し出されたのです。

お父様が誕生されたからといって、自動的に真の父母の位置に進む訳ではありません。お父様の責任において、堕落した人類の中から復帰されたエバを探し出し、聖婚し、真の子女を生んで初めて、真の父母の位置に立つようになるのです。条件的な真の父母ではなく、実体的な真の父母です。

このような真の父母・真の子女が顕現したからこそ、私たち人類も、神様の血統として接ぎ木されることができたのです。私たちは皆、その因縁で祝福家庭になったのです。

天倫と人倫、全てをないがしろにした出来事

亨進様はお父様の聖和直後まで、お母様の神格化を先導してきた方です。お母様を「昼の神様」と定義し、「真のお父様と真のお母様の2人の間にはこれ以上の間隔のない聖体となられたため、真のお母様は神様と真のお父様が投影されて見える三位一体の実体です」と褒めたたえた方です。

このような亨進様がそれから1年も経たずに、互いに背を向け、わずか2年6ヵ月後の2015年1月、お母様を非難し始めました。全世界を結ぶインターネットを通して、自らの母であり、お父様の夫人であり、真のお母様であられる方に対して、到底、口にすることのできない言葉まで吐き捨てています。

私には理解できない姿でした。

何がそれほど悔しく、恨めしいのでしょうか?

10年近く、形容しがたい苦痛にあってきた顯進様も静かに耐え、ただただ真のお母様が正しい先例を立ててくださるようにと祈っておられます。真のお母様の位置はそれほどまでに貴いものなのです。ところが、亨進様は自らが被った苦痛がどれほどだからといって、全世界に向けて、自ら先頭に立って神格化してきたその母に対して、見境もなく非難するという異常行動に出ることができるのでしょうか。

「万王の王神様解放圏戴冠式」を「後継者任命式」として宣伝したことは、極めて自己中心的であり、偽善に満ちた亨進様の姿をそのまま見せる事例でした。亨進様は、王冠をかぶって入場する神様戴冠式行事の姿をインターネットに掲載し、「これによって自分は後継者に選ばれた」と執拗に主張しました。お母様と家庭連合指導部の黙認と同調のもとに、この行事を後継者任命式と見せかけて宣伝してきたのです。しかし、お父様はこれが「後継者任命式」であるとは一言も言われませんでした。行事を準備し、進行を任された梁昌植会長もこの事実を証言しています。

後継者になるために、神様戴冠式まで後継者任命式として変質させた亨進様の自己中心的な振る舞いは、1年後、お父様の寝室で宣布文をもらい受ける時、再度、鮮明に現れました。例の「異端者・爆破者動画」を制作し、流布した事件です。

亨進様は、無念に追い出されたご自身のお兄さんである顯進様を踏み付けるために、その動画をためらいもなく使用しました。動画を編集して公開し、文言として記された「異端者・爆破者」が自分の兄であることを公然と宣伝しました。亨進様はその後継者の署名一つを受け取るために、兄に対する歪曲されたイメージをもってお父様を欺き、世の中の前に、真の父母様と真の家庭の価値を損傷させたのです。

そして、それを持って全国の牧会者たちを強制的に駆り立て、顯進様と私を非難する「忠誠誓約ビデオ」を取るようにしたのも亨進様でした。

彼にとってお母様がこれ以上、真のお母様ではないように、顯進様もまたご自分のお兄さんではないのでしょうか。

全ての事情をさしおいても、子が母に対して、公然とあらゆる非難を浴びせ、ひいては母の立場を無効化させるなど、天倫と人倫全てに逆行する破倫に他なりません。

もしお母様が、お父様の立てた顯進様を信じて協力してくださったなら、真の家庭の中にこのような悲劇は起きなかったでしょう。

摂理の中心人物は如何にして明らかになるか

お父様の聖和後、天宙史的な混乱は勢いを増して行く一方に見えます。しかし、これは善と悪、真実と偽りを分ける過程に過ぎません。多くの問題が一度に現れたため、より混乱して見えるだけです。全てのものは時間の経過と共に、事必帰正で整理されていくでしょう。神様の摂理は再び正されて、前に向かって進んで行くでしょう。

ここで重要なことは、「誰がお父様に代わり、神様の摂理を地上で導いて行くのか」という問題です。

誰が正統性を備えた摂理的人物なのでしょうか。その人物は私たちの前にどのように現われるのでしょうか。

この問題を解く重要な鍵は、過去にも現在にも未来にもただ一つ、正に人間の責任分担です。天が選び立てた人物は、人間の責任分担を尽くして勝利の基台を備えた時、自然に現われるようになっています。たとえその人物が、痛恨の挫折と試練の過程を経たとしても、それに屈せず、責任を果たして、天道に合わせて実績を立てれば、「打たれて奪ってくる天の法」によって、より大きな天の祝福と天運をもって現われるようになっているのです。

私たちは過去10年近く、取り戻すことのできない痛恨の犠牲を払いました。しかし、それ以前はどうであったのか、記憶を辿ってみてください。お父様が顯進様を立て、父子協助の摂理を導いた時、統一運動はどれほど発展していたでしょうか。

お父様が新しい摂理を開けば、そのバトンを顯進様が受け継ぎ、摂理をさらに拡張、発展させ、これを眺める神様はどれほど思いを寄せ、心躍らせたことでしょうか。大きな実績をもって帰ってくる顯進様を見られて、お父様もどれほど大きな期待をもって喜ばれたことでしょうか。

2008年の統一運動は、それこそ最高の絶頂期に向かっていました。世の中の前に真の父母と真の家庭の位相が驚くほどに現われていました。その余勢を駆って、2013年まで駆け抜けていたなら、お父様が目標とした夢は、お父様の生前に、ゆうに成しとげられていたことでしょう。

しかし、2009年からどうなったでしょうか。

天が祝福し、お父様が立てた長子を、お母様と教権指導部が締め出した結果、準備なく資格もない弟たちが立てられるようになりました。結局、お父様の聖和以降、顯進様の予見通り、お母様と弟が分かれて争い始めました。お母様はご自分が立てた後継者さえ追い出し、お父様の摂理基盤全体を掌握しました。

その結果、家庭連合は2008年のような最高度の発展を続けることができずに墜落してしまいました。残った人たちは家庭連合の中で互いに分かれて争い、結局、共に沈没する運命へと突き進んでいる有り様です。

反対に、家庭連合から激しい迫害を受けながらも、家庭連合の垣根の外に出て行かれた顯進様はどうなったでしょうか。

苦難の中で勝利した総理大臣ヨセフのように、韓国と世界で驚くべき基盤を築き、お父様の偉業をさらに輝かせ、お母様と兄弟たちと食口たちを生かすための道を歩んでおられます。

顯進様は、お母様と亨進様の運命が決まっており、この統一家の運命もまた決まっていると、既に宣言しました。彼らは神様のみ旨と一つになっていないため、栄えることができないし、このまま行けば、一世代を越えることができずに、家庭連合は影を潜め、祝福家庭の後孫たちは、自分が誰であるかも分からないまま生きて行くようになる運命だというのです。

私はお父様に侍って生きてきながら、神様と一つになって行かれるお父様の前途に、どのような奇蹟が起こってきたかを、随時、目撃してきた人間です。

自信をもって言いますが、神様は生きておられ、摂理の中心で役事しておられる存在です。そんな神様に侍り、顯進様がお父様のような道を行かれるならば、間違いなく、顯進様の進む道にも、神様の祝福と奇蹟の役事が共にあるでしょう。摂理の中心人物はこのように劇的に現われるようになっています。

今がまさにその時です。

摂理を経綸される神様は、既に神様の責任分担として、「お父様以降、摂理を導いて進む中心」を準備されました。その方を決められ、祝福し、導いて、自ずと現われるようにしてくださいました。その人物は、遥か遠くにいるのではなく、私たちのすぐ近くにいるのです。

そして神様は、私たち皆に、その方が誰なのか、見分けることのできる知恵をくださいました。私たちに求められる責任分担とは、決して大それたものではありません。良心の目を開き、その方を正しく分別し、見極めようとする努力があれば良いのです。

「彼の行いをみれば、彼が誰かを知るだろう」というイエス様のみ言葉のように、今なしているその方の業を見、その方の言葉を聞き、その方の生涯と家庭を見れば、誰が神様が定められた中心人物であるかを知ることができるでしょう。

現在の評判は重要ではありません。表に見えることだけを信じず、その中にある真実を見なければなりません。その方が過去10年余りにわたって成してきた言葉と行動と業を見なければなりません。

私たちは正しく見ることを知らなければなりません。

誰が神様の摂理の方向に一致しているのか。

誰が神様のみ旨と一致したみ言葉を語っているのか。

誰が神様を現わし、神様のみ旨を実体的に成しているのか。

これを正しく見ることができなければなりません。そうしてこそ、天が選び立てた中心人物を完全に、またその一面でも見ることができると考えます。私たちは、お父様に侍り生きてきた経験の中で、お父様がどのようなお姿だったのかを記憶しています。お父様はいつも神様のみ旨と摂理を中心として、一つになることを強調されました。強調するだけでなく、真の師匠のように、全体が進む摂理の方向と目標を、各自の役割と責任が何であるかを、明確に具体的に提示してくださいました。一方的に服従だけを要求する代わりに、自らがみ旨に対する主人意識をもって責任分担を果たすことを求められました。

真の指導者として、道徳的、霊的権威を土台として、常に摂理の第一線に出て行き、全体を導いて行かれた方。

真の父母として神様の究極的な創造理想である真の家庭の基台を整え、全祝福家庭と人類が模範として従うことのできる先例を立てるために渾身の力を尽くされた方。

今、私たちの前にこのような方がいたなら、その方こそ、真に神様が選ばれた方であり、お父様が願われる方でしょう。

誰が変わらずに神様のみ旨と一つとなり、正しい道を歩んでいる人物でしょうか。

誰が神様の長子権を受け継いだ息子でしょうか。

誰が摂理の中心人物として正統性を備えた指導者でしょうか。

誰が本来、真のお父様によって選ばれた相続者であり、後継者でしょうか。

その方は顯進様です。次の章で詳しく紹介したいと思います。

-事必帰正