真のお父様が残された原理を紐解く時、その結論は、どこまでも「真の家庭」に他なりません。
どれだけの信徒を動員しようとも、どれほどの基盤を誇ろうとも、「真の家庭」が失われてしまったなら、統一運動は歴史的な価値を失ってしまうでしょう。
「顯進様家庭の中に真の家庭の理想を見出した!」という櫻井夫人の証は、今、この運動に希望を失いかけている多くの兄弟姉妹たちの心に、再び信仰の火を灯すものとなるに違いありません。
櫻井夫人による「今伝えたいこと」シリーズの最終回!是非、ご覧ください。
【櫻井節子夫人のラジオ】(今伝えたいこと⑩)
真の家庭と共に生きる!(3月25日発信)
(以下、本文) ※小見出しは編集側で挿入したもの
祝福された人生
皆さん、こんにちは。櫻井節子です。新年のご挨拶もできないまま、早3月を迎えてしまいましたが、皆さん、お元気でいらっしゃいますか?
私は相変わらず、週2回デイサービスに通い、体に「動け~動け~」と念じながらリハビリに励んでいます。そこには、90歳前後の方々も多いのですが、皆、体は動かなくとも、口はよく動くもの。ついさっき話したばかりのことを何度も繰り返しおしゃべりなさる、そんな光景をよく見かけます
そう言う私も、この歳になると、昨日のことすらすっかり忘れてしまいますが、昔のことはつい昨日のことのように思い出されます。私の場合、開拓時代から海外宣教に至るまで、人生のどこを取っても、教会生活の思い出ばかりなのですが、そんな私の話が珍しいのか、「櫻井さん、何をやっていらした方なの?」と、周囲から関心をもたれます。
自らの人生を振り返ってみた時、本当に神様から多くの祝福を与えられたなぁ、と、つくづく思います。神様に出会い、真の父母様に出会い、真の家庭に出会い得た、その貴さと喜びが、人々の目には幸せそうに映るのかもしれません。
今々、教会の実態や真の家庭の現状を見つめながら、力をなくしておられる方々も多くおられることを知っています。どんなに華やかな大会や行事が行われても、それは過去にもあったことであって、最後に残るものは「実体」でしかありません。
身を投げ打って御旨に走ってきたものの、振り返ってみると、家庭がボロボロだったり、真の家庭の中にすら希望の実体を見出せない。そんな中で、「私たちの人生は一体何のためだったのだろうか」と思えるのでしょう。そんな皆さんに、今、何よりもお伝えしたいこと、それは、真の家庭は死んでいなかった、という事実です。
私はこれまで9回にわたり、「今、伝えたいこと」というテーマでお話してきましたが、今回はシリーズ最終回として、「真の家庭は生きている!」ということを、強くお伝えしたいと思います。
再び家庭が一つに
さて、前回お話したように、2017年12月、FPAが創設されました。その使命はひとえに「真の家庭運動」であり、私たち自身が真の家庭を築いていこう、というものです。
我が家は長らく、教会分裂の渦中にあって、離散家族のような状況にありました。いち早く顯進様支持を表明していた下の息子と、家庭連合で重責を担っていた上の息子と共に、どれほど多くの議論を交わし、対話を重ねたかしれません。
上の息子は家族を韓国に置きながらの単身赴任で、私は当時、彼と二人で同居していましたが、私が退会となった直後から、息子は本部内の様々な思惑や周囲の意向を察し、「一人で祈って考えるよ」と言い残して家を出ていきました。
真の家庭のこと、二世たちのこと、教会の未来のこと…、様々なことを思い悩んでいたのだと思います。彼は人一倍責任感が強く、周囲との関係をとても大切にしていました。また、もし彼が顯進様を擁護しようものなら、自分がどんな立場に立たされるかも、よく分かっていたと思います。そんな彼が、周囲の反対を押し切り、顯進様の真実を明かす立場に立つことができるだろうか、と、切実に祈らざるを得ませんでした。
しかし10月に入り、仕事が一段落するや否や、彼は自らの思いと信念とを書簡にしたため、全牧会者に訴えました。この内容が横々で瞬く間に広がり、文章が伝わってきた時、私はそれを読みながら、「よくぞやった!」と、心の中で叫びたい思いでした。
彼はこの件で職を追われ、様々な心境を通過したと思いますが、2ヵ月後、FPAの創立大会に二人の息子が共に参加し、談笑している姿を見ながら、私は神様の、ここに至るまでの計らいと導きに、深く感謝せざるを得ませんでした。FPAの発足と共に、我が家は再び一つに集うことができたのです。
顯進様生誕50周年と12双の祝福
さて、FPAに来てから、私の顯進様に対する見つめ方は大きく変わりました。その間の顯進様の活動や教えを詳しく知らされ、特に下の息子を通して知った顯進様の御言理解に心底、驚かされたからです。
この方は、単なるご子女様のお一人ではない。お父様の御言の権威を継ぐ方であって、天一国の理想を具現化するには、私たち皆がこの方を通して、具体的なご指導を受けなければならない!と強く実感したのです。
また、神様に向かう純真な心情、ご父母様への一途な愛、兄弟たちを思う真剣さを垣間見ながら、顯進様を真のお兄様として敬う思いが日に日に培われていきました。
そんな中、2019年5月、「文顯進様生誕50周年」の記念式が行われるという通知を受けました。顯進様がご自分の誕生日を公式的にお祝いされるのは、この時が初めてだったといいます。
50年前、顯進様が誕生されたその年に、私は祝福を受けました。日本で最初のマッチングに与った12組、いわゆる12双は、世界的には43双と言われています。
お父様はそれまで、韓国を中心に、36家庭、72家庭、120家庭、430家庭と祝福して来られましたが、この430双の勝利を世界に種まきする、というのが43双でした。父母様が世界に出て行かれ、巡回されながら、初めて祝福の恩恵を世界へと広げられたのです。
この時、お母様のお腹におられたご子女様が顯進様でした。当時、霊能者たちが言うには、「今回お生まれになったご子女様は、特別な権能をもたれ、世界をまたにかける王のような運勢を持たれた方だ」と、松本ママからお聞きしたのをよく覚えています。
その顯進様の誕生によって祝福されたのが12双ですから、顯進様は私たちにとっては直接的なお兄様でした。それだけに、50周年の知らせを聞いた時、「ああ、私も共にお祝いしたい!」と強く思ったのです。その思いが天に届いたのか、私もこの式典に参加できるようになりました。
ご子女様から贈られたメッセージ
5月25日。会場となった小さなロッジは、大勢の人たちで溢れ返っていました。また、この式典には、顯進様家庭のご子女様が全員揃ってお祝いに駆けつけられました。韓服を召され、和やかに談笑されながら一つになっておられるそのお姿は、かつてのご家庭を見ているようで、何とも懐かしい思いが込み上げ、心が躍りました。
この日、顯進様の御言にも感動しましたが、最も深く心に残っているのは、御言の後、サプライズ映像ということで上映された、子女様方から顯進様へ向けられた、お祝いメッセージの動画でした。
お父様であられる顯進様に対して、お一人一人が愛情と尊敬、お祝いと感謝を述べながら、父親の生き様がご自分の人生にどう刻まれたのかを語られるのです。小さな末の娘様まで、泣きながら、父親の愛情と生き様を明かされる―。
そんなにも深く顯進様を慕われる、ご子女様方の姿を見つめながら、その間の顯進様の父親としての歩みが偲ばれ、胸が熱くなりました。顯進様も映像をご覧になりながら、何度か涙を拭っておられたのを覚えています。
歌に込めた小さき者の思い
その後、会場を移し、食事をとりながらの祝賀会となりました。その席で、各国メンバーが歌や踊りを披露することになっていましたが、そのトップバッターが日本チームの出し物でした。
実は渡米前、日本の出し物の一つとして、「櫻井夫人に歌を…」という声がありました。最初、「到底、私などが出る幕ではない…」そう思いましたが、改めて50周年の意味を考えてみた時、ふと「歌のうまい下手が問題じゃない。43双を代表して、勝利のこの日、何か感謝とお祝いの心をお届けしたい…」、そんな思いになったのです。結果、全体での合唱の前に2曲、私のほうからも歌わせていただくことになりました。
1曲目は、楽しい童謡をフリ付きで。2曲目はイタリア民謡・カンツォーネより「マンマ」という歌を、「お母様を想って歌います」として披露しました。ご家庭のテーブル席を目の前にしながら、私はいつになく緊張してしまいましたが、顯進様ご夫妻は笑顔でお聞きくださいました。
翌日の訓読会の席上、顯進様は私の歌のことを取り上げ、「櫻井夫人は80歳なのに少女のようだっただろう? 心情に年齢は関係ないんだね。もう一度、櫻井夫人に拍手をしましょう」と語られました。
顯進様は歌そのものより、心からの感謝とお祝いを伝えようとする小さき者の心情を喜んでくださったのではないかと思います。
真の家庭と共に過ごした喜び
各国の出し物が続いた後、いよいよご子女様方が登壇される時となり、お一人一人、順番にお祝いの歌を披露されました。
ご子女様方は皆さん個性的で、堂々としておられ、しかも、本当に自然体なのです。特別意識のようなものは微塵も感じられず、ただ、ご両親と食口たちを喜ばせたい、という思いに溢れておられました。そのお姿に私たちは大いに満たされたように思います。
最後は、ご子女様方の歌に合わせ、またリクエストに応えるように、顯進様・全淑様が踊られましたが、その温かく、楽しく、喜び溢れる空間を共にしながら、何か心が洗われ、本心が喜んでいるのを感じました。
「ああ、私たちはこういう世界を長い間、待ちわびてきたのだ…」、久しく忘れかけていた真の家庭を慕う思いが心の底から湧き上がり、同時に、顯進様はあの激しい迫害の真っ只中で、真の家庭の伝統を守り、こうした立派なご家庭を築いて来られたのだ、と、ただただ深い感謝を覚え、幸福感に満たされたのでした。
お父様の生涯の結実
また式典の間中、「霊界にいらっしゃるお父様が今日のこの情景をどうご覧になっておられるだろうか」と、しきりに思わされ、どれほど慰められ、誇らしくお思いかと思うと、心が熱くなりました。お父様の生涯の結実とは、決して盛大な行事でも立派な建造物でもなく、このような清らかで美しい「真の家庭」だからなのです。
思えば、お父様はかつて、1965年の初来日の折、祝福前の幼い私を前に、まるで小さい子どもに語り掛けるような表情で、「先生はね、あなたを早く祝福してあげて、幸福な姿を見てみたいなぁ」と語られたことがありました。私はその時のことを、お父様が聖和される前年、宣教国トルコの地で証したことがあります。
「お父様はあの時の御言をことごとく成就してくださいました。私はこれまで、昼考えても夜考えても、幸せを実感してきました。ですから、ここトルコにおいても、私はVIP渉外などをする時、いつもこう言うのです。『私には地位も名誉も財産も、何もありません。しかし、幸福な家庭をもっています』と。」
すると、お父様は机をバンと叩いて、「そこが重要だ!」と語られ、前列の責任者たちに向かって、「お前たち、今の話をしっかり聞いたか」と言われたのです。
真の家庭は生きている
摂理の結実は「家庭の実体」であり、それはお父様においては尚更なのです。
お父様は晩年、オモニのことで、また子女様のことで、深く心を痛めておられました。「すべてをやり直したい」と号泣されたこともあったといいます。
それを思う時、顯進様家庭のお姿が、霊界のお父様にとって、どれだけ誇りと慰労になっているかしれません。顯進様は祈祷の中で何度も言われます。
「真のお父様が地上に撒かれた種は死んでいません。真の種は今、ここに生きています」と。
今日、私が祝福家庭の皆さんに一番お伝えしたいことはそのことです。真の家庭の伝統と文化は、失われたのではありません。さらに深く根を下ろし、大きく枝を延ばし、豊かに実っているのです!
この喜ばしい事実と知らせは、打ちひしがれた食口たちの心に、どれほど大きな希望と喜びになるか知れません。
私たちが成そうとしているのは「真の家庭運動」です。原理の核心は「真の家庭」であり、復帰歴史の結実も、今後の摂理の起点も「真の家庭」なのです。
皆さんと分かち合いたい話は、まだまだ沢山ありますが、今回のシリーズは、この最も本質的なメッセージをもって締め括ろうと思います。
神様を愛し、真の父母様を愛し、真の家庭を愛してきた同じ祝福家庭として、残された人生を、真の家庭と共に生き、私たち自らもそのような家庭を目指して歩みましょう。そして、喜びと希望に満ちた人生を生きましょう。
皆さんの上に、神様の祝福が豊かにありますように。ありがとうございました。
以上
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■下記はこれまでの掲載してきた櫻井夫人のラジオ放送の一覧です。併せてご参照ください。
<櫻井夫人のラジオ:今伝えたいことシリーズ>
オモニに従うことがオモニのため?
https://align-with-god.org/blog/archives/1277
オモニに従うか、アボジに従うか
https://align-with-god.org/blog/archives/1281
なぜオモニはアボジに代わろうとするのか?
https://align-with-god.org/blog/archives/1286
独生女信仰が広がることが御旨なのか?
https://align-with-god.org/blog/archives/1292
なぜオモニの言葉を明らかにしないのか?
https://align-with-god.org/blog/archives/1336
オモニを本当に思っているのは誰か?
https://align-with-god.org/blog/archives/1451
顯進様は決してお父様を離れていない!
https://align-with-god.org/blog/archives/1501
義のために迫害される者たちは幸いである!
https://align-with-god.org/blog/archives/1536
FPAは摂理の主流である!
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